紀州 (落語)
あらすじ
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7代将軍・徳川家継が幼くして急死して将軍家直系の血が絶えたため、家祖・家康の遺訓の通り、次代将軍を紀州家か尾張家から出すことになった。勢力は拮抗し、次の評定で決めることとなった。最後の評定が行われる朝、登城の途中で尾州侯・徳川継友は、鍛冶屋の槌を打つ音が﹁テンカトル︵天下取る︶﹂と聞こえ、これは自身が将軍になる吉兆であると喜ぶ。
いざ評定が始まり、まず尾州侯が打診されると、もったいぶって﹁余は徳薄く、将軍の任ではない﹂といったん渋り、そこを周りの者に無理やり薦められる形で﹁嫌々ながら﹂引き受ける形を作ろうとする。ところが、次に打診された紀州侯・徳川吉宗も同じく﹁余は徳薄く、将軍の任ではない﹂と言うため、予定が狂う。しかも、紀州侯はそのまま続けて﹁しかし、かほどまでに乞われて固辞するのは、御三家の身として責任上心苦しい。しからば天下万人のため﹂と承諾し、そのまま次代将軍は紀州侯に決定してしまった。
帰路、落胆する尾州侯は朝に鍛冶屋の槌を音を聞いた場所で再び﹁テンカトル﹂の音を聞き、この後、紀州侯が辞退し、やはり自分に将軍職が回ってくるのではないかと、自分に都合のいいように解釈する。ところが、直後に鍛冶屋が焼けた鉄を水に差し、
﹁キィ…シューゥ︵紀州︶﹂
脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ 東大落語会 1969, p. 138, 『紀州』.
参考文献
編集- 東大落語会『落語事典 増補』(改訂版(1994))青蛙房、1969年。ISBN 4-7905-0576-6。