﹁鈴木鵬于﹂の版間の差分

　　　　　朧夜のここに淡海の水ぐるま<ref>平凡社『俳句歳時記』 春の部―平凡社版 38頁 </ref>

　　　　　行く春の暮の青さに漕ぎいづる<ref>平凡社『俳句歳時記』 春の部―平凡社版 51頁 </ref>

　　　　　末黒野や膝にこぼるる握飯<ref>平凡社『俳句歳時記』 春の部―平凡社版 104頁 </ref>

　　　　　雛の夜をいづらへ去るや船の笛<ref>平凡社『俳句歳時記』 春の部―平凡社版 151頁 </ref>

　　　　　夕顔の種くれぬあてもなく播きぬ<ref>平凡社『俳句歳時記』 春の部―平凡社版 211頁 </ref>

　　　　　お遍路はおぼろの国の果に寝ん<ref>平凡社『俳句歳時記』 春の部―平凡社版 281頁 </ref>

　　　　　遠山に青煙のぼり山帰来<ref>平凡社『俳句歳時記』 春の部―平凡社版 496頁 </ref>

　　　　　暖流にましろくひかり豆の花<ref>平凡社『俳句歳時記』 春の部―平凡社版 513頁 </ref>

　　　　　げんげ田や昼は遺影が家を守る<ref>平凡社『俳句歳時記』 春の部―平凡社版 518頁 </ref>

　　　　　駿河野のこゝに暮れゆく葱坊主<ref>平凡社『俳句歳時記』 春の部―平凡社版 521頁 </ref>

　　　　　たんぽぽや洋の響きは地にこもり<ref>平凡社『俳句歳時記』 春の部―平凡社版 523頁 </ref>

　　　　　修道院へすかんぽの道ほそりゐる<ref>平凡社『俳句歳時記』 春の部―平凡社版 583頁</ref>

　　　　　燈台守に九月の空の澄み来にけり<ref>平凡社『俳句歳時記』 秋の部―平凡社版 21頁 </ref>

　　　　　薄月の薬師の道になに買はん<ref>平凡社『俳句歳時記』 秋の部―平凡社版 73頁</ref>

　　　　　閉ぢし戸に月光あふれ海の村<ref>平凡社『俳句歳時記』 秋の部―平凡社版 73頁 </ref>

　　　　　秋風のてすりにかけし昼夜帯<ref>平凡社『俳句歳時記』 秋の部―平凡社版 98頁 </ref>

　　　　　さめて野分のともし恋しく点しをり<ref>平凡社『俳句歳時記』 秋の部―平凡社版 108頁 </ref>

　　　　　天竜や露の干ぬ間の桑摘女<ref>平凡社『俳句歳時記』 秋の部―平凡社版 131頁 </ref>

　　　　　笛のよな顔して鹿の鳴きにけり<ref>平凡社『俳句歳時記』 秋の部―平凡社版 341頁 </ref>

　　　　　虫売りはあはれ善人の顔もてり<ref>平凡社『俳句歳時記』 秋の部―平凡社版 380頁 </ref>

　　　　　老村医こほろぎの夜を一二軒<ref>平凡社『俳句歳時記』 秋の部―平凡社版 385頁 </ref>

　　　　　鈴虫の河原に添へば燈の飯田<ref>平凡社『俳句歳時記』 秋の部―平凡社版 387頁 </ref>

　　　　　駒岳澄めば仙丈岳が降る草雲雀<ref>平凡社『俳句歳時記』 秋の部―平凡社版 388頁 </ref>

　　　　　段丘に霧おく日日を鮎さびぬ<ref>平凡社『俳句歳時記』 秋の部―平凡社版 419頁 </ref>

　　　　　紅雲一片鰯の群を率ゐ来ぬ<ref>平凡社『俳句歳時記』 秋の部―平凡社版 429頁 </ref>

　　　　　木の実はや土になじむを拾ひけり<ref>平凡社『俳句歳時記』 秋の部―平凡社版 449頁 </ref>

　　　　　暮れきればこころ机上の桔梗に<ref>平凡社『俳句歳時記』 秋の部―平凡社版 546頁 </ref>

　　　　　菱刈りの深き茜に浸りゐる<ref>平凡社『俳句歳時記』 秋の部―平凡社版 603頁 </ref>