(左から)安田浩一さん(撮影/小山幸佑)、鴻上尚史さん(撮影/森清) コロナに感染した芸能人の謝罪、感染後のバッシング……。そんなコロナがもたらした違和感や恐怖について、新著『同調圧力』(講談社現代新書)の著者の一人で演出家の鴻上尚史さんと構成を担当したジャーナリストの安田浩一さんが語り合った。 【前編:鴻上尚史×安田浩一「コロナで『凶暴化』した同調圧力」】より続く * * * 安田:僕自身、同調圧力にのみ込まれそうになるときがあります。本書では、ニュースキャスター・芸能人・スポーツ選手などコロナに感染した著名人たちが口々に謝罪をすることのおかしさが話題になっています。 先日、数日間にわたり取材をさせてもらった方が「濃厚接触者」だとして、保健所から「PCR検査を受けてください」と連絡を受けたそうなのです。本人からその報告を受けた際、もし僕にも保健所から連絡があったり、彼がPCR検査で陽
彼女からの手紙を勝手に処分…「毒親」ではないと猛烈反論する62歳母に鴻上尚史が「やっかいな問題」だと言った理由 鴻上尚史のほがらか人生相談~息苦しい『世間』を楽に生きる処方箋 それは、まあ、恋愛の真相なんてのは当事者にしか分からない、と思っていることも大きいです。どっちがどっちを利用しているか、どれぐらい負担をかけているかなんてのは、当人同士じゃないと分からないと僕は考えています。 と書きながら、例えば、もし、自分の子供が国や民族で人を差別するヘイト・スピーチを話していたり、あきらかにカルトな新興宗教に入ろうとしていたら、とことん説得するし、それでもダメなら引きずってでも止めようとすると思います。その時は、「子供の立場を尊重」している場合ではないと、僕は考えます。 でもね、みどりさん。どちらのケースでも、子供にとってはたまったもんじゃないと思うのですよ。 当人は自分の判断でやっていると思っ
多くの書籍を通じて、日本社会の特徴ともいえる「空気」と「世間」について、さまざまな角度から考えてきた鴻上さん。 30年にわたる連載をもとに刊行した『世間ってなんだ』では、ずっと中途半端に壊れ続ける世間が私たちの生活、心に何をもたらしてきたのか、世間が息苦しいと感じたときに、そこから抜け出す方法を語っている。 クレームに弱い日本 大阪に仕事に行って、帰りの新幹線の中で、たこ焼きと肉まんを食べるのが至福の時間でした。 それが2017年夏、いきなり、新大阪駅改札内で販売されている「たこ家道頓堀くくる」のパッケージに、「新幹線車内および駅構内でのお召し上がりはご遠慮願います。空き容器は店内のくずもの入れにお捨て願います」という注意書きシールが貼られました。 最初、このシールを見た時は凍りました。新幹線の中でたこ焼きの臭いがするのがダメなのかなあ、しょうがないなあ、と駅のホームで出発前までの短い時間
戦後74年を迎え、ますます戦争の記憶が薄れゆく日本。そんな中、これまで光が当たらなかった戦争のリアルを描くコミックが話題を呼んでいる。『不死身の特攻兵 生キトシ生ケル者タチヘ』(週刊ヤングマガジンで連載中)と、『ペリリュー 楽園のゲルニカ』(ヤングアニマルで連載中)だ。 終戦記念日にあわせて、『不死身の特攻兵』の原作者である鴻上尚史さんと、『ペリリュー』作者の武田一義さんの、出版社もメディアも超えた特別対談が実現。ふたりが作品に込める、現代日本人へのメッセージとは――。 (構成/伊藤達也、撮影/浜村達也、協力/平和祈念展示資料館) 戦場で過ごした若者の「生身」を描く ――まず、この2作品が生まれたきっかけを伺えますか? 鴻上 僕はもう、偶然「9回特攻に出撃して、9回帰ってきた人がいる」ことを知ったのがすべての始まり。 『特攻隊振武寮 帰還兵は地獄を見た』(朝日文庫)という本を読んで存在を知
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