東京商品取引所
日本の東京都中央区にある株式会社商品取引所
株式会社東京商品取引所︵とうきょうしょうひんとりひきじょ、Tokyo Commodity Exchange, Inc., 略称‥TOCOM︶は、日本の株式会社。株式会社日本取引所グループ︵JPX︶の子会社[4]で、商品先物取引法上の株式会社商品取引所である。エネルギー以外の先物をJPX傘下の大阪取引所に移管したため、現在はエネルギーの先物取引に特化した商品取引所となっている[3]。原油・石油製品︵ガソリン等︶先物、電力先物、液化天然ガス︵LNG︶先物を取り扱っている[5]。それぞれの取引について、2023年現在日本で唯一取り扱う取引所でもある。
![]() 本社が所在する東京証券取引所ビル | |
種類 | 株式会社 |
---|---|
機関設計 | 監査役会設置会社[1] |
略称 | TOCOM |
本社所在地 |
![]() 〒103-0026 東京都中央区日本橋兜町2-1[2] 北緯35度40分57.6秒 東経139度46分43.71秒 / 北緯35.682667度 東経139.7788083度座標: 北緯35度40分57.6秒 東経139度46分43.71秒 / 北緯35.682667度 東経139.7788083度 |
設立 | 1951年2月19日[3] |
業種 | その他金融業 |
法人番号 | 4010001121906 |
事業内容 | エネルギーの先物取引を行うために必要な商品市場の開設及び運営[3] |
代表者 | 代表取締役社長 石崎 隆[3] |
資本金 | 19億89百万円(2023年4月1日現在)[3] |
発行済株式総数 | 3,041,000株[3] |
主要株主 | 株式会社日本取引所グループ |
外部リンク | 日本取引所グループ,会社概要(東京商品取引所) |
2013年2月12日に「株式会社東京工業品取引所」から現在の商号へと変更された。
なお本記事では1984年に3取引所の統合により設立された取引所ならびに法人について記載し、かつて存在した、1894年設立の「東京商品取引所」については記載しない。
取扱い商品
編集※2020年7月27日にグループ取引所にあたる大阪取引所に移管された商品は大阪取引所#取扱い商品の拡大参照
- 貴金属市場 - 金現物取引(休止中):現金決済先物取引
- 石油市場 - 石油製品(ガソリン、灯油、軽油)および原油:石油製品については現物先物取引、原油については現金決済先物取引
- 中京石油市場 - 中京石油(ガソリンおよび灯油):現物先物取引
- 電力市場 - 日本卸電力取引所(JEPX)のスポット市場で取引される東エリア・ベースロード電力、西エリア・ベースロード電力、東エリア・日中ロード電力、西エリア・日中ロード電力[6]: 現金決済先物取引[7]
- LNG市場 - LNG(プラッツJKM)先物(試験上場中)[8]:現金決済先物取引[9]
電力先物
編集詳細は「電力デリバティブ」を参照
TOCOMは2019年9月に電力先物を3年間の期限付きで試験上場した。その後、市場参加者が増え、流動性が高まってきたため、2021年9月に電力先物の本上場とLNG先物の試験上場︵3年間︶を経済産業省に申請した。記者会見したJPXの清田瞭最高経営責任者︵CEO︶は﹁日本のエネルギー市場の安定に資するべく、利便性の高い総合エネルギー市場の振興に努める﹂と話した[10]。2022年1月、経済産業省は電力先物の本上場とLNG先物の試験上場を認可した[11]。
2022年4月には、市場参加者が当初の13社から160社に増え、試験上場期間3年を待たずして本上場に移行した[12][13]。石崎隆社長は﹁当社市場の社会的役割の重要性に公的な承認を得られた﹂とコメントした[12]。﹁電力消費量が世界第4位である日本において、電力先物市場は更に大きな発展が見込まれる﹂ため、TOCOMは主力商品として育成を図っている[12]。JPXの﹁中期経営計画2024﹂では、2024年度の電力先物取引高を2021年度比で5倍に増やす目標を掲げている[14]。
