八八(はちはち)とは、3~7人で遊ぶ花札の遊技のひとつである。

概要

編集
  • 基本的には花合わせと同じだが、3人で行うために出降りを決めることが特徴。
  • 最初に配られた札によって「手役」が発生する場合がある。

歴史

編集

綿

使用する道具

編集

48749使

=1=1使[1]

101121or61西11[1]

競技の流れ

編集





1=121=10550

322

67
77

33433433

1121.532

3
7



3
西21




12

2





3188

1

11212

場と終了条件

編集

6120

202

204

2342[2]
  • 越年…12月になって、大場または絶場の持ち越しが残っている場合、競技を持ち越し分が解消されるまで続行する。年を越して行うためこの名がある(打ち切りにするルールもある)






特定の札種のみの手役

編集

61151020[2]
名称 貫数 説明
赤(あか) 3+1 手札に短冊札が2枚以上あり、残りがカス札[脚注 3]

短冊札2枚としている本もある[4]

短一(たんいち) 3+1 手札に短冊が1枚のみで残りがカス札
十一(といち) 3+1 手札に10点札が1枚のみで残りがカス札
光一(ぴかいち) 4 手札に20点札が1枚のみで残りがカス札
皆素(からす) 4+1 手札がすべてカス札
素無(すなし) 4 手札がすべて得点札[脚注 4]

(貫数の後に+1とあるのはぬけ役(後述)による追加点)

同じ月の札の組み合わせによる手役

編集

8-10種類ある。組み合わせを構成する札をさらす。一二四は例外的に単独の札も含めすべてをさらす。

名称 貫数 説明
三本(さんぼん) 2+1 手札に3枚トリオの月がある場合。(下記の立三本を除く)
立三本(たてさんぼん) 3+1 手札に杜若、藤、萩か、桐のカス札[脚注 5]の中から3枚トリオの月がある場合。
向三本 2 (場に3枚トリオの月がある場合のみ)その月の残りの1枚が手札にある時。
向立三本 3 立三本になる札で向三本の条件を満たす場合。
喰付(くっつき) 4 手札に2枚ペアの月が3組ある
手四(てし) 6 手札に4枚全部そろった月がある
双三本(ふたさんぼん) 4[5] 手札に三本が2組ある
双立三本(ふたたてさんぼん) 6[6] 手札に立三本が2組ある
羽見(はねけん) 7 手札に2枚ペアの月が2組と三本(立三本)の月がひと組ある
一二四(いちにし) 8 手札に4枚全部ある月と2枚ペアの月がある(最後の1枚は何でもよい)
四三(しそう) 20 手札に4枚全部がある月と3枚トリオの月がある

(貫数の後に+1とあるのは飛込み(後述)による追加点)

出来役がすでに揃っている状態の手役

編集

地方によって用いられている役で、いずれも出来役に当たる札をさらす。

名称 貫数 説明
にぎり 10[脚注 6] 手札の時点で赤短か青短ができている
手の四光 12 手札の時点で四光ができている
手の五光 15 手札の時点で五光ができている
手の七短 10 手札7枚すべてが短冊、「にぎり」と重複する場合はそちらの数値も合計[脚注 7]

手役関係の備考

編集



1[7]



88891[8]



2[8]



[9]

2678



78



303510[9]

1210

手役の複合

編集



2+35

[10]

51020[11]



出来役[10]

編集
名称 貫数 説明
五光(ごこう) 12貫or15貫 20点札を5枚すべて集める。
四光(しこう) 10貫or12貫 「柳に小野道風」を除いた20点札4枚をすべて集める。
赤短(あかたん) 7貫or10貫 松、梅、桜の短札をそろえる。
青短(あおたん) 7貫or10貫 牡丹、菊、紅葉の短冊をそろえる。
七短(ななたん、しちたん)*1 10貫[脚注 12] 短冊札(柳の短冊は含まない場合が普通)を7枚集める。
素十六(すじろく、すじゅうろく) 12貫*2 1点札(雨札全種含む)を16枚取った場合(得点札は何枚あってもよい)。
総八(そうはち)*1 親に10貫 全員が基準の88点で終わる。
双八(ふたはち)*1 10貫*2 得点が基準の88点を引いてまだ80点以上ある時。
素一(すいち)*1 10貫 取った札の中にカス札(雨札全種含む)が1枚のみある場合。
素無(すなし)*1 10貫 取った札の中にカス札がない場合、この役では雨札は5点以上は得点札扱いとする。

1

211[13]16911

5

3[11]

ルール詳細

編集

抜け

編集

881

飛び込み

編集

311

見ず転

編集

8871

法度・罰則[12]

編集

1





12

20







[14]

追い込み賃[15]

編集

434

3434



220110

[14]133

3

関東と関西でのルールの大まかな違い

編集

一口に関東、関西と言っても、場所・地域・プレイグループによりローカルルールが存在する。ここでは多くの場合行われる大まかな違いを記載する。

関東 関西
競技開始時の持ち点 5貫 50貫
貫と文のレート 1貫=12文 1貫=10文
改貫(借金) 10貫単位で借入

10貫ずつ返済

50貫単位で借入

60貫ずつ返済

出降り 縛りあり 縛りなし
降り賃 何人目に降りるかで決定

1人目:1貫

2人目:1.5貫

3人目:2貫

親から見た席次で決定

親:1貫

親の右隣:1.5貫

以降2貫、2.5貫……と0.5貫ずつ増えていく

羽見の貫数 7貫 8貫
四三の貫数 20貫 30貫
出来役の貫数 五光:12貫

四光:10貫

赤短:7貫

青短:7貫

七短:10貫

五光:15貫

四光:12貫

赤短:10貫

青短:10貫

七短:12貫

特殊役の貫数 素十六:12貫

総八:10貫

二八:10貫

素十六:10貫

総八:8貫

二八:10貫

下げ 新たな出来役ができなかった場合、

下げた出来役代は半分

新たな出来役ができなかった場合、

下げた出来役は無効

ローカルルール

編集











312

用語

編集



2



12



891520















5西



65105060



1

脚注

編集


(一)^ 

(二)^ 61058P444559

(三)^ 58P43

(四)^ 5102058P46

(五)^ 320358P42

(六)^ 2058P49

(七)^ 58P50

(八)^ 358P43

(九)^ P53331

(十)^ 131658P57

(11)^ 3251020358P5464

(12)^ 711

(13)^ 12158P72

(14)^ 

出典

編集


(一)^ 568P41-42

(二)^ 568P78

(三)^ 568P41-69

(四)^ 2010

(五)^ 568P54

(六)^ 568P56

(七)^ 568P42-43

(八)^ 568P45

(九)^ 568P51

(十)^ 568P70-73

(11)^ 568P79

(12)^ 568P89

(13)^ 568P80-81

(14)^  568P81 西

(15)^  568P76-77

参考文献

編集
  • 淡路まもる 編『花札の遊び方』文進堂、昭和56年8版。