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[[File:Growl (wokal).ogg|right|thumb|デスヴォイスの例]]
[[File:George "Corpsegrinder" Fisher of Cannibal Corpse.jpg|thumb|[[カンニバル・コープス]]のリードボーカル[[:en:George Fisher (musician)|ジョージ・フィッシャー]]。]]
[[File:Amon Amarth Johan Hegg.jpg|thumb|[[アモン・アマース]]のヨハン・ヘッグ。]]
'''デスヴォイス'''もしくは'''デスボイス'''とは、意識的、積極的に出す「'''ダミ声'''」「'''悪声'''」「'''がなり声'''」であり、主に[[デスメタル]]、[[ブラックメタル]]、[[グラインドコア]]、[[ゴシックメタル]]、[[メタルコア]]、[[ハードコア|ポストハードコア]]、[[スクリーモ]]などのジャンルで多用される発声技法<ref>{{cite web|url=http://www.sfbg.com/38/42/art_music_metal.html|title=Voices from hell|accessdate=2007-04-21|author=York, Will|month=July | year=2004|publisher=San Francisco Bay Guardian}}</ref>。強い怒りや悲しみなどの感情や、不気味さ、汚さ、痛みや苦しみなどを表現するために使われる。
==概要==
デスヴォイスのことを'''デス声'''とも呼ぶが、通常の歌唱法は'''クリーンボイス'''と呼ばれ、しばしば対置される。日本では[[デスメタル]]の歌唱法という意味でデスヴォイス(デス声)と言われるが、英語圏で"death-voice" という呼び方はしない。代わりに'''デスメタル・ボーカル'''、'''ガテラル・ボーカル'''、'''デス・グラント'''、'''グラウル・ボイス'''、'''アンクリーン・ボーカル'''、'''ハーシュ・ボーカル'''、'''[[クッキーモンスター]]・ボーカル'''として知られている<ref>{{cite web|url=http://opinionjournal.com/la/?id=110007902|title=That's Good Enough for Me|author=Fusilli, Jim|accessdate=2006-02-01|work=[[The Wall Street Journal]]|archiveurl=https://web.archive.org/web/20090103110228/http://opinionjournal.com/la/?id=110007902|archivedate=2009年1月3日|deadlinkdate=2017年9月}}</ref><ref name="Melissa">[http://www.melissacross.com/ melissacross.com] ''(Welcome to the Melissa Cross Vocal Studio August 28 2013</ref>。
発声の際に[[口蓋帆]]や舌(の後ろ側)、[[仮声帯]]などで声道を狭めそれらを振動させることで「デスヴォイス」が形成されることが多い。(声帯自体の働きで)嗄声を故意に出して(本来は[[シャウト]])デスヴォイスとする場合もある。ピッチシフターやエフェクターを用い、雰囲気を増強する場合もある。▼
[[ゴアグラインド]]シーンでは[[ガテラルボイス]]と呼ばれる、初期[[カーカス]]のようなピッチシフターを使った低音デスヴォイスが定着しており、俗に下水道ボイスと呼ばれている。また、ピッグスクイールと呼ばれる名前通り﹁豚の呻き声﹂のような種類もあり、アクセント的に用いられることが多い。 ▲発声の際に[[口蓋帆]]や舌︵の後ろ側︶、仮声帯などで声道を狭めそれらを振動させることで﹁デスヴォイス﹂が形成されることが多い。︵声帯自体の働きで︶嗄声を故意に出して︵本来は[[シャウト]]︶デスヴォイスとする場合もある。ピッチシフターやエフェクターを用い、雰囲気を増強する場合もある。 ナタリー・パーセルは「デスメタルバンドのヴォーカリストの大半は、非常に低く、獣のような、もはや歌詞が聞き取れないようなグラウルを使っているが、多くは高い叫び声やオペラのようなヴォーカルも使う。または単に深く力強く歌い上げるヴォーカルも使う。」と述べている<ref name=purcell>Purcell, Natalie J. ''Death Metal Music:The Passion and Politics of a Subculture''. McFarland, 2003, p. 11.</ref>。社会学者のデーナ・ヴァインシュタインはデスメタルについてこのように語っている。「このスタイルのヴォーカリストは独特の声を使う。歌詞を歌うというよりも、がなったり、うなったりしている。声をディストーションとして使うのだ<ref>Weinstein, Deena. ''Heavy Metal: A Cultural Sociology.'' MacMillan, 1991, p. 51.</ref>。」
