﹁俺たちの国芳 わたしの国貞展﹂の感想→浮世絵って面白い!
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︵出典‥http://w2222.nsk.ne.jp/~kita1ym/random2.html︶ とはいえ、僕の中の浮世絵のイメージといえば、かなり残念な感じ。ステレオタイプな風景画か美人画位のもので、まぁお茶漬けのカードに描いてあったとおりだろう、、、と思っていたのですが、今回の展示会では、いい意味で大きく期待を裏切られることになりました。いや、すごかったです。それでは順番に少し紹介してみたいと思います。
混雑状況について
検索で来てくれる人は、まずこの﹁混雑状況﹂がやっぱり気になるかと思いますので、先に書いておきますね。僕の行ったのは、初日3月19日の午前11時頃。雨の中行ってきました。![f:id:hisatsugu79:20160326061512j:plain f:id:hisatsugu79:20160326061512j:plain](http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/h/hisatsugu79/20160326/20160326061512.jpg)
初日朝にグッズが売り切れる怪︵笑︶
で、入り口にこんな注意書き看板があったのですが、特に歌川国芳がネコ好きだったエピソードから臨時発売されたフィギュアショップ﹁小夏屋﹂の﹁大王ネゴラ 歌川国芳ヴァージョンは売り切れました﹂と。![f:id:hisatsugu79:20160326060302j:plain f:id:hisatsugu79:20160326060302j:plain](http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/h/hisatsugu79/20160326/20160326060302.jpg)
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音声ガイドは歌舞伎役者
音声ガイドは、中村七之助でした。![f:id:hisatsugu79:20160326061152j:plain f:id:hisatsugu79:20160326061152j:plain](http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/h/hisatsugu79/20160326/20160326061152.jpg)
出典‥グッズ・音声ガイド|ボストン美術館所蔵 俺たちの国芳 わたしの国貞|日本テレビ 中村勘三郎の息子ですね。やっぱり浮世絵の展示会だけに、歌舞伎や能などの伝統芸能の芸能人か、関連する文化人が起用されてるのかなと思ったら、思った通りでした。それほど手慣れた感じはしませんでしたが、一生懸命解説で声を張ってくれてました。
ところで、国芳と国貞って誰なの
この展示会で取り上げられている二人の浮世絵師は、歌川国芳、歌川国貞です。兄弟じゃないですよ、もちろん。歌舞伎や落語みたいな日本の伝統芸能でよくある、代々襲名されていく芸名であります。彼らはいわゆる同門の兄弟弟子であり、ライバルでした。共に師匠は初代歌川豊国。 主に、徳川家斉の治世下で花開いた﹁化政文化﹂から、水野忠邦による﹁天保の改革﹂を経て、幕末を迎え、幕府の威信が大きく揺らいでいく激動の時期に生きた絵師でした。 歌川国貞︵1786-1864︶は人気役者が演じる好漢達を描いた役者絵や伝統的な美人画で当時絶大な人気がありました。人気歌舞伎俳優の表情やしぐさの特徴を的確に捉え、当時の女性ファンの心を掴んだといいます。 ﹃あつまのわか手五人男﹄![f:id:hisatsugu79:20160326065849p:plain f:id:hisatsugu79:20160326065849p:plain](http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/h/hisatsugu79/20160326/20160326065849.png)
︵出典‥http://data.ukiyo-e.org/mfa/images/sc172578.jpg︶ まだ写真がなかった頃だから、各歌舞伎興行に合わせて、5枚一組などでこうした一線級の浮世絵師の書く﹁ブロマイド﹂代わりの浮世絵が飛ぶように売れたそうですね。 一方の歌川国芳︵1797-1861︶は最後は大浮世絵師として歴史に名を残しましたが、当時ブレイクしたのは30歳を過ぎてから。江戸中に﹁水滸伝﹂ブームを巻き起こした豪傑の絵が大当たり。ここから、江戸時代のいわゆる﹁ヤンキー﹂を描いた﹁武者絵﹂という新ジャンルを確立して、人気浮世絵師になっていきます。 ﹃通俗水滸伝豪傑百八之一人浪裡白跳張順﹄
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︵出典‥http://www.geocities.jp/shinzogeka/SuikodenKuniyoshi.htm#56︶ 当時は二人はライバルであり、国貞が結局3代目﹁歌川豊国﹂として歌川派のトップに立つことになりますが、後世の評価は圧倒的に歌川国芳に軍配が上がるようです。 特に、歌川国芳は﹁武者絵﹂で新分野を切り開くと、圧倒的な世界観や大胆な構図の妖怪画、合戦モノなど従来の浮世絵の概念を大きく超える自由な作風で江戸中を熱狂させました。そして、天保の改革で歌舞伎興行が中止になり、浮世絵や黄色本︵当時のエロ本みたいなもの︶の出版物規制がかかる中、マンガ風の滑稽画、戯画など新ジャンルを次々と開拓し、浮世絵の多様性をさらに切り開いていきます。まさに浮世絵界の革命児的な存在でした。
今回の絵はほぼ全部ボストン美術館からやってきた
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特に良かった絵画を少しご紹介
今回展示されている作品は、大判作品を中心に、全170点。どれも見応え抜群で、しっかり見たら2時間、3時間はかかりますが、中でも印象的だったものを幾つか紹介しておきますね。 ﹃相馬の古内裏﹄![f:id:hisatsugu79:20160326062239j:plain f:id:hisatsugu79:20160326062239j:plain](http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/h/hisatsugu79/20160326/20160326062239.jpg)
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︵出典‥讃岐院眷属をして為朝をすくう図︵1組︶ 文化遺産オンライン︶ 3枚の浮世絵を横につなげた大判画。みてくださいこの大きな魚。圧倒的にマンガ的であり、見ているだけでワクワクしてきます。国芳が現代のクリエイターに大きな影響を与えているとされるのも理解できるような気がします。 ﹃東都両国橋 川開繁栄図﹄
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まとめ
これまでも数年に一度、歌川国芳については何度も大きな展示会がありましたが、今回も全170点、すごく楽しめる展示会に仕上がっています。浮世絵って、なんか変な顔の美人画とか銭湯の富士山みたいな絵のことなんでしょ?っていう先入観がある人こそ、是非足を運んで欲しい展示会です。きっと、これを見たら﹁あれ、結構日本画すごくない?﹂ってハマるきっかけになるかもしれませんね。 そういえば4月は東京都美術館で﹁生誕300年記念伊藤若冲展﹂が開催されますね。今年は日本画がブレイクするような気がします。これも行かないとな~。 それではまた。 かるび 関連記事![空腹時の鑑賞は要注意?!「大江戸グルメと北斎」展は江戸の豊かな食文化が楽しく学べる展覧会!【美術展感想・レビュー】 空腹時の鑑賞は要注意?!「大江戸グルメと北斎」展は江戸の豊かな食文化が楽しく学べる展覧会!【美術展感想・レビュー】](https://cdn.image.st-hatena.com/image/square/3ef2f80db4dad60c0fa4c58ca305ed18dff36622/backend=imagemagick;height=100;version=1;width=100/https%3A%2F%2Fcdn-ak.f.st-hatena.com%2Fimages%2Ffotolife%2Fh%2Fhisatsugu79%2F20181125%2F20181125093745.jpg)
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