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{{Otheruseslist|医学雑誌|医学用の刃物のランセット|メス (刃物)|航空機|ランセット (航空機)}}
{{Infobox Journal
| title = The Lancet
| cover = [[ファイル:
| discipline = [[医学]]
| abbreviation = Lancet
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| frequency = 週刊
| history = 1823年 -
| impact =
| impact-year =
| website = http://www.thelancet.com/
| ISSN = 0140-6736
}}
﹃'''ランセット'''﹄︵{{lang-en|''The Lancet''}}︶は、週刊で刊行される[[査読]]制の[[医学]]雑誌である。同誌は世界で最もよく知られ、最も評価の高い[[世界五大医学雑誌]]の一つであり<ref>{{cite web | url =http://news.bbc.co.uk/1/hi/world/europe/7967173.stm | publisher= [[BBC]]|date=2009 3 27|accessdate=2009-10-12|title= Pope 'distorting condom science'|quote=One of the world's most prestigious medical journals, the Lancet, has accused Pope Benedict XVI of distorting science in his remarks on condom use.}}</ref>、編集室を[[ロンドン]]と[[ニューヨーク市]]に持つ。▼ 『ランセット』は世界中にかなりの数の読者を持ち、最も高い[[インパクトファクター]]を有する。ことに同誌のウェブサイトTheLancet.comにおいては、1996年の立ち上げ以来180万人以上の登録ユーザーを集めている。『ランセット』は、原著論文、レビュー("seminars" と "reviews")、論説、書評、通信に加え、特集ニュースや症例報告を刊行している。
▲同誌は世界で最もよく知られ、最も評価の高い[[世界五大医学雑誌]]の一つであり<ref>{{cite web | url =http://news.bbc.co.uk/1/hi/world/europe/7967173.stm | publisher= [[BBC]]|date=2009 3 27|accessdate=2009-10-12|title= Pope 'distorting condom science'|quote=One of the world's most prestigious medical journals, the Lancet, has accused Pope Benedict XVI of distorting science in his remarks on condom use.}}</ref>、編集室を[[ロンドン]]と[[ニューヨーク市]]に持つ。 『ランセット』は、[[1823年]]に[[イギリス]]の外科医トーマス・ウェイクリー ([[:en:Thomas Wakley]])<ref group="※">「Thomas Wakley」は翻訳によって「トーマス・ウェイクリー」と表記されることもあれば、「トーマス・ワクリー」と表記されることもある。</ref>によって創刊された。誌名をつけたのは彼で、手術用[[メス (刃物)|メス]]の一種であるランセット([[:en:Lancet (surgery)]])、および鋭頂窓([[:en:Lancet window]]、「光を取り入れる」を含意)にちなんだものである。[[1991年]]以来、『ランセット』は[[レレックス・グループ]]の一部である[[エルゼビア]]に所有されている。[[2008年]]の時点で編集長はリチャード・ホートンである。▼
== 歴史 ==
『ランセット』はいくつかの重要な医学的および非医学的事項に関して、政治的な立場を採ったことがある。近年の例では、[[ホメオパシー]]の効能が治療の選択肢になりうるという[[世界保健機構]]の主張を否定し、この件で世界保健機構を批判したこと<ref>{{cite web |title= Homoeopathy's benefit questioned | date = 2005 8 26 |accessdate=2009-10-12|publisher=[[BBC]]|url=http://news.bbc.co.uk/1/hi/health/4183916.stm}}</ref>、Reed Exhibitionsが軍需産業祭を主催した時点の不支持、そして[[2003年]]に、[[タバコ]]を違法にする呼びかけがある<ref>Ferriman, Annabel. [http://www.bmj.com/cgi/content/full/327/7428/1364-b Lancet calls for tobacco to be made illegal]. [[ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル|BMJ]] 2003;327:1364 (13 December), doi:10.1136/bmj.327.7428.1364-b.</ref>。▼
▲﹃ランセット﹄は、[[1823年]]に[[イギリス]]の外科医{{仮リンク|トーマス・ウェイクリー ▲﹃ランセット﹄はいくつかの重要な医学的および非医学的事項に関して、政治的な立場を採ったことがある。近年の例では、[[ホメオパシー]]の効能が治療の選択肢になりうるという[[世界保健機構]]の主張を否定し、この件で世界保健機構を批判したこと<ref>{{cite web |title= Homoeopathy's benefit questioned | date = ▲﹃ランセット﹄は世界中にかなりの数の読者を持ち、高い[[インパクトファクター]]を有する。ことに同誌のウェブサイトTheLancet.comにおいては、1996年の立ち上げ以来180万人以上の登録ユーザーを集めている。﹃ランセット﹄は、原著論文、レビュー︵"seminars"と"reviews"︶、論説、書評、通信に加え、特集ニュースや症例報告を刊行している。﹃ランセット﹄は、﹃[[ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン]] (NEJM)﹄、﹃[[ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・メディカル・アソシエーション]] (JAMA)﹄、﹃[[ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル]] (BMJ)﹄と並ぶ、"主要な"一般医学雑誌のひとつと見做されている。2012年のジャーナル・サイテーション・レポートでは、一般医学雑誌のなかで﹃ランセット﹄のインパクトファクターは45.217であり、﹃ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン﹄︵55.873︶に次ぐ2位に位置づけられた<ref>2014 Journal Citation Report Science Edition, Thompson Reuters, 2015</ref>。 == 関連雑誌 ==