2023年1月、電力の先物市場を運営するJPXと現物市場を運営するJEPXは、電力の市場機能や競争力の強化を目的とした覚書︵MOU︶を交わし、両者が協力して市場参加者の拡大やリスク管理の強化に取り組むことになった[15]。
LNG先物
編集電力先物の本上場移行と同時に、TOCOMはLNG先物を試験上場した。電力と発電用燃料をワンストップで取引できる「総合エネルギー市場」の環境整備が一層促進される[12]。「中期経営計画2024」ではLNG先物の本上場を目指している[14]。
沿革
編集![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/6/61/Tokyo_Commodity_Exchange_logo.svg/250px-Tokyo_Commodity_Exchange_logo.svg.png)
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/6/61/Tokyo_Commodity_Exchange.jpg/220px-Tokyo_Commodity_Exchange.jpg)
立会時間・サーキットブレーカー制度
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立会時間は以下の通り。
●日中立会時間 08:45 - 15:15
●夜間立会時間 16:30 - 05:30
1日の取引としては、16:30に開始し翌営業日の15:15に終了する。
寄板合わせ、立会開始時︵8:45及び16:30︶に寄板合わせを実施
引板合わせ、5分間の注文受付時間を設け、立会終了時︵15:15及び翌5:30︶に引板合わせを実施
訂正・取消不可時間帯、寄板合わせ前及び引板合わせ前に、訂正・取消注文を受付けない時間帯︵1分間︶を設定。ただし、日中立会終了時の引板合わせを除く
︵2014年7月22日の変更前︶
●日中立会時間 09:00 - 15:30
●夜間立会時間 17:00 - 04:00︵ゴム市場に限り、17:00 - 19:00︶
1日の取引としては、17:00に開始し翌営業日の15:30に終了する。
さらに取引は24時間取引化される見込みである。
︵2014年7月22日の変更後
[26]︶
●日中立会時間 09:00 - 15:15
●夜間立会時間 16:30 - 04:00︵ゴム市場に限り、16:30 - 19:00︶
1日の取引としては、16:30に開始し翌営業日の15:15に終了する。
︵2016年9月の変更後︶[27]
●日中立会時間 08:45 - 15:15
●夜間立会時間 16:30 - 05:30︵ゴム市場に限り、16:30 - 19:00︶
1日の取引としては、16:30に開始し翌営業日の15:15に終了する。
寄板合わせ、立会開始時︵8:45及び16:30︶に寄板合わせを実施
引板合わせ、5分間の注文受付時間を設け、立会終了時︵15:15及び翌5:30︶に引板合わせを実施。ゴムの夜間立会の引板合わせは19:00。
訂正・取消不可時間帯、寄板合わせ前及び引板合わせ前に、訂正・取消注文を受付けない時間帯︵1分間︶を設定。 ただし、日中立会終了時の引板合わせを除く。
かつての値幅制限は廃止され、2020年現在はサーキットブレーカー制度が採用されている。
システム
編集2016年9月20日より、日本取引所グループのデリバティブ取引システム(J-GATE)及び清算システムを利用している[16]。
テレビCM
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CMは常に、石油バージョンと金取引バージョンの2種類が製作される。1ヶ月︵長い場合は2ヶ月︶間は片方のCMしか放映しない。切り替えは基本的に月初め。
組合組織時代はCM中に会員各社が日替わりで表示されていたが︵BSジャパンでは加盟社を表示しない形に差し替え︶、株式会社化されたため加盟社表示は廃止された。
スポンサー番組
編集過去のスポンサー番組
- ビジネスマンNEWS(テレビ東京)
- TXNニュースアイ(テレビ東京)※後継番組は速ホゥ!
