カテキン
カテキン (catechin) は、狭義には化学式C15H14O6 で表される化合物であり、フラボノイドの1種である。分子量は 290.27。
カテキン | |
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(+)-カテキン
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(-)-カテキン
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(2R,3S)-2-(3,4-dihydroxyphenyl)-3,4-dihydro-2H-chromene-3,5,7-triol | |
別称 3,3',4',5,7-フラバンペントール カテコール カテルゲン シアニドール | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 7295-85-4 (±), 154-23-4 (+), 18829-70-4 (−) |
PubChem | 9064 |
日化辞番号 | J220.358H (±) J9.391B (+) J21.708E (−) |
KEGG | C06562 (+) C14079 (−) |
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特性 | |
分子式 | C15H14O6 |
モル質量 | 290.26 g/mol |
精密質量 | 290.079038 |
外観 | 白色固体 |
融点 |
175–177 °C |
λmax | 276 nm |
比旋光度 [α]D | +14.0° |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
語源
編集異性体
編集- 鏡像異性
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(+)-カテキン (2R,3S)
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(−)-カテキン (2S,3R)
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(−)-エピカテキン (2R,3R)
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(+)-エピカテキン (2S,3S)
茶カテキン
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一方、日本人になじみの深い茶のカテキンは、1929年から辻村みちよらによって結晶状に単離されていった。茶カテキンの主要成分は、エピカテキン︵epicatechin、EC) とそのヒドロキシ体のエピガロカテキン (epigallocatechin、EGC)、およびそれらの没食子酸エステルであるエピカテキンガレート (epicatechin gallate、没食子酸エピカテキン、ECg) とエピガロカテキンガレート︵epigallocatechin gallate、没食子酸エピガロカテキン、EGCg︶の4つである。これらの化合物は緑茶の渋み成分として含有量は EGCg>EGC>ECg>ECの順であり、合計すると茶葉中の水分を除いた総重量中の13~30%程度を占める。紅茶を作る際の発酵の工程では、カテキンはポリフェノールオキシダーゼ︵polyphenol oxidase︶によって酸化重合し、テアフラビンやテアルビジンへと変化する。
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エピカテキン
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エピガロカテキン
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エピガロカテキンガレート
生理活性
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カテキンには実に多様な生理活性があることが報告されており、それらを列挙すると、血圧上昇抑制作用[1][2]、血中コレステロール調節作用、血糖値調節作用[3]、抗酸化作用[4][5][2]、老化抑制作用[6]、抗突然変異、抗癌[1][2]︵食道癌、胃癌、大腸癌、結腸癌、膵臓癌、肺癌、前立腺癌、乳癌、膀胱癌[7]︶、抗菌、抗う蝕[1][2]、抗アレルギー作用[要出典]などとなる[8]。
チャノキの抽出物は米国でシネカテキンスとして、性器ヘルペス︵HPVウイルス︶の治療に承認されている。
チャ抽出物は1988年ごろより虫歯予防の食品コンセプトで産業的に使われるようになり、特に子供向けの菓子に利用されている。また茶カテキンの各種生理効果を特徴とした特定保健用食品が数点認可・販売されている。
高濃度茶カテキン
編集茶カテキンの安全性
編集脚注
編集- ^ a b c 田中達郎,石垣正一:食品と科学,12,110(1989)
- ^ a b c d 梶田 武俊、お茶の話 調理科学 Vol.25 (1992) No.1 p.51-59, doi:10.11402/cookeryscience1968.25.1_51
- ^ 詳細はサポニンを参照のこと
- ^ 梶本五郎:日食工誌,10,365(1963)
- ^ 山口真彦:日食工誌,22,270(1975)
- ^ 詳細は老化#糖化反応説とサポニンを参照のこと
- ^ 渡辺 敦光、「生活習慣による癌予防」、『日本未病システム学会雑誌』Vol. 9 (2003) No. 1 P 99-108
- ^ 池ケ谷 賢次郎、茶の機能と衛生 食品衛生学雑誌 Vol.30 (1989) No.3, doi:10.3358/shokueishi.30.254
- ^ Green Tea Extract Banned In France And Spain - Functional Foods & Nutraceuticals の報告
- ^ Green tea extract (Green Lite): suspected association with hepatotoxicity - Health Canada の報告
- ^ カナダ保健省が緑茶抽出物摂取との関連が疑われる肝毒性の事例を公表 - 独立行政法人 国立健康・栄養研究所
関連項目
編集- 鈴木隆 (生物学者)
- べにふうき
- ブリーフ&トランクス - カテキンを取り上げた歌がある。
外部リンク
編集- カテキン - 素材情報データベース<有効性情報>(国立健康・栄養研究所)