「民族的同一性」の版間の差分
削除された内容 追加された内容
m編集の要約なし |
|||
2行目:
== 概要 ==
民族的同一性は、﹁自分はどの民族に属しているか﹂という問いかけに対する認識を表す。すなわち、特定の民族への所属または帰属に関する意識である。人・集団が系図の上でつながる民族のことを﹁民族的出自﹂﹁民族的出身﹂﹁民族的ルーツ﹂︵英語‥ethnic origin︶と呼ぶが、民族的同一性は、本人の意識であることから、必ずしもルーツをすべて網羅したものではない。 この記事において民族とは、次のいずれかの定義に当てはまる集団を意味する。一つ目は、人類学で﹁エトニ﹂とも呼ぶ概念である。エトニとは、一つの共通出自を自認し、かつ[[文化]]的徴表︵言語系統や生活様式、慣習、信仰などの上の共通特徴︶で区分される集団を指す︵例えば[[チャン族]]、[[マプチェ族]]︶。もう一つは、おおもとの集団︵エトニ︶どうしの長い歴史にわたる結びつきや混交によって共通の文化的特徴、一体感、同胞意識が醸成されたときの集合体である︵例えば[[アラブ人]]、[[漢民族]]︶。この場合の同胞意識は、必ずしも全員が全く同じ出自を自認しているわけではなく、当該集合体︵民族︶の起源とされる集団の一部だけに自己の出自を認識するケースも含まれる。 21行目:
極めて歴史の長い、安定的な民族が存在しているものの、どの民族もより古い時代の集団どうしの混血によって起こっているがゆえに真の純血性は実在しないことを留意しなければならない。
人の[[ゲノム]]と民族的出自 一方で、ハーフ等の混血者が覚える民族に関する帰属感は、親の意識を重ね合わせた二重的なものとは限らない。例えば、一般の[[ポーランド|ポーランド人]]と一般の[[日本人]]︵[[大和民族]]︶との間で生まれたハーフは、人種的には単に日本人とは言いがたいが、環境によっては、あくまで大和民族の一員としてのアイデンティティを形成しうるし、反対に、あくまでポーランド民族{{Efn2|[[西スラヴ人]]の一種}}の一員としてのアイデンティティを形成しうる。ほかにも、様々な民族的同一性のかたちがある。このことは、自動的に決まる民族的出自とは対照的である。 |