オルガン

鍵盤楽器のひとつ

: organ
オルガン
別称:風琴
各言語での名称
organ
Orgel
orgue
organo
管风琴(簡体字)
管風琴(繁体字)
オルガン
パイプオルガン
分類

気鳴型鍵盤楽器

概要

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1

[1]使使

日本語の「オルガン」

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学校のオルガン(二十四の瞳映画村

使

西: organ: Orgel: orgue: organo西: órgano : reed organ 




歴史

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ドイツのネニッヒの水オルガンを描いたモザイク(117年 - 138年)

 "οργανον" "organ" en:Organ

起源

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(en)

水オルガン

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クテシビオスの水オルガン

264 (Hydraulis)(en)[1]

2退2601

古代の水オルガンの遺物の出土例

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ギリシアのピエリア県ディオン村英語版には、ヘレニズム時代の都市ディオンの古代遺跡が残り、同村にあるディオン考古学博物館英語版に出土した1世紀の水オルガンが展示されている。

 
ディオン考古学博物館英語版に展示されている1世紀の水オルガン

ハンガリーの首都ブダペスト市内にある古代ローマ都市アクィンクム遺跡でも水オルガンが出土しており、復元品がアクィンクム博物館に展示されている。

ふいごによるオルガン

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1

中世

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913[2]

ルネサンス

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1516[3]1581[4]

バロック

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17世紀から18世紀前半のバロック時代はオルガン文化の全盛期にあたる。特に北ドイツでは、新教が大オルガンを建造することを競い始めるようになり、巨大化が加速された。オルガン建造家として現在も伝説の巨匠とされるアルプ・シュニットガー[5]ジルバーマン兄弟もこの時代に活躍した。世間にも広まった時期で、新興階級の部屋に置かれることもあった。

シンフォニック/ロマンティック・オルガン

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19208'[6]

ネオバロック・オルガン

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20[7]


パイプオルガンの種類

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おもに教会コンサートホールに設置される大オルガンのほかに、小型の据え置き型のポジティフ・オルガンw:en:Positive organ)や、可搬型のポルタティフ・オルガン(オルガネット)(w:en:Portative organ)などがある。

用途や設置場所を特に意図したい場合には、「教会オルガン」「コンサート・オルガン」「ハウス・オルガン」「劇場オルガン」「シアター・オルガン」「シネマ・オルガン」などの呼び方が使われることもある。最後の3つは音楽鑑賞を主目的としないもので、録音・再生装置が広く出回る前の時代に、劇場の効果音や雰囲気づくりに使用された。たとえば映画で、音楽を奏するほか、蒸気機関車の蒸気や汽笛の音、動物の鳴き声、爆発音まで、さまざまな音をオルガンの多彩なストップを応用して模倣して出す。

オルガンの例

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パイプ

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2: flue: reed1

使8'14'16'C8

[8]

3           

風箱

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1: wind chest: Windlade: sommier: somiere[9]

1


送風装置

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19192020[1]

スウェル

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演奏機構

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キー・アクション

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使[10]

[11]使19Charles Spackmann Barker18321839= (Aristide Cavaillé-Coll) 

19


ローラー・ボード

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ローラー・ボードは、トラッカー・アクションでキーの上下の動きを横方向に伝達するための機構である[12]。キーの上下動でパレットを開閉するためには、鍵盤の各キーの直上に各パイプが配置されるのが理想であるが、多くのオルガンでは、パイプとキーの位置が一致しないため必要となる。歴史的には600年以上も前、ゴシック時代のオルガンにすでに導入されていた。ポジティフなどの小型オルガンでは、鍵盤とパイプの配置のずれがあまりなく、ローラー・ボードを設置しないオルガンもある。

 
ローラー・ボード
 
ローラー・ボード、部品名

演奏台

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演奏台

: Spielschrank/Spieltisch: console: consolle[13]
 
オルガンの鍵盤の音域

手鍵盤

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123334 - 53

足鍵盤

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: Pedal: pédale: pedal: pedale




































3032

スウェル・ペダル

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[14]


クレッシェンド・ペダル

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[15]

ストップ

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コンビネーション(音栓操作記憶装置)

