10歳の娘に徹底的に嫌われて途方に暮れる43歳の父親に、鴻上尚史が一番大切なのは「待ち方」と伝えた理由
鴻上尚史さん いまだ収束の兆しが見えない『セクシー田中さん』問題。原作の提供や脚色の経験がある、作家で演出家の鴻上尚史さんのXでの投稿が注目を集めている。問題の本質は、「原作者と脚本家ではなく、出版社とテレビ局です」と鴻上さんは話す。その真意を聞いた。 【写真】えも言われぬ魅力…ドラマで“伝説のベリーダンサー”を演じた女優はこちら * * * ――なぜXにあのような投稿をしたのでしょうか。 ずっと心を痛めていたんですが、論点が原作者と脚本家の話、つまり、原作をリスペクトするべきかどうかとか、原作に忠実に脚本を書くことなどできないといったようなことがたくさん話されていて、この問題の本質からどんどん離れて行ってしまっているように思ったんです。Xで書きましたが、問題の本質は「原作者と脚本家」ではなく、「出版社とテレビ局」です。でも、一向にそのことを指摘する人が出てこない。だから、書きました。
ツイッターと想像力 「僕は作家なので想像力はそれなりにあると思っていたのだが、子供を持って初めて『虐待によって殺された子供のニュース』がつらすぎて、なるべくなら見たり聞いたりしたくないという気持ちになる。子供を持つまでこんな気持ちになるなんて夢にも思わなかった。自分の想像力なんて大したことないと思った」というツイートをしたらバズりました。 「インプレッション」というユーザーに表示された回数が、100万を超しました。すると、いろんなツイートが飛んできました。 「私には子供がいませんが、つらいです」とか「虐待から目を背けないで下さい!」とか「子供を持たないと分からないと言いたいのですか!」とか「子供を持ちたくても持てない人を傷つけていることが分からないのか」とか、まあ、香ばしいのがたくさんきました。 「ブレイクすることは、バカに見つかること」と言ったのは、有吉弘行さんだったでしょうか。 100
鴻上尚史さん(撮影/写真部・小山幸佑) 婚約者から「名字を変えたくない」と告げられた33歳男性。「親の都合による不利益を将来生まれてくる子に背負わせていいものか」と悩む相談者に、「強制的夫婦同姓」が法律義務で課されているのは世界で日本のみという事実と、「選択的夫婦別姓」が実現しない不思議を、鴻上尚史がわかりやすく解説する。 【相談121】結婚を決めた彼女から「名字を変えたくない」と告げられました(33歳 男性 スタベッキ) 34歳になる会社員男性です。職場の3歳下の後輩との結婚についてご相談です。 もともとずっと同じ職場で働いていたのですが、間の悪いことに私の東京転勤を機に付き合うことになり、4年の遠距離恋愛を経て昨年春、初任地に戻ってきました。破局したとき尾を引かないようにと今でもまだ関係は周囲に伏せています。ようやく昨秋に結婚の合意はしたのですが、そこで「名字を変えたくない」と告げられ
作家で演出家の鴻上尚史氏(61)が9日放送のテレビ朝日系「中居正広のニュースな会」(土曜・正午)にリモートで出演。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、演劇界でも中止・延期などの措置が広がり、切実な現状を説明した。 【写真】劇団ひとり、中居正広“非公認グッズ”を勝手に製作 鴻上氏は現状について「5月、6月に予定していた公演が中止になったので。何をするでもなく、途方に暮れる毎日で、今は本当に何もしてないですね」と語った。 中止・延期が相次ぐ現状に、司会の中居正広(47)から「4月、5月の公演が延期になったとはいえ、それが6月や7月に出来るわけでもないという事ですよね?」と聞かれると、鴻上氏は「劇場はだいたい1年半から2年先までスケジュールが埋まっていて。単純に半年遅らせるというのは出来ないですね」と説明。 そして「すごく悲しい事なんだけど」と語り出すと、「演劇界はわりと目立つ人が多いので、演
