セッター (バレーボール)

バレーボールにおけるセッター: Setter)は、トスをあげる役目の選手である。

サイン

概要

編集

使[1]180cm188cm170cm[2]176cm

セット(トスアップ)を行うポジション

編集

近年はコートをスロットと呼ばれる領域に分けて戦術を考えるのが一般的である[3]。 ネットに正対した状態で、幅方向に9つに分けられたエリアのそれぞれがスロットであり、個々のスロットは幅1m×長さ3mエリアからなる(通常、スロットはアタックラインより前のエリアを指す)。一般的にセッターは左から6番目、右から4番目の0スロットと呼ばれる位置でセット(トスアップ)を行う。そして、セッターに近い側からレフト方向に1~5スロット、ライト方向にA~Cの3スロットに対してファーストテンポ、セカンドテンポといったトスを供給する。

ハイセット(二段トス)

編集

本来、スパイカーへのトスは前述の0スロットの、ネットから1m以内程度の位置から供給されるのが理想的であるが、レシーブの状況によってはネットからかなり離れた位置からトスアップがなされることもしばしばである。このようなケースでは通常のレフトやライトへのトスよりもやや高いトス=ハイセットが選択される。かつてはセッターに加えてオポジットの選手が補助的にハイセットを上げることが多かったが、近年はオポジットの攻撃力が高まったことを背景に、リベロの選手がハイセットを担当するケースが増えた。リベロはアタックラインより前でオーバーハンドのトスをあげられないため、そういったケースではアンダーハンドでのハイセットとなる。一般的にはサード・テンポの攻撃=ハイセットからのスパイクと考えて差し支えない。なお、現在におけるハイセットは、いわゆるネットから離れたエリアから供給される二段トスとほぼ同じ意味として使われるが、厳密には"ハイセット"は「高いトス」の意味であり、両者は完全に同義ではない。実際、バレーの高速化が進んだ近年ではセカンド・テンポや場合によってはファースト・テンポに極めて近い球出しの二段トスがスパイカーに供給されるケースが増えた。

ツーアタック

編集

主にセッターがトスを上げると見せかけてそのまま攻撃に転じる戦術を指す。片手でフェイント的に行う場合もあれば、体制を入れ替えて強力なスパイクを叩き込むケースもある。また、両手によりパスアタック的に相手コートの空いている場所に落とす戦術もツーアタックの一種といえる。後衛のセッターはネットの高さを超えて攻撃ができないため、ツーアタックはセッターが前衛でトスアップを行う場合に限られる。もちろん、セッター以外の選手がツーアタックを行うケースもある。

ツーセッター

編集

() 使3使 [4]

ブロック面での課題

編集

先にも述べたように、バレーボールにおいてはスパイカーと比較してやや小柄な選手がセッターを担当することが多いため、セッターが前衛にまわった際のブロックが常に問題視される。相手のアウトサイドヒッター(エース)がレフト側から攻撃する際、一般的なフォーメーションではライトの位置にセッターを置く関係上、どうしてもストレート側のブロック力が低下する。この問題を解決すべく、トップレベルのチームにおいてセッターの大型化は常に議論に上る。また先述のツーセッター導入の必要性もしばしば議論される。しかしながら、歴史的に見てもセッターは動きが機敏でプレーの正確性が高い中型(小型)の選手に一日の長があり、セッター大型化の議論はある意味で永遠に結論の出ない問題と言っても過言ではない。このブロック力低下の問題を補うため、チームによっては、相手のハイセットに対してセッターを外してアウトサイドとミドルの二名がブロックに跳ぶ、あるいは前衛にまわったセッターをあえてレフト側に置き、アウトサイドヒッターをライト側にまわしてブロック力を強化するなどの対策を行うチームもある。また、ワンポイントブロッカーとして、ブロックの得意な長身の選手をセッターと交代させてブロック力を補う戦術もしばしば用いられる。

脚注

編集

外部リンク

編集

  ウィキメディア・コモンズには、セッター (バレーボール)に関するカテゴリがあります。