新幹線911形ディーゼル機関車
概要
DD51形をベースとして、箱型両運転台構造の車体、6動軸駆動に改めたもので、新幹線事業車共通の青と黄の塗装︵全体が青で、運転台窓下から側面にかけて太く短い黄色の帯︶となっている。前面は非貫通で、後のEF66形と似たパワーを感じさせる半流線型のデザインであった。
エンジンは先行車の1号機ではDD51形と同じDML61S (1,000PS/1,500rpm) ×2が使用されたが、量産車の2・3号機は余裕を持たせるためにDML61Z (1,100PS/1,500rpm) ×2に強化した。液体変速機はDD51形と同じDW2であるが、使用目的によって引張力と速度を2段に切り替えられるように、高速段 (160km/h) と低速段 (92km/h) の切替え装置を付加したDW2Bを搭載した。これらにより、6軸を駆動している。連結器は、工事車両の牽引も考えられていたので、新幹線用密着連結器と並型自動連結器の双頭連結器を装備していた。また、列車救援を念頭において製造されているので、牽引される電車に予備灯電源を供給するためのディーゼル発電装置を搭載し、20‰勾配において16両の満員電車に相当する重量を引き出すことが可能となっている。
最高速度は160km/hで、当時の世界最速のディーゼル機関車であった。
山陽新幹線開業時、新大阪駅 - 岡山駅間を1時間で走破し、平均速度165km/hのディーゼル機関車世界速度記録を樹立した。
運用
主要諸元
●主要寸法 : 19,400mm×4,490mm×3,350mm
●軸配置 ‥ B-B-B
●軌間 ‥ 1,435mm︵標準軌︶
●機関車重量 ‥ 90.00t
●動輪上重量 ‥ 90.00t
●最大引張力 ‥ 27,000kg
●走行用機関 ‥ DML61Z (1,100PS/1,500rpm) ×2
●動力伝達方式 ‥ 液体式
●液体変速機 ‥ DW2B×2
●動輪駆動方式 ‥ 歯車減速および推進軸。歯車比 1:2.386
●制御方式 ‥ 機関回転数および推進軸。非重連。電磁および電磁空気式制御
●台車形式 ‥ 両端 DT8001 中間 DT8002
●ブレーキ方式 ‥ SEAA空気ブレーキ、バネブレーキ