相馬眼(そうまがん)または相馬術とは、競走馬術、軍役、使役などに供される馬の能力・資質を見抜くことができる見識・技術を指す言葉である。

概要

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相馬の着眼点

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優れた相馬眼を持つとされる人々が具体的にどの点を見ているのかは千差万別であるが、一般的には、馬体の骨格や歩行動作、顔つき、筋肉の付き方、馬の性格等を総合的に判断していると言われる。しかしながら、最終的な判断においては、自身の経験に基づく直感に頼る場合も多く、優れた相馬眼を持つと言われる人達は、この直感が非常に秀でているとされる。そのため、自身が選択した馬の選択理由を口頭で表現しづらい事も多いという。この事を逆手に取り虚言をもって自身に相馬眼があると吹聴する詐欺師紛いの行為を行う者も存在する。一方で現代の競走馬については、近親繁殖を繰り返し遺伝構成がどの馬も似通っているため、その外見からは能力を判断できないとする意見もあり(実際の外見は千差万別)、動物行動学者デズモンド・モリスは「栄光と屈辱を分ける決定的な要因は、個々の循環器系の効率である。違いの秘密は外見では分からない内臓にある」としている[1]

脚注

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  1. ^ デズモンド・モリス『競馬の動物学 - ホース・ウォッチング』渡辺政隆訳(平凡社、1989年)149頁。