サクラメント

キリスト教において神の見えざる恩寵を具体的に見える形で表す儀式

: sacrament: sacramentum



Sacrament西μυστήριον[1]Mystery


歴史

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新約聖書ではイエス・キリストの言行が神の国の隠れた神秘、すなわちギリシア語で秘儀を意味する「ミスティリオン(μυστήριον)」であり、特に十字架にかけられたイエス・キリスト自身がその最たるもの「原サクラメント」として捉えた。そこから、イエス・キリストが定めた儀式であるサクラメント、およびそれが行われる教会を通じて人間は神の恩寵を受けることになり、受けた人々を含めた教会共同体とイエス・キリストとの一致に至ると考えるようになった。

西方教会におけるサクラメントゥム

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Sacramentum

Sacramentum13077127427

21545-156371962-19652調

正教会における機密・ミスティリオン

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: μυστήριον

: Таинство

μυστήριονmyo

777

教派によるサクラメント・機密の数の違い

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現在、(サクラメントを認めている)キリスト教各教派におけるその総数は大きく分けると2つと7つ、すなわち洗礼聖餐聖体)のみとする教派と、それ以外に5つ存在するという教派である。

西方教会

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カトリック教会

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カトリック教会では以下の7つを秘跡に数えている[2]

聖公会

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[3]

2[3][4]

5[3][4]

39"Those five commonly called Sacraments"5[5]55[4]

プロテスタント

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これに対して、プロテスタントの殆どの教派は、洗礼と聖餐以外のものは新約聖書において、イエス・キリスト自身による制定が確認されないとして、この2つしか認めていない。

東方教会

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正教会

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正教会ではカトリック教会と同様、以下の七件が機密として認められている。ただし、正教会においては前述の通り、機密を以下の七件に限定する事に消極的である。

聖体礼儀聖体機密のように、機密が執行される奉神礼:礼儀(儀礼)と、機密のそれぞれに呼称がある。どの奉神礼:礼儀でどの機密が執行されるかが正教会において定められている。

機密 行われる礼儀・場面
洗礼機密 聖洗礼儀、および聖洗略式(洗礼を受ける者が重篤の場合に緊急に行われるもの:摂行洗礼)[6][7]
傅膏機密 聖洗礼儀[6]
聖体機密 聖体礼儀領聖は聖体礼儀中のみならず、病床にある病者が与る事もある。
痛悔機密 告解礼儀[8]
神品機密 聖体礼儀[9]
婚配機密 戴冠礼儀[10]
聖傅機密 聖傅礼儀[11]

脚注

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(一)^ μυστήριον

(二)^  137 ISBN 978-4-87750-153-2 

(三)^ abc 

(四)^ abc20  ()

(五)^ ARTICLES OF RELIGION

(六)^ ab, pp. 35-65.

(七)^ 80 - 81

(八)^ , pp. 69-84.

(九)^ 135

(十)^ , pp. 97-124.

(11)^ , pp. 141-215.

参考文献

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1895NDLJP:824745https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/824745 

81991ISBN 978-4-7632-4007-1

2002ISBN 978-4-00-080202-4

2005ISBN 978-4-7642-4029-2JMartos/EJYarnold

 2004

関連項目

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