クワガタソウ
オオバコ科クワガタソウ属の多年草。
クワガタソウ(鍬形草、学名:Veronica miqueliana )は、オオバコ科クワガタソウ属の多年草[3]。
クワガタソウ | |||||||||||||||||||||||||||
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栃木県日光市 2016年5月 | |||||||||||||||||||||||||||
分類(APG III) | |||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||
Veronica miqueliana Nakai[1] | |||||||||||||||||||||||||||
シノニム | |||||||||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||||||||
クワガタソウ(鍬形草)[3] |
特徴
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短い地下茎がある。茎は、根ぎわで分枝して株を作り数本が直立または斜上し、茎の高さは10-20cmになり、曲がった毛が散生する。葉は対生し、下部のものは小さく上部のものは大きく、卵形から長卵形で長さ1-5cm、幅0.7-2.5cm、先端はややとがり基部はくさび形、縁には先の鈍い鋸歯があり、両面に毛が散生する。葉柄は長さ0.5-2cmになる[3][4][5]。
花期は5-6月。茎上部の葉腋から総状花序を出し、1-5個の花をまばらにつける。花柄は長さ1-5mmになり、曲がった毛が生える。萼は基部まで深く4裂し、萼裂片は狭倒披針形で先がとがり、縁に毛が散生する。花冠は皿形に広く開いて4裂し、径8-13mmになり、淡紅白色で紅紫色の条があり、花冠裂片の上側の1裂片は他のものより大きい。雄蕊は2個、雌蕊は1個ある。果実は蒴果となり、扁平な三角状扇形で、長さ4-6mm、幅10-12mm、先端は少しへこみ、基部はやや切形となる。種子は板状の楕円形で、長さ1.5mmになる[3][4][5]。
分布と生育環境
編集日本固有種[6]。本州の東北地方から関東地方・中部地方の太平洋側、紀伊半島に分布し、山地の樹林下や沢沿いなどのやや湿り気のある場所に生育する[3][4][5][7]。
名前の由来
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和名クワガタソウは、﹁鍬形草﹂の意で、扁平な三角状扇形の果実と2個の萼片が、兜とその前にある角状の飾りである鍬形︵クワガタ︶に似るので、クワガタソウという。この名は江戸時代の書物、水谷豊文著の﹃物品識名﹄や飯沼慾斎著の﹃草木図説﹄に出ており、その時代から名前が知られていたことがわかる[7]。
飯沼慾斎著の﹃草木図説﹄には、﹁形扁圓ニ𬼀︵シテ︶中心刻凹アリテ両萼コレヲ挟ムノ状。頗ル︵すこぶる︶クワガタウチタル頭鎧ニ似タルヲ以テソノ名アリ﹂とある[8]。
種小名 miqueliana は、オランダ人の植物分類学者で日本の植物を研究したフリードリッヒ・アントン・ヴィルヘルム・ミクェル︵1811-1871︶への献名[4]で、中井猛之進が1918年に命名記載した[1]。
下位分類
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●シロバナクワガタソウ Veronica miqueliana Nakai f. leucantha Nakai[9] - 白花品種。
●コクワガタ Veronica miqueliana Nakai f. takedana (Makino) T.Yamaz.[10] - 全体に小型で花序が長さ約1cmと短く花数も少ないもの[4][6]。本州の関東地方から近畿地方、四国、九州に分布する[6]。
分類
編集ギャラリー
編集脚注
編集- ^ a b c クワガタソウ 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
- ^ クワガタソウ 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
- ^ a b c d e 『山溪ハンディ図鑑2 山に咲く花(増補改訂新版)』p.456
- ^ a b c d e f 『日本の野生植物 草本III 合弁花類』p.112
- ^ a b c 『新牧野日本植物圖鑑』p.679, pp.1336-1337
- ^ a b c d 『日本の固有植物』p.128
- ^ a b 『野草の名前 春 山溪名前図鑑』p.124
- ^ クワガタサウ「草木圖説前篇巻一(44/67)」、国立国会図書館デジタルコレクション
- ^ シロバナクワガタソウ 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
- ^ コクワガタ 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)