日本の硬貨

日本で流通している(していた)硬貨
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日本の硬貨(にほんのこうか)では、日本流通している、若しくは過去に流通していた硬貨について解説する。本項目では主に明治以降に発行された硬貨について解説する。

概説

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151050100500161988633482021[1][2]

[1]
貨幣ごとの発行益
貨幣種類 発行益
1円 -13円
5円 1円
10円 -32円
50円 30円
100円 27円
500円 457円



使便

[2][3]189730GHQ使189730[2]



 ()#

歴史

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旧二円金貨(1870年製造)

金銀複本位制による本位金貨・本位銀貨と補助銅貨の発行

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187143

125102090%

187811貿1貿90%

510205080%5

151298%



821511/81/16

金本位制による本位金貨と補助貨幣の発行

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189730218983141



5102090%

10205080%10105072%


510

51

510


第二次世界大戦中から終戦直後にかけての臨時補助貨幣の発行

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1938135019452031051[3]



510

1

1510

1510



10

5

150


銭・厘単位の通貨廃止とそれ以降

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1953281193161217198863331



1948231025

194924915

195328151951262627

19553061

195530911

1957321211

195934216

195934216

1959342161

19593491

196742213

196742213

19825741

19886341

20001281

202103111[4][5]23

一覧

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額面別

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凡例

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  • 太字:有効貨種あり
  • ☆:記念貨幣あり
  • ★:記念貨幣のみ
  • カッコ書き:試鋳貨幣のみ
  • =:実質的に同一額面
  • ここでは、江戸時代に鋳造された銭貨の明治以降の新貨体系(円・銭・厘)に合わせた通用価値は含まない。

額面一覧

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現在発行中の硬貨

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名称 規格[注 4] 図柄・形式 素材・品位 発行開始
一円硬貨
一円アルミニウム貨
 
外径:20mm
量目:1g
厚さ:約1.5mm(実測)
[注 5]


1
201628

アルミニウム
(純アルミニウム)

1955年
(昭和30年)
6月1日[6]
五円硬貨
五円黄銅貨(有孔ゴシック体)
 
外径:22mm
孔径:5mm
量目:3.75g[注 6]
厚さ:約1.5mm(実測)




黄銅(真鍮。亜鉛の合金)
が1000分中600以上700以下、亜鉛が1000分中300以上400以下。

1959年
(昭和34年)
9月1日[7]
十円硬貨
十円青銅貨(ギザ無)
 
外径:23.5mm
量目:4.5g
厚さ:約1.5mm(実測)


10

青銅(銅と(スズ)の合金。但し亜鉛を含む)
銅が1000分中950、亜鉛が40以下30以上、スズが10以上20以下。

1959年
(昭和34年)
2月16日[7]
五十円硬貨
五十円白銅貨
 
外径:21mm
孔径:4mm
量目:4g
厚さ:約1.7mm(実測)


50

白銅(銅とニッケルの合金)
銅が1000分中750、ニッケルが250。

1967年
(昭和42年)
2月1日[8]
百円硬貨
百円白銅貨
 
外径:22.6mm
量目:4.8g
厚さ:約1.7mm(実測)


100

白銅(銅とニッケルの合金)
銅が1000分中750、ニッケルが250。

1967年
(昭和42年)
2月1日[8]
五百円硬貨
五百円バイカラー・クラッド貨
 
外径:26.5mm
量目:7.1g
厚さ:約1.81mm(実測)


500
JAPAN500YEN500YENJAPAN沿


1000750125125
2021年
(令和3年)
11月1日[4][5]
(製造開始:
同年6月21日)

使使ATM6使



3使120246590%3

2024

6
  • ギザあり・穴なし:500円(重い)・100円(軽い)
  • ギザあり・穴空き:50円
  • ギザなし・穴なし:10円(重い)・1円(軽い)
  • ギザなし・穴空き:5円

現在発行されていないが有効な硬貨

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名称 規格[注 4] 図柄・形式 素材・品位 発行開始
五百円硬貨
五百円ニッケル黄銅貨
 
