糸球体
腎小体を構成する毛細血管
濾過膜
編集内皮細胞
編集糸球体の内皮細胞には毛細血管とは違って多くの孔があり、隔膜には及ばない。この細胞は赤血球より小さなものであればほとんどの物質が通過してしまうため、内皮細胞は腎臓濾過層の一部とは通常考えられない。
基底膜
編集
糸球体内皮に位置する基底膜(100~200nm)は非常に厚い。この膜は他の基底膜(40~50nm)と比べて厚いだけでなく、負に帯電するグリコサミノグリカン︵例えばヘパラン硫酸︶を豊富に含んでいる。
負に帯電する基底膜によって同じく負に帯電するタンパク質を跳ね返し、ボーマン嚢へ透過するのを防いでいる。
蛸足細胞
編集
蛸足細胞(podocyte)は糸球体基底膜の反対側に沿って並んでおり、ボーマン嚢の裏の部分にある。蛸足細胞は、ボーマン嚢に糸球体からのタンパク質の濾過を抑制するため、多くの偽足がかたく絡み合って網状組