﹃ランセット﹄はこれまでに == 巻号のつけ直し ==
1990年より以前は、『ランセット』の巻号は毎年リセットされていた。一月から六月までに刊行されたものは第1巻、残りは第2巻とされていた。1990年に、『ランセット』は年間2巻の発行となる連続巻号数方式に変更した。巻の号数は1990年以前にもさかのぼって割り振られ、1990年の前半の巻が335巻、1989年の後半の巻が334巻とされた。Science Directの目次リストの表はこの新しい巻号数表記を用いている<ref>[http://www.sciencedirect.com/science?_ob=JournalURL&_cdi=4886&_auth=y&_acct=C000050221&_version=1&_urlVersion=0&_userid=10&md5=bd0f7d5e398fdf05bc1359f9b11f3496 The Lancet]. Science Direct.</ref>。
== 議論の的となった記事 ==
﹃ランセット﹄は、[[1998年]][[2月28日]]に﹃{{en|Ileal-lymphoid-nodular hyperplasia, non-specific colitis, and pervasive developmental disorder in children}}﹄の表題で、[[新三種混合ワクチン]]と[[自閉症]]との関係 | author = Dr AJ Wakefield, FRCS. SH Murch, MB. A Anthony, MB. J Linnell, PhD. DM Casson, MRCP. M Malik, MRCP. M Berelowitz, FRCPsych. AP Dhillon, MRCPath. MA Thomson, FRCP. P Harvey, FRCP. A Valentine, FRCR. SE Davies, MRCPath. JA Walker-Smith, FRCP
| url = https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(97)11096-0/fulltext
| title = RETRACTED: Ileal-lymphoid-nodular hyperplasia, non-specific colitis, and pervasive developmental disorder in children
| publisher = THE LANCET
| date = 1998-02-28
| accessdate = 2021-11-22
}}</ref>、[[ワクチン]]研究者や[[医師]]から、激しい批判に晒された。[[2004年]][[3月6日]]に『ランセット』は、論文の一部撤回を発表した (''Lancet'' 2004;363:750) <ref>{{cite journal |author=Lyall J |title=Editor in the eye of a storm |journal=BMJ (Clinical research ed.) |volume=328 |issue=7438 |pages=528 |year=2004 |month=February |pmid=15164721 |pmc=351866 |doi=10.1136/bmj.328.7438.528 |url=}}</ref>。
{{See also|{{Ill|MMRワクチン捏造論文事件|en|MMR vaccine controversy}}}}
編集長のリチャード・ホートンは、同文書について、著者の一人の[[アンドリュー・ウェイクフィールド]]が、『ランセット』に開示していなかった重大な[[利益相反]]({{en|conflict of interest}})があったために、「致命的な利益相反」があったと正式に言明した<ref>[http://news.bbc.co.uk/1/hi/health/3530551.stm MMR researchers issue retraction]. BBC News, online edition, 4 March 2004.</ref>。そして[[2010年]][[2月2日]]に「[[科学における不正行為]]」として、論文全体を正式に撤回・抹消した<ref>{{Cite news | url = https://www.afpbb.com/articles/-/2690341?pid=5270873 | title = 英医学誌、自閉症と新三種混合ワクチンの関係示した論文を撤回 | language = [[日本語]] | newspaper = AFPBB News | publisher = [[フランス通信社]] | date = 2010-02-03 | accessdate = 2017-01-18 }}</ref><ref>{{cite news | author = 大西 淳子 | url = https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/int/201002/514064.html | title = Lancet誌がMMRと自閉症の関係を示唆した論文を抹消 | newspaper = 日経メディカル | publisher = 日経BP | date = 2010-02-05 | accessdate = 2021-11-22 }}</ref>。
『ランセット』は2004年に、[[イラク戦争]]におけるイラク人の死者数を、およそ10万人とする見解を出して議論を呼び起こした。2006年には、同じチームによる追跡研究によって、イラクの戦争での死者数が先行の調査と矛盾しないだけでなく、調査の期間中に顕著に増加したという示唆がなされた ([[:en:Lancet surveys of Iraq War casualties]])。二度めの調査では、戦争の結果として654,965人ものイラク人の死者が出たことが推定された。95%[[信頼区間]]は392,979人から942,636の間であった。1849世帯の12,801人が調査対象になった<ref>Coghlan, Ben. [http://www.eurekastreet.com.au/article.aspx?aeid=1938 Gut reaction aside, those on the ground know Iraq reality]. ''Eureka Street'', 30 October 2006.</ref>。▼