外径:26.5mm
量目:7g
厚さ:約1.81mm(実測)


500
500NIPPON6
2021362120224

ニッケル黄銅(銅、亜鉛及びニッケルの合金)
銅が1000分中720、亜鉛が200、ニッケルが80。

2000年
(平成12年)
8月1日
五百円硬貨
五百円白銅貨
 
外径:26.5mm
量目:7.2g
厚さ:約1.85mm(実測)


500
NIPPON  500 
20001220213

白銅(銅とニッケルの合金)
銅が1000分中750、ニッケルが250。

1982年
(昭和57年)
4月1日[9]
百円硬貨
百円銀貨
 
外径:22.6mm
量目:4.8g


100

合金
銀が1000分中600、銅が1000分中300、亜鉛が1000分中100。

1959年
(昭和34年)
2月16日[7]
五十円硬貨
五十円ニッケル貨(有孔)
 
外径:25mm
孔径:6mm
量目:5g


50

ニッケル
(純ニッケル)

1959年
(昭和34年)
2月16日[7]
百円硬貨
百円銀貨
 
外径:22.6mm
量目:4.8g


100YEN

銀合金
銀が1000分中600、銅が1000分中300、亜鉛が1000分中100。

1957年
(昭和32年)
12月11日[10]
五十円硬貨
五十円ニッケル貨(無孔)
 
外径:25mm
量目:5.5g


50

ニッケル
(純ニッケル)

1955年
(昭和30年)
9月1日[6]
十円硬貨
十円青銅貨(ギザ有)
 
外径:23.5mm
量目:4.5g

表裏の図柄は現行の十円硬貨(1959年(昭和34年)発行開始)と同じだが、周囲が溝付きであることが現行の十円硬貨と異なる点であり、俗に「ギザ十」の愛称で呼ばれる。

青銅(銅と錫(スズ)の合金。但し亜鉛を含む)
銅が1000分中950、亜鉛が40以下30以上、スズが10以上20以下。

1953年
(昭和28年)
1月5日[11]
製造開始は1951年
(昭和26年)

五円硬貨
五円黄銅貨(有孔楷書体)
 
外径:22mm
孔径:5mm
量目:3.75g

195934

黄銅(真鍮。銅と亜鉛の合金)
銅が1000分中600以上700以下、亜鉛が1000分中300以上400以下。

1949年
(昭和24年)
9月15日[12]
五円硬貨
五円黄銅貨(無孔)
 
外径:22mm
量目:4g





黄銅(真鍮。銅と亜鉛の合金)
銅が1000分中600以上700以下、亜鉛が1000分中300以上400以下。

1948年
(昭和23年)
10月25日[12]

ATM使ATM使使

1

2

2

使使使



3使

使便


失効した硬貨

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貿18983141

1953281231

198863331




記念貨幣

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東京オリンピック記念1000円銀貨幣(1964年発行)

196439100010020213220100500100050001510

硬貨の年銘

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西100502419674210050

元号の変わり目の年について

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198964/647641005043641005064219892

201931/31500100711[13]410

発行枚数の少ない硬貨

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[7][14]6194924 - 1958335195126 - 1958331050050010

196944198762(197348197449198964)


1

121202.6

13802.4

14966.7

22790.5

2345.6

2465.9

2555.4

2857.4

2947.7

3044.0

3156.6

50.2

252.8

384.5

457.4

546.3



5

284500

321000

343300

353480

422600

12903

171602.9

18959.4

19990.4

20981.1

21400.3

2251.0

2345.6

2465.9

2555.4

31013.3

457.4

546.3



10

325000

332500

346240

616896

647469.2

52792.7




50

601015

61996

6277.5

12702.6

13802.4

141166.7

151040.6

16990.3

171002.9

181059.4

19990.4

20881.1

21500.3

2251.0

2345.6

2465.9

2552.5

26753.8

31111.8

3913.3

457.4

546.3



100

13802.4

141066.7



500

62277.5

641604.2



155010100500

製造されなかった年銘

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1650050010


1

43



5

29

30

31



10

31




50

64



100

64



500





225502315502415502515502812913013111213141550515502406450100

硬貨のデザイン

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図柄

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記念硬貨を除く現在有効な一般流通用の硬貨については、稲穂菊花桜花など、日本を象徴する動植物や建築物などが図案として採用されている。特に、植物の図案については、各硬貨の表面、裏面の少なくともいずれか一方(または両方)に必ず採用されていることが特徴である。

