共観福音書
共観福音書︵きょうかんふくいんしょ、英: Synoptic Gospels︶は、キリスト教の新約聖書の四つの福音書のうち、ヨハネによる福音書を除くマタイによる福音書、マルコによる福音書、ルカによる福音書のことを指す。この3つには共通する記述が多く、同じような表現もみられる。聖書学の研究の結果、本文を相互に比較し、一覧にした共観表︵シノプシス synopsis︶が作られたことから共観福音書と呼ぶようになった。
ヨハネによる福音書は同じ出来事を描写するときにも、他の3つとは異なった視点やスタイルをとることが多い上に、他の3つの福音書に比べて思想・神学がより深められている。イエスを神であると明言し、はっきり示すのはヨハネによる福音書のみである。
マルコによる福音書の661節のうち、606節がマタイによる福音書と、320節がルカによる福音書と共通する内容だと言われる。
ただし、共観福音書の3書には、本文中に記者の名前が無く、マタイ、マルコ、ルカという各記者の名は、2世紀になってから現れるもので、実際には誰が書いたのかは不明である。