プロセッサ
一定の手順に基づいてデータを変換・演算・加工する機能を持った装置・ソフトウェア・システムの総称
例
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様々なプロセッサが存在する。分類法も多数ある。
ひとつは次のように基本的な役割で2つに大分類する方法である。
●CPU︵中央処理装置︶ -コンピュータで主要な役割を果たすプロセッサ︵次のコプロセッサと対比されている分類︶
●コプロセッサ - 上のCPUと対比されている分類であり、コンピュータ内部で補助的な役割を果たす特定用途に特化したプロセッサ。︵下の表で挙げているFPUやGPUなどはコプロセッサである︶[注釈1]
下の表は機能︵役割︶別分類の例である。その表の下には形態別分類も挙げておく。
ひとつのプロセッサが複数の分類に属することもある。マイクロプロセッサは、形態による分類ではマイクロプロセッサであり、コンピュータ内で主要なチップとして使われている場合は、機能︵役割︶による分類としてはCPUである。︵ディスクリート回路形態で提供されるCPUと、集積回路化されて提供されるCPUがある︶。
略称 | 名称 | 機能(役割) | 用途 | 特性 |
---|---|---|---|---|
FPU | 浮動小数点演算装置 | 浮動小数点数演算 | ||
GPU | グラフィックス処理装置 | 画像処理、あるいは並列処理全般(GPGPU) | 3DCGレンダリング、データ圧縮/展開、ディープラーニング、暗号通貨のマイニング 等々 | |
DSP | デジタルシグナルプロセッサ | 信号処理 | A/D変換(en:Analog-to-digital converter)、音響信号処理。電子楽器、デジタルカメラ 等々。 | |
アナログオーディオプロセッサ[2] | アナログ音響信号処理 | サラウンド音響、トーン・コントロール、バランスコントロール | ||
ラスターイメージプロセッサ | ラスター画像処理 | |||
ネットワークプロセッサ | ネットワークアプリケーション処理 | |||
PPU | 物理演算ユニット | 物理演算 | コンピュータゲーム内の物理演算、衝突判定 等々 | |
周辺装置用プロセッサ[3] | 入出力 | |||
データ通信プロセッサ[4] | 通信 |
●その他、機能別の分類︵ソフトウェアを含む︶
●ベクタープロセッサ: 数値計算をパイプライン方式で行う装置
●ソフトプロセッサ︵ソフトマイクロプロセッサ︶
●フロントエンドプロセッサ
●プリプロセッサ / ポストプロセッサ︵en:Post processor︶
●プログラミング言語プロセッサ
●ワードプロセッサ
●物理的なプロセッサの形態別の分類
●マイクロプロセッサ: マイクロチップ上に実装されたCPU[5]
●SoC / System-on-a-chip - マイクロチップ上に実装されたCPU+システム要素
●MPU / マイクロコントローラ - マイクロチップ上に実装されたCPU+メモリ+I/O。省電力指向
●︵マイクロプロセッサについて︶命令語による分類
●RISC - 固定長の少数の単純な命令語のみを備え、実行効率を向上させる設計︵仕様︶[6]。およびその設計のプロセッサ。
●CISC - 複雑で高度な機能を持つ命令語をなるべくたくさん用意する設計︵仕様︶[7]。およびその設計のプロセッサ。︵もともとマイクロプロセッサはすべてこの設計手法によるもので﹃当たり前﹄だったので呼び名も無かったが、RISCという設計手法が発明されてから従来の設計手法を呼ぶためにCISCという言葉を造語した。︶
●その他、商品名など
●SPU/音声処理装置 (sound processing unit; SPU): PlayStationの音源として、SPUという名称が使われていた
●PPU/ピクチャープロセッシングユニット: ファミリーコンピュータおよびスーパーファミコンにおける画像処理装置[8]
●AMD Accelerated Processing Unit (AMD APU): CPUとGPUをオンダイで統合している。APUの名称自体はAMDによるマーケティング上の区分にすぎないが、インテルのGPU内蔵CPUと異なり、CPUとGPUのメモリ空間を統合している製品もある。
脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ a b c [1]
- ^ [2]
- ^ peripheral processor
- ^ data communication processor
- ^ Osborne, Adam (1980). An Introduction to Microcomputers. Volume 1: Basic Concepts (2nd ed.). Berkeley, California: Osborne-McGraw Hill. ISBN 0-931988-34-9
- ^ IT用語辞典 e-words, RISC
- ^ IT用語辞典 e-words, CISC
- ^ CESA:上村 雅之【第3回】