「義父が荷物を全て私に持たせる」理由…50代主婦の相談に鴻上尚史が憂慮した“無償の労働力”という意識 鴻上尚史のほがらか人生相談~息苦しい『世間』を楽に生きる処方箋 鴻上尚史さん(撮影/写真部・小山幸佑) 写真は本文とは関係ありません(※イメージ写真/iStock) 作家・演出家の鴻上尚史氏が、あなたのお悩みにおこたえします! 夫婦、家族、職場、学校、恋愛、友人、親戚、社会人サークル、孤独……。皆さまのお悩みをぜひ、ご投稿ください(https://publications.asahi.com/kokami/)。採用された方には、本連載にて鴻上尚史氏が心底真剣に、そしてポジティブにおこたえします 鴻上尚史著『鴻上尚史のもっとほがらか人生相談 息苦しい「世間」を楽に生きる処方箋』 定価:1430円(税込) 結婚当初から、「義父が自分の荷物を全て私に持たせる理由が知りたい」と投稿してきた50代主
いまだ収束の兆しが見えない『セクシー田中さん』問題。原作の提供や脚色の経験がある、作家で演出家の鴻上尚史さんのXでの投稿が注目を集めている。問題の本質は、「原作者と脚本家ではなく、出版社とテレビ局です」と鴻上さんは話す。その真意を聞いた。 【写真】えも言われぬ魅力…ドラマで“伝説のベリーダンサー”を演じた女優はこちら * * * ――なぜXにあのような投稿をしたのでしょうか。 ずっと心を痛めていたんですが、論点が原作者と脚本家の話、つまり、原作をリスペクトするべきかどうかとか、原作に忠実に脚本を書くことなどできないといったようなことがたくさん話されていて、この問題の本質からどんどん離れて行ってしまっているように思ったんです。Xで書きましたが、問題の本質は「原作者と脚本家」ではなく、「出版社とテレビ局」です。でも、一向にそのことを指摘する人が出てこない。だから、書きました。 ――どうして
劇作家・演出家の鴻上尚史氏(65)が11日までに自身のX(旧ツイッター)を更新。自民党和歌山県連が主催し、党青年局幹部や近畿の若手地方議員らが参加した会合に、露出の多い衣装の女性ダンサーを複数招いていたことについてコメントした。 懇親会ではダンサーに口移しでチップを渡す参加者もいたといい、その場にいた青年局の藤原崇局長(衆院岩手3区)と中曽根康隆局長代理(群馬1区)はいずれも役職を辞任した。 県連青年局長の川畑哲哉県議は女性ダンサーを招いた理由について、和歌山市で記者団に「多様性の重要性を問題提起しようと思った」と釈明。会合は昨年11月、国会議員や近畿ブロックの地方議員ら計30~40人を集めて和歌山市のホテルで開いた。女性ダンサーは5人だった。 鴻上氏は「『多様性』とは『なんでもあり』ということではありません。『多様性』とは、それまで支配的で主流だった文化や価値観に対して、『それ以外もある
やっぱり、源泉徴収が原因ですかね。給与や報酬から支払い前に所得税を控除する源泉徴収は、日本では1940(昭和15)年、戦費調達のために始まりました。 先に控除すると、悔しいですけど「税金を払っている」「がっぽり取られた」という実感が薄くなります。 アメリカみたいに自営業者だけではなく、源泉徴収のサラリーマンも、全員が確定申告をしなければいけないと、「ああ、こんだけ取られてるんだ」と実感できるわけです。 でも、日本だとサラリーマンは年末調整で、数字上の操作ですみますからね。 数字を見て終わるか、自分で実際に現金を振り込むか。この違い、サラリーマンを辞めて、自分で確定申告をした人なら、ようく分かると思います。 自分で振り込むようになると、「税金、ちゃんと使えよ。ムダな使い方したら怒るからな!」と思う傾向が間違いなく強くなるのです。 しかしまあ、「桜を見る会」です。 いつまでやっているんだと思っ
鴻上尚史 @KOKAMIShoji playwright theater director movie director novelist DJ actor singer(一部フォロワーのリクエストにより) thirdstage.com 鴻上尚史 @KOKAMIShoji 時事通信から、「成人の日によせて」という原稿の依頼が来て書いたのですが、書いた文章に20カ所以上の直しが入りました。「体言止めが美しい」というような理由で、納得できないと申し入れたら決裂しました。せっかく書いた文章なので、ここに載せます。多くの若者に届きますように😊 pic.twitter.com/ryEgFvjhnE 2023-01-06 10:52:09
