池田蕉園（いけだしょうえん １８８６年–１９１７年12月1日）は明治から大正にかけての女性日本画家。本名池田（旧姓榊原）百合子。
１８８６年（明治34年）東京・神田生まれ。１９０１年、15歳で日本画家・水野年方に入門。１９０３年からは、同門であった鏑木清方が主宰する研究グループ・烏合会にも参加して研鑽を積む。同年、師の立会いのもと、同門の池田輝方と婚約したが、その直後に輝方は別の女性と失踪。この経験がもたらした苦悩と、水野から学んだ浮世絵の造形美が、独特の甘く感傷的な作風へと昇華されたといわれ、１９０７年、21歳で東京勧業博覧会に『花の蔭』を出品して二等賞、同年秋に開催された第1回文部省美術展覧会（文展）では三等賞を受賞。文展へは以後毎年出品して受賞を重ね、同様の活躍を見せていた京都の上村松園とともに「東の蕉園、西の松園」あるいは「（大阪の島成園とともに）三都三園」と並び称された。こうした一方、新聞や雑誌の挿絵も多く手がけ、それらの仕事を通じて泉鏡花の文学に傾倒、１９０８年には彼の作品を支持する人々の集まり「鏡花会」にも参加。また１９０９年には川合玉堂にも師事した。 １９１１年、放浪生活から戻った輝方と結婚、輝方も蕉園同様に文展で受賞を重ね、夫婦で屏風や双幅を合作したりもし、１９１６年の第10回文展では夫婦ともに特選を受賞。蕉園はこの翌年結核に倒れ、31歳で死去。夫の輝方も4年後の１９２１年に38歳で没した。