グラウルはその響きの"汚さ"故に批判にさらされることもある<ref name="ReferenceA">Sharpe-Young, Garry. ''Death Metal'', ISBN 0-9582684-4-4</ref>。しかし、グラウルはデスメタルという音楽ジャンル自体のおぞましさや扱っている不穏なテーマに対応したものにすぎない<ref name="ReferenceA" />。
== 歴史 ==
{{出典の明記|date=2021年7月|section=1}}
{{独自研究|date=2021年7月|section=1}}
正確な時期を指摘するのは難しいが、デスヴォイスが定着したのは[[1980年代]]中頃に発生した初期のデスメタル、グラインドコアのシーンにおいてであるといわれている。[[デス (バンド)|デス]]の[[チャック・シュルディナー]]や[[カム・リー]]がそのパイオニアであると考えられている。[[ポゼスト]]、[[ネクロファジア]]、[[マスター]]などもデスヴォイスをはじめて取り入れたバンドとして考えられている。同時期に、[[セルティック・フロスト|ヘルハマー]]や[[マサカー (メタル・バンド)|マサカー]]などもグラウルに似た歌唱法を取り入れていた。ヴォーカリストの[[ニック・バレン]]、[[リー・ドリアン]]、[[マーク・バーニー・グリーンウェイ]]を擁したイギリスの[[グラインドコア]]バンド[[ナパーム・デス]]はより攻撃性などを取り入れたり、歌詞を早口で歌ったりすることで、1980年代後半にテクニックの進歩に寄与した。その他の代表的な人物としては[[オビチュアリー]]のジョン・ターディ、[[カーカス]]の[[ジェフ・ウォーカー]]や[[ビル・スティアー]]などが挙げられる。[[カンニバル・コープス]]の[[クリス・バーンズ]]、[[サフォケイション]]のフランク・ミューレン、元[[クリプトプシー]]のロード・ワームは低音のうなり声を得意とし、これは現在の[[ガテラルボイス]]と呼ばれる歌い方につながっている。 また限定的ではあるが[[スレイヤー]]の''Hell Awaits'' (1985年)の一部ではピッチシフトを使ったデスヴォイスを聴くことが出来る。
現在は一曲通してデスヴォイスを使うこともある[[テスタメント]]の[[チャック・ビリー]]は''The Legacy'' (1987年)において部分的に通常よりさらにドスの効いた、現在のデスヴォイスに近い声を使っていた。近年ではニルス・K・リュー(ペイガンズ・マインド)に代表されるように、パートによっては凶悪なデスヴォイスを使用する実力派正統派メタル・ヴォーカリストも一部で存在する。
== 技法 ==
グラウルを正しく出すには横隔膜や喉を正しく使うことが必要である。喉を絞めようとすると、グラウルの勢いは弱くなってしまう。グラウルには息を吸う発声法と息を吐き出す発声法の2種類があり、それぞれ異なる特徴と利点がある。ヴォーカリストの中には[[アスキング・アレクサンドリア]]のダニー・ワースノップや[[ブリング・ミー・ザ・ホライズン]]のオリヴァー・サイクスなどのように、喉に力を入れすぎて痛めてしまうものもいる。[[オランダ]]の[[:em:Radboud University Nijmegen Medical Centre|Radboud University Nijmegen Medical Centre]]のレポートによれば、グラウルを行う人が増えたせいで、間違った方法により[[声帯]]に[[浮腫]]や[[ポリープ]]を作ってしまう患者が増えたという<ref>[http://www.nd.nl/Document.aspx?document=nd_artikel&id=95336 "Grunten" sloopt de stem] ''(Growling destroys the human voice)'', [[Nederlands Dagblad]], June 28 2007 (Dutch)</ref>。アメリカ合衆国では[[アーチ・エネミー]]や[[スリップノット]]のヴォーカルトレーナーである[[メリッサ・クロス]]など<ref name="Melissa" />、日本では[[lynch.]]など多数のアーティストを指導し、デスボイス・シャウトレッスン専門のボイストレーニング教室を運営する[[MAHONE]]が正しい発声法の指導にあたっている<ref>{{Cite web|和書|url=https://mahone.jp/|title=MyScream デスボイス・シャウトレッスン専門のボイトレ教室 東京 新宿|accessdate=2022-06-27}}</ref>。 ==脚注==
{{Reflist}}
==外部リンク==
* [[wikihow:Do-Harsh-Death-Metal-Vocals|How to Do Harsh Death Metal Vocals]], [[WikiHow]]
*[[wikihow:Properly-Stress-Your-Vocal-Chords-With-Screaming|How to Properly Stress Your Vocal Chords With Screaming]], [[WikiHow]]
{{DEFAULTSORT:てすうおいす}}
[[Category:ヘヴィメタル]]
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[[Category:声楽]]
[[Category:演奏技法]]
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