キャラメル
砂糖や牛乳を煮詰めて作るキャンディ菓子や製菓材料
キャラメル、カラメル︵caramel [ˈkærəˌmɛl, ˈkærəməl]︶は、砂糖の温度変化上の呼称、または砂糖や牛乳を煮詰めて作るキャンディ菓子や製菓材料。ポルトガル語の caramelo [kɐɾɐˈmɛlu]に由来する。
概要
編集カラメル
編集特性
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砂糖の温度変化上では、カラメルは190℃程度までに熱した茶褐色の状態のものをいい、ソースやコーラなどの着色に用いられる[1]。
なお、これとは別に、砂糖の温度変化上では165 - 180℃程度の淡褐色の状態のものをカラメルソースといい、カスタードプリンなどに利用される[1]。
「カラメル色素」を参照
カラメル化反応
編集キャラメル
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砂糖の温度変化上では、キャラメルは砂糖を115 - 121℃程度までに熱した状態をいい、直径6ミリ程度の粘り気のある泡が多く出ている状態をいう[1]。
先述のように乳製品を用いた砂糖菓子をいうこともある[2]。以下では砂糖菓子について述べる。
歴史
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西暦900年頃にクレタ島の製糖所で作られるようになったとされる[8]。これらは11世紀に十字軍によってヨーロッパに持ち帰られ、16世紀にはカトリーヌ・ド・メディシスによってフランスにもたらされた。フランスで発展した砂糖菓子から、アンリ・ルルーは故郷ブルターニュ産の塩を用い塩バターキャラメルを作った。ブルターニュやノルマンディーは乳製品も豊富な土地柄であり、これを活かすことで現代のキャラメルは誕生することになった[9]。
製品
編集地域の特産品を用いた地域商品や、生クリームを多量に用いる生キャラメルなどがある。
種類
編集- 森永ミルクキャラメル(森永製菓)
- サイコロキャラメル(道南食品)・・・明治子会社
- グリコ・アーモンドグリコ(江崎グリコ)
- ドゥルセ・デ・レチェ - 中南米のキャラメル
- 生キャラメル
- 塩バターキャラメル(フランス、ブルターニュ地方の塩を用いる塩辛さと甘みを併せ持つ製品。発案者はアンリ・ルルー)
など
地域商品
編集- さつまいもキャラメル(サツマイモ)[注釈 1]
- ジンギスカンキャラメル(ジンギスカンの味に似せたフレーバー)
- 生キャラメル(マンゴー・イチゴ・オレンジなど)
など
利用製品
編集- キャラメルコーン(スナック菓子)
- チョコボール(チョコレート菓子)
- キャラメル・マキアート - カフェラテをキャラメル味のシロップで味付けした飲み物
- プリン・ロールケーキ
- キャラメル・ポップコーン
など
脚注
編集注釈
編集出典
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(一)^ abcde“砂糖の種類”. aff 2016年11月号︵農林水産省︶. p. 13. 2023年10月30日閲覧。
(二)^ ab“キャラメルとカラメルはいっしょ?”. オレンジページ. 2023年10月30日閲覧。
(三)^ “ご存知ですか?キャラメルと生キャラメルの違い”. ニッポン放送. 2023年10月30日閲覧。
(四)^ ab鹿島騰真、石渡明弘、藤田清貴、伏信進矢﹁カラメルに含まれるオリゴ糖を分解する酵素の同定と構造基盤﹂﹃生物物理﹄第62巻第3号、日本生物物理学会、2022年、184-186頁。
(五)^ 下橋淳子﹁褐変物質のDPPHラジカル消去能﹂﹃駒沢女子大学研究紀要﹄第37巻、17-22頁、2004年3月3日。doi:10.18998/00000638。 NAID 110004678454。2022年1月19日閲覧。
(六)^ 市川朝子; 藤井聡; 河本正彦﹁各種カラメル色素のリノール酸に対する抗酸化作用﹂﹃日本食品工業学会誌﹄第22巻、第4号、159-163頁、1975年4月15日。doi:10.3136/nskkk1962.22.159。国立国会図書館書誌ID:1599456。
(七)^ ﹁産業の岡崎﹂岡崎市、1953年4月10日、34-35頁。
(八)^ 田代文子、大下市子、五島淑子、時枝久子﹁比較食文化史年表︵ヨーロッパおよびアメリカ大陸‥古代~AD1600︶﹂﹃会誌食文化研究﹄第12巻、一般社団法人 日本家政学会 食文化研究部会、2016年、57-66頁。
(九)^ 大森由紀子 ﹃フランス菓子図鑑 お菓子の名前と由来﹄ 世界文化社、65頁。