石炭ガス化複合発電(せきたんガスかふくごうはつでん)(Integrated coal Gasification Combined Cycle, IGCC)とは、石炭ガス化して利用する発電方式。ガス化方式によって酸素吹きと空気吹きの2方式がある。

概要

編集

使1,4001,500IGCC4850%SCUSC40%A-USC20%CO2LNGSOxNOx使調[1]

9111986611996819979200113200120122442%1,20025kW2007[2][3]

20134110[4]202041116[5]

2017

2014515[6]20161020IGCC4IGCC[7]IGCC2021419[8]IGCC20211119[9]

酸素吹きと空気吹きの違い

編集

石炭ガス化の際に酸素を使うと生成ガスに窒素が混入しないため中カロリーの合成ガスC1化学原料)ができ、空気を使うと生成ガスに窒素が混入して純度の低い低カロリーガスができる。一方、酸素吹きのためには空気中から酸素を分離しなければならず、そのための設備が別途必要になる。空気吹きは空気をそのまま使えるので余分な設備は不要である。

空気吹き石炭ガス化のメリット

編集

大きな動力が必要な酸素製造工程が不要で、建設費や運営コストを抑えることができ、総合的な発電効率に優れる。

酸素吹き石炭ガス化のメリット

編集

空気吹きよりも高カロリーのガスが発生するので高出力化しやすい。また生成ガスの主成分が有用な一酸化炭素や水素となるため化学工業への展開が有望とされる[1]

日本国内の発電所

編集
  • 勿来発電所10号機 -空気吹き、出力:25万kW、発電効率(送電端、低位発熱量基準):42%、ガスタービン燃焼温度:1,200℃級、2013年商用運転開始、2020年廃止[5]
  • 大崎発電所(大崎クールジェン ) - 酸素吹き、出力:16.6万kW、発電効率(送電端、低位発熱量基準):42.7%、ガスタービン燃焼温度:1,300℃級、2017年実証運転開始[10]
  • 勿来IGCC発電所(福島復興大型石炭ガス化複合発電設備実証計画(勿来)) -空気吹き、出力(発電端):52.5万kW、発電効率(送電端、低位発熱量基準):48%、ガスタービン燃焼温度:1,400℃級、2021年4月19日商用運転開始[8]
  • 広野IGCC発電所(福島復興大型石炭ガス化複合発電設備実証計画(広野)) - 空気吹き、出力(発電端):54.3万kW、発電効率(送電端、低位発熱量基準):48%、ガスタービン燃焼温度:1,400℃級、2021年11月19日商用運転開始[9]

参考文献

編集

脚注

編集


(一)^ abIGCCPRESIDENT Online 2012114

(二)^ 

(三)^  

(四)^ IGCC().  (201341). 201342

(五)^ ab10 (PDF) 20201116 

(六)^  2014515

(七)^  20161020

(八)^ abIGCC. IGCC (2021419). 2021419

(九)^ abIGCC. IGCC (20211119). 2022423

(十)^