▲﹃ランセット﹄は2004年に、[[イラク戦争]]におけるイラク人の死者数を 2006年1月には、2005年10月に『ランセット』で刊行された、ノルウェーの[[癌研究者]]{{仮リンク|ヨン・スドベ |en|Jon Sudbø}}と13人の共著者による記事で、データが偽造されていたことが明るみに出た<ref>{{cite journal |author=Sudbø J, Lee JJ, Lippman SM, ''et al.'' |title=Non-steroidal anti-inflammatory drugs and the risk of oral cancer: a nested case-control study |journal=Lancet |volume=366 |issue=9494 |pages=1359–66 |year=2005 |pmid=16226613 |doi=10.1016/S0140-6736(05)67488-0 |url=}}</ref><ref>[http://news.bbc.co.uk/2/hi/health/4617372.stm Cancer study patients 'made up']. BBC News, online edition, 16 January 2006.</ref><ref>Hafstad, Anne. [http://www.aftenposten.no/nyheter/iriks/article1199644.ece Største svindel verden har sett]. Aftenposten, 17 January 2006.(ノルウェー語記事)</ref>。▼
{{See also|{{Ill|ランセットによるイラク戦争の死傷者数の調査|en|Lancet surveys of Iraq War casualties}}}}
他の学術雑誌でも、『ランセット』での論文削除に倣い、いくつかの論文が削除された。『[[ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン]]』誌では、一週間も経たないうちに、同誌で発行された同じ著者による研究論文に関する編集部の見解記事を掲載し、2006年の11月にはこのノルウェーの研究者による口腔がんの記事2本を削除した<ref>Cortez, Michelle Fay. [http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=20601103&sid=akvoVKD2HLCw&refer=us Medical Journal Retracts Oral Cancer Studies Linked to Fraud]. Bloomberg.com, 1 November 2006.</ref>。▼
▲2006年1月には、2005年10月に﹃ランセット﹄で刊行された 2009年の論説で、教皇[[ベネディクト16世]]が[[後天性免疫不全症候群|エイズ]]の予防に関して、[[純潔]]についての[[カトリック教会]]の教義を推し進めるために、[[コンドーム]]に関する学術的根拠を公的に歪曲していたことが告発された<ref>[http://www.google.com/hostednews/afp/article/ALeqM5hfPWp-D8Ds_atqj13FY4r9K2n0lg Pope 'publicly distorted' condom science: Lancet]</ref><ref>[http://sankei.jp.msn.com/world/europe/090319/erp0903191743004-n1.htm 法王の「コンドーム発言」に「人命軽視」批判]</ref>。[[ローマ教皇庁]]では、コンドームがエイズの危機を解決するのに十分たりえないかもしれないことを実証した2000年のランセットの記事を示すことで自己弁護した<ref>[http://www.oecumene.radiovaticana.org/fr1/Articolo.asp?c=276314 Radio Vatican article]</ref>。▼
▲他の学術雑誌でも、﹃ランセット﹄での論文 ▲2009年の論説で、教皇[[ベネディクト16世 (ローマ教皇)|ベネディクト16世]]が[[後天性免疫不全症候群|エイズ]]の予防に関して、[[純潔]]についての[[カトリック教会]]の教義を推し進めるために、[[コンドーム]]に関する学術的根拠を公的に歪曲していたことが告発された<ref>[ == メディアへの登場 ==
1974年の[[メル・ブルックス]]のコメディ『[[ヤング・フランケンシュタイン]]』では、[[ジーン・ワイルダー]]演ずるフレデリック・フランケンシュタイン博士が列車に乗って『ランセット』を読んでいるシーンがある。[[シャーロック・ホームズ]]ものの一話『[[白面の兵士]]』でも、19世紀末を代表する医学雑誌としてホームズが言及する。
==
{{脚注ヘルプ}}
=== 注釈 ===
{{Notelist}}
{{Reflist}}
== 関連項目 ==
*[[ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン]]
*[[ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・メディカル・アソシエーション]](米国医師会雑誌、略称:JAMA, [[:en:Journal of the American Medical Association]])
*[[ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル|BMJ]]
*[[世界五大医学雑誌]]
*[[MMJ (雑誌)|MMJ]]
▲== 脚注・出典 ==
== 外部リンク ==
* [http://www.thelancet.com/ The Lancet公式サイト]
* [http://www.ncbi.nlm.nih.gov/sites/entrez?Db=pubmed&Cmd=DetailsSearch&Term=%22+Lancet%22%5BJournal%5D Pubmed search] for Lancet
* [http://journalsearch.com.ar/ New Internal Medicine Journals Search Engine]
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[[Category:エルゼビア]]
[[Category:英語の学術雑誌]]
[[Category:イギリスの学術雑誌]]
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