現在有効な一般流通用の硬貨の図案に採用された題材

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太字は、該当の題材が表面の主たる図案として採用された硬貨を示す。

建築物
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  • 国会議事堂:(五円黄銅貨(無孔) 1948年(昭和23年)発行)
  • 平等院鳳凰堂:(十円青銅貨(ギザ有) 1953年(昭和28年)発行[注 8]十円青銅貨(ギザ無) 1959年(昭和34年)発行)
動物
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  • :(五円黄銅貨(無孔) 1948年(昭和23年)発行)
  • 鳳凰:(百円銀貨 1957年(昭和32年)発行)
植物
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  • 梅花:(五円黄銅貨(無孔) 1948年(昭和23年)発行)
  • 稲穂:(五円黄銅貨(有孔楷書体) 1949年(昭和24年)発行、五円黄銅貨(有孔ゴシック体) 1959年(昭和34年)発行、百円銀貨 1959年(昭和34年)発行)
  • 双葉(木の芽):(五円黄銅貨(有孔楷書体) 1949年(昭和24年)発行、五円黄銅貨(有孔ゴシック体) 1959年(昭和34年)発行)
  • 常盤木:(十円青銅貨(ギザ有) 1953年(昭和28年)発行[注 8]、十円青銅貨(ギザ無) 1959年(昭和34年)発行)
  • 若木:(一円アルミニウム貨 1955年(昭和30年)発行)
  • 菊花:(五十円ニッケル貨(無孔) 1955年(昭和30年)発行、五十円ニッケル貨(有孔) 1959年(昭和34年)発行、五十円白銅貨 1967年(昭和42年)発行)
  • 桜花:(百円銀貨 1957年(昭和32年)発行、百円白銅貨 1967年(昭和42年)発行)
  • 桐花葉:(五百円白銅貨 1982年(昭和57年)発行、五百円ニッケル黄銅貨 2000年(平成12年)発行、五百円バイカラー・クラッド貨 2021年(令和3年)発行)
  • (笹葉):(五百円白銅貨 1982年(昭和57年)発行、五百円ニッケル黄銅貨 2000年(平成12年)発行、五百円バイカラー・クラッド貨 2021年(令和3年)発行)
  • :(五百円白銅貨 1982年(昭和57年)発行、五百円ニッケル黄銅貨 2000年(平成12年)発行、五百円バイカラー・クラッド貨 2021年(令和3年)発行)
その他
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  • 歯車:(五円黄銅貨(有孔楷書体) 1949年(昭和24年)発行、五円黄銅貨(有孔ゴシック体) 1959年(昭和34年)発行)
  • (海、川、湖沼):(五円黄銅貨(有孔楷書体) 1949(昭和24年)年発行、五円黄銅貨(有孔ゴシック体) 1959年(昭和34年)発行)
  • 分銅:(五十円ニッケル貨(無孔) 1955年(昭和30年)発行、百円銀貨 1959年(昭和34年)発行)
  • 旭日:(百円銀貨 1957年(昭和32年)発行)

肖像

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19902500020102260



601000500 201022

601000500 201022

601000500 201123

601000 201224

601000 201325

601000 201426

601000 201628

20213

硬貨上に記載の文言

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発行国名

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194924[9]194823 194722719452011 - 19472251945209

額面金額

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195934YENSENRIN195732

年銘

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現在有効な一般流通用の硬貨については、裏面に製造年の年銘が元号表記で表示されている。詳細は#硬貨の年銘を参照。

