夜想曲第13番 (ショパン)
構成
編集
ハ短調、レント、4分の4拍子。三部形式。
左手と右手のかけあいで主題が現れる。鋭い付点リズムであり、レントの表示にもかかわらず緊張感がある。この主題は後半で再び使われる。
モルト・ピウ・レント
中間部はコラール風。音域が広くハ長調で安らかな部分。手のひらの小さい演奏者の場合はアルペッジョで演奏されるが、最後には3連符でユニゾンになって次に接続される。
ドッピオ・モヴィメント
左手・右手中声部の3連符にのって冒頭の主題が再現される。﹁ドッピオ・モヴィメント(Doppio movimento)﹂とは﹁2倍の速さで﹂という意味の発想標語である。この場合は、曲の開始から中間部終了までのテンポの﹁2倍の速さにする﹂という意味になる。ほぼ倍速のテンポを要求するほど、この三部形式の再現部は興奮した激しさのうちに進んでいく。
この曲はショパンの創作中期の作品で、劇的な華やかさと男性的なたくましさを伴うことから、演奏会に取り上げられる回数が多い。
脚注
編集- ^ “Narodowy Instytut Fryderyka Chopina”. chopin.nifc.pl. 2022年4月3日閲覧。