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足ピストン
足ピストン(独: Piston/Fußpiston、仏: champignon/piston、英: toe piston、伊: pistone)は足で軽く押す(踏む)ことによってon/offを動作させるピストンである。現代では一般的には、あらかじめ奏者が記憶装置によって記憶したストップの自由なコンビネーションを、演奏中に手でその切り換えができない場合に、足ピストンによって切り換えるために使用する。多く見かけるものでは2種類あり、番号が振られたピストンによって記憶させたコンビネーションの番号をそのまま呼び出すものと、記憶させたコンビネーションを先送りか後戻しさせるものが一般的となっている。同様の機能を持つボタンが、手鍵盤の直下などにもあることが多い。両足が塞がっているときには、手で同様の操作を行うこととなり、手も足も塞がっているときには、助手がその操作を手か足で行うことも多々ある。このことから、コンソール設計においては、足ピストンを奏者本人が扱いやすいだけでなく、助手が操作しても届く範囲で、なおかつ奏者の邪魔にならないような位置に設置することが求められる。

現代における規格

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1920沿

BDOAGO
ドイツ・オルガン建造職人連合規格 (BDO; Bund Deutscher Orgelbaumeister) 規格
平行型を支持している。
アメリカ・オルガニスト協会規格 (AGO; American Guild of Organist) 規格
扇型を支持している。
イギリス王立オルガニスト協会規格 (RCO; Royal College of Organists) 規格

調律

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チューニング・コーン

調調調調調調調調調調

調調調

その他のオルガン

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リード・オルガン族

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リードオルガン(Dominion Organ、カナダ
 
明治時代のリードオルガン

19

free reeddurchschlagende Zungeeinschlagende Zungefreischwingendeanche libreancia libraen:Free_reed_aerophone

調

調調 調

リード・オルガンとハーモニウム

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: reed organ, harmonium: Harmonium: harmonium: armonium2

"Aeoline" (Bernhard Eschenbach, 1767-1852)  (Johann Caspar Schlimbach, 1777-1861) 1810"Physharmonika" (Anton Haeckl) 1821

 (Ebenezer Goodrich)  "Harmonium"1810 (Gabriel Joseph Grenié, 1756-1837)  "Orgue expressif" (Aristide Cavaillé-Coll, 1811-1899)  "Poïkilorgue""poikilos"+ "orgue"

 (Alexandre François Debain, 1809-1877)  "Harmonium"1842

 (J.D.Buschmann) 18361860James Cahart&1861

19調使

190020

使10039491642

西西[16]

11146

アコーディオン

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アコーディオンは、オルガンの仕組みをさまざまに取り込んでおり、高級なものは、ストップの切替・組み合わせにより音色を多様に変化させることができる。アコーディオンの音色は、パイプ・オルガンでの唸音ストップによる響きによっている。

手回しオルガン

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Drehorgel, Germany, 手回しオルガン
 
ストリートオルガン
(古河歴史博物館所蔵)
 
左から風琴(オルガン)、紙腔琴(日本風に改良した手回しオルガン)、手風琴(アコーディオン)。十字屋楽器店刊『手風琴独まなび』の表紙

: barrel-organ: street organDrehorgel: orgue de barbarie: organo di Barberia, organetto使


電子オルガン

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脚注

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注釈

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  1. ^ 詩篇交響曲』の曲目解説において、オルガンでなく管楽器を使った理由として述べられたもの。後の『カンティクム・サクルム』ではオルガンを使用している。Igor Stravinsky; Robert Craft (1982) [1961]. Dialogues. University of California Press. p. 46. ISBN 0520046501 

出典

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(一)^ ab   

(二)^  1988112-117

(三)^  1988117-119

(四)^  42002/02/05202057

(五)^  1988119-134

(六)^  1988146-150

(七)^  1988150-152

(八)^  198836-51

(九)^    

(十)^  198826-27

(11)^ 

(12)^  198821

(13)^  198894

(14)^  1988106-108

(15)^  1988108

(16)^ . 41

参考文献

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Williams, P., Owen, B., Bicknell, S. "organ". The New Grove Dictionary of Music and Musicians. 2nd ed. London: Macmillan, 2001.

 /11988220245ISBN 4-276-12452-2

  2007

-   (PDF) 920103

関連項目

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現代の著名なオルガン演奏者

外部リンク

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