記念硬貨における文言

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500西1964 TOKYO

銭単位の硬貨の円との比率

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11187363

硬貨の中心の穴

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194924195934[10]

[11]

硬貨の周囲の溝(ギザ)

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[15]

1959343

198257)20001220213

麻袋

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20005000440001
貨幣ごとの麻袋の内容(現在発行中の通常貨幣)
貨幣種類 枚数 合計金額 正味重量
1円 5,000枚 5,000円 5kg
5円 4,000枚 20,000円 15kg
10円 4,000枚 40,000円 18kg
50円 4,000枚 200,000円 16kg
100円 4,000枚 400,000円 19.2kg
500円 2,000枚 1,000,000円 14.2kg

デザインが一般公募によって決定された硬貨

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︿192211195328

︿19338195328

︿19338195328

︿193813195328

︿193813195328

︿193813195328

︿193813195328

︿195530

︿195934

︿195934

︿195530


  • 五十銭硬貨〈八咫烏五十銭銀貨〉(1918年(大正7年)発行開始、本格製造され日銀に引き渡されたものの流通せず)
  • 二十銭硬貨〈八咫烏二十銭銀貨〉(1918年(大正7年)貨幣法により制定、試作のみ)
  • 十銭硬貨〈八咫烏十銭銀貨〉(1918年(大正7年)発行開始、本格製造され日銀に引き渡されたものの流通せず)
  • 二十銭硬貨〈小型鳳凰二十銭銀貨〉(1922年(大正11年)貨幣法により制定、小型鳳凰五十銭銀貨と同様図案、試作のみ)

偽造防止技術・偽造変造事件

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500円硬貨

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日本の一般流通用の硬貨で最高額である500円硬貨については、1999年(平成11年)まで発行されていた500円白銅貨(初代500円硬貨)の大量変造事件を受け、2000年(平成12年)発行の2代目500円硬貨は材質をニッケル黄銅とし、潜像・斜めギザ・微細線・微細点などの偽造防止技術を施している。更に、2021年(令和3年)発行の3代目500円硬貨には、バイカラー・クラッド、異形斜めギザ、表面の縁の内側の微細文字加工が採用された。

その他の硬貨

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1005050510500500100[16]

小額硬貨の廃止について

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1

1 ()##20213225調[17]

損傷時の交換

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使[18][][][12]使[13][14][15]



[16]

[17][17]

損傷硬貨の引換え基準

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[18][19]


98%
100%

98%
[19]


50%
100%

50%
[20]

100%

脚注

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注釈

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(一)^ 121使使

(二)^ 50201051052118215111/81/1650502010105151

(三)^     便便

(四)^ ab6350

(五)^  mm

(六)^ 1

(七)^ 550

(八)^ ab195126

(九)^ 

(十)^ 5 19176105 19209105 19338105 193813105 1944199

(11)^ 

(12)^ 

(13)^ 

(14)^ 2020ATMATM

(15)^ 2028

(16)^ 

(17)^ ab

(18)^ 

(19)^ 

(20)^ 

出典

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(一)^  - UFJUFJ2003

(二)^ abPHP p.70 1998

(三)^ 20313 8 17/20p148  1994

(四)^ ab. . 2021101

(五)^ ab. . 2021427

(六)^ ab199499ISBN 9784930909381 

(七)^ abcd1994101ISBN 9784930909381 

(八)^ ab1994103ISBN 9784930909381 

(九)^ 1994106ISBN 9784930909381 

(十)^ 1994100ISBN 9784930909381 

(11)^ 199497ISBN 9784930909381 

(12)^ ab199496ISBN 9784930909381 

(13)^    20197112039

(14)^  

(15)^  pdf5612012818-312021520 

(16)^ 100

(17)^ 15  調  20212260924 (2021227)

(18)^  :  Bank of Japan. www.boj.or.jp. 2019112

(19)^ https://www.boj.or.jp/about/services/bn/sonsyo.htm

関連項目

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外部リンク

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