鴻上尚史さん(撮影/写真部・小山幸佑) 初めて彼ができたが「不倫の関係」と悩む48歳女性。別れるべきだが「彼がとてつもなく好き」と懊悩する相談者に、鴻上尚史氏が語る「正義」と「人間のどうしようもなさ」とは。 【相談157】恥ずかしながら48歳になり初めてお付き合いをすることになりました(48歳 女性 つまらない人間) 初めまして。恥ずかしながら48歳になり初めてお付き合いをすることになりました。しかし、彼には家族がおり不倫の関係です。まさか、男性と付き合うどころか、不倫なんてハードルの高いことが起こるなんて思ってもみませんでした。このまま何もなく死んでいくのだろうな、と思い生きてきました。 私は今まで大きな組織で働いてきました。しかし組織に嫌気がさし、知り合いが起業したので、そこに入れてもらうことになって今は初めて仕事が楽しいと思い、やりがいを持って働いています。 けれど相手はその起業した
なぜ日本人は「批判」「批評」ではなく、「攻撃」「人格否定」になるのか。演出家・鴻上尚史さんと脳科学者・中野信子さんが、現代社会特有の“息苦しさ”から抜け出すためのトレーニング方法を語った新著『同調圧力のトリセツ』より特別公開する──。 ※本稿は、鴻上尚史・中野信子『同調圧力のトリセツ』(小学館新書)の一部を再編集したものです。 共感能力がないほうが「論破」向き 【鴻上】今は共感能力があるほうが生きる上で大切だと思われていますが、一方で、共感能力がない人は、「論破王」と言われることもあります。確かに共感能力がない人のほうが一文で相手に対して、勝利宣言はできますよね。 【中野】海外の元首までなさった人に失礼かもしれませんけど、論破王的なトランプ元大統領も一定の支持がありましたね。 【鴻上】論破というのは、相手とのコミュニケーションを切断することだとようやく気づいてきた人が増えてきたからいいです
NHK BSの人気番組『cool japan』の司会者として、世界を旅する演劇人として、人気脚本・演出家が世界の人々と聞いて議論した。世界の人々が日本を体験して感じた「クール!」と「クール?」と「クレイジー!」 これを知れば、日本がもっと楽しくなる! *本記事は鴻上 尚史『クール・ジャパン!? 外国人が見たニッポン』(講談社現代新書)の内容を一部抜粋・再編集したものです。 「アイスコーヒー」の衝撃 二〇〇六年四月からNHKのBS放送で『cool japan』という番組の司会をするようになりました。ありがたいことに、番組はずっと続いて、一〇年目に突入しました。 番組では毎回テーマを決めて八人の外国人と一緒に話し合います。八人の外国人は、タレントではなく、学生や仕事で日本に来たり、夫と共に赴任した人たちです。 番組が始まった当初、「日本でこれはクール(かっこいい・優れている・素敵だ)と思ったも
漫画「『不死身の特攻兵⑧~生キトシ生ケル者タチヘ』(原作・鴻上尚史、漫画・東直輝 講談社)は、太平洋戦争中にフィリピン戦線で特攻部隊「万朶隊(ばんだたい)」の隊員として9度の特攻から生還した佐々木友次さんにインタビューしたノンフィクション「不死身の特攻兵~軍神はなぜ上官に反抗したか~」(鴻上尚史著、講談社現代新書)のコミカライズ第8弾です。 ストーリー 特攻兵士たちの戦争の真実 8巻の紹介にあたり、7巻からストーリーを進めます。7巻では佐々木伍長の7度目の出撃の様子が描かれます。 万朶隊の佐々木伍長は「第5飛行師団 菊水隊」に同行、第五飛行団長の小川小二郎陸軍大佐は、「佐々木のやっていることは、特攻隊の最大の模範である」と鼓舞。そして隊員たちを、「敵戦闘機を見たら逃げろ、絶対に無駄死をしてはならない」と激励し送り出します。 しかし、佐々木伍長は出撃にあたり、ふと既に戦争で他界した兄から「お
『鴻上尚史のほがらか人生相談 息苦しい「世間」を楽に生きる処方箋』(鴻上 尚史 著、朝日新聞出版)に集められている数々の相談ごとは、月刊誌『一冊の本』(朝日新聞出版)に掲載されたもの。 一回の掲載ごとに、著者が3~4本の相談に答え、それをウェブメディア「AERA dot.」が一週間に一本の割合で紹介したところ、多くの反響があったのだそうです。 明快な回答が共感を呼んだということで、これまでに700を超える相談が寄せられているのだといいます。 「ほがらか人生相談」というタイトルですが、ほがらかなものは少なく、深刻だったり、重かったり、切実だったりするものが多いです。(「はじめに」より) このことばどおり、寄せられている相談は、いじめ、人間関係、恋愛、差別問題、虐待など多種多様。まさに現代社会の縮図のようです。 しかし、それでも暗くネガティブに終わらないとことが本書の魅力。 著者はこれまでにい
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