捜査関係者へ取材する中で男は男子大学生に睡眠導入剤を飲ませたうえで、注射器でアルコールを体内に注入、意識障害を引き起こさせ、嘔吐物による窒息で死亡させたという事件の概要が明らかになってきた。 しかし取材をかけても「なぜ男が男子大学生を殺害することなったのか」その動機がわからない。 何が男を凶行へ駆り立てたのか、2人に何かトラブルがあったのかー明らかにならないまま事件から2年以上たってから裁判を迎えた。 殺人や詐欺の罪で起訴されたのは広島市西区の南波大祐被告(33)。 あごひげを10センチ近く伸ばし、下を向いてとぼとぼとした足取りで法廷に姿を現した。起訴状が読み上げられた後に裁判長から認否を聞かれ、5秒ほどの沈黙の後に口を開いた。 「すべて黙秘いたします」動機が解明されることはないかもしれない。そう思って聞き始めた冒頭陳述で、検察が主張したのは“替え玉保険金殺人”だった。 ▽南波被告は自分に