雲 (戯曲)
借金苦の田舎紳士ストレプシアデースは、乗馬にうつつを抜かす息子ペイディッピデースに、ソフィストであるソークラテースの道場で詭弁を習って来いと勧めるが、ぐうたらな息子は言うことをきかない。やむなく、ストレプシアデース本人が道場に赴く。そして事態は思わぬ方向に……。
宮本百合子の『人間性・政治・文学(1)―いかに生きるかの問題―』によると、岸田國士、三島由紀夫、福田恆存、木下順二らによって結成された『雲の会』の名の由来はこの喜劇である。