- TXNニュースワイド 夕方いちばん(テレビ東京)
- TXNニュース THIS EVENING(テレビ東京)
- 激生!スポーツTODAY(テレビ東京)
- NEWSモーニングJAM(テレビ東京)※開始後1ヶ月で降板
- ドスペ!(テレビ朝日)※加盟社表示があったかどうかは不明
- 速ホゥ!(テレビ東京)
歴代のCM出演者
編集- 宍戸開(〜2003年4月末)
- リサ・ステッグマイヤー(2003年5月〜2005年4月末)
- 眞鍋かをり(2005年5月〜2009年4月末)
日本商品清算機構
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株式会社日本商品清算機構︵JCCH: Japan Commodity Clearing House Co., Ltd.[28]︶は、商品先物取引法に基づき農林水産大臣及び経済産業大臣から許可を受けて商品取引債務引受業を営んでいた商品取引清算機関である[29]。親会社の東京商品取引所に加え、大阪堂島商品取引所︵現‥堂島取引所︶の2取引所で成立した取引の債務引受けを行っていた。2020年7月27日に、東京商品取引所から貴金属市場︵金現物は除く︶、ゴム市場及び農産物・砂糖市場︵休止中の粗糖は除く︶の各商品[22]が大阪取引所へ移管されたことに伴い、親会社の兄弟会社である株式会社日本証券クリアリング機構︵JSCC︶に吸収合併された[30]。この合併により、大阪取引所、東京商品取引所、堂島取引所の上場商品デリバティブ取引に係る清算業務をJSCCが引き継いだ[23][30]。
関連項目
編集出典
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(一)^ 組織図 - 日本取引所グループ
(二)^ “株式会社東京商品取引所の情報”. www.houjin-bangou.nta.go.jp. 国税庁法人番号公表サイト. 2023年4月5日閲覧。
(三)^ abcdef“会社概要”. 日本取引所グループ. 2023年4月2日閲覧。
(四)^ abc“日本取引所、東商取のTOB成立を発表 今期純利益は14%減に下方修正”. 2019年9月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年9月26日閲覧。
(五)^ https://www.kyoto-np.co.jp/articles/biz/765322
(六)^ “電力先物”. 日本取引所グループ. 2023年4月2日閲覧。
(七)^ “電力先物”. 日本取引所グループ. 2023年4月2日閲覧。
(八)^ “LNG︵プラッツJKM︶先物”. 日本取引所グループ. 2023年4月2日閲覧。
(九)^ “LNG︵プラッツJKM︶先物”. 日本取引所グループ. 2023年4月2日閲覧。
(十)^ “東商取、電力先物の本上場申請 LNG先物の試験上場も”. 日本経済新聞 (2021年9月27日). 2021年10月1日閲覧。
(11)^ “電力先物取引の本上場及びLNG先物取引の試験上場に係る認可取得について”. 日本取引所グループ. 2023年5月17日閲覧。
(12)^ abcde“LNG︵プラッツJKM︶先物試験上場と電力先物本上場について”. 日本取引所グループ. 2023年4月2日閲覧。
(13)^ ab“電力市場価格のリスクヘッジを可能にする電力先物とは”. 日本取引所グループ. 2023年5月17日閲覧。
(14)^ ab“中期経営計画2024 2023年度アップデート”. 日本取引所グループ (2023年3月30日). 2023年4月3日閲覧。
(15)^ “JPXとJEPX、電力市場で協力 情報交換でリスク管理強化 - 日本経済新聞”. www.nikkei.com. 2023年5月17日閲覧。
(16)^ ab“ニュース︵新システムの運用開始について︶”. 東京商品取引所. 2017年8月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年7月11日閲覧。
(17)^ “株式会社日本取引所グループと株式会社東京商品取引所の経営統合に関する基本合意について”. 日本取引所グループ. 2019年4月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年7月11日閲覧。
(18)^ “株式会社日本取引所グループによる当社株式に対する売渡請求を行うことの決定及び当該株式売渡請求に係る承認に関するお知らせ”. 東京商品取引所. 2019年10月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年10月1日閲覧。
(19)^ [1]
(20)^ “株式会社東京商品取引所株式に係る株式売渡請求を行うことの決定及び当該株式売渡請求に係る同社による承認に関するお知らせ”. 日本取引所グループ. 2019年10月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年10月1日閲覧。
(21)^ “JPX、東商取へのTOB成立 総合取発足へ”. 日本経済新聞社. 2019年9月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年10月1日閲覧。
(22)^ abc“商品移管に伴う留意事項について”. 株式会社東京商品取引所. 2019年10月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年10月22日閲覧。
(23)^ abc“株式会社日本商品清算機構との清算機能の統合に伴う商品市場の清算業務に関する制度要綱”. 株式会社日本証券クリアリング機構. 2019年9月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年10月22日閲覧。
(24)^ 東京商品取引所から見ると、大阪取引所は兄弟会社にあたる
(25)^ “株式会社東京商品取引所の情報”. www.houjin-bangou.nta.go.jp. 国税庁法人番号公表サイト. 2023年4月5日閲覧。
(26)^ http://www.tocom.or.jp/jp/news/2014/20140314.html
(27)^ http://www.tocom.or.jp/jp/news/2015/documents/20151009bekki.pdf
(28)^ “History | Japan Securities Clearing Corporation”. www.jpx.co.jp. 2023年4月1日閲覧。
(29)^ “取引所概要”. 東京商品取引所. 2018年8月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年7月11日閲覧。
(30)^ ab“JSCCとは | 株式会社日本証券クリアリング機構”. www.jpx.co.jp. 2023年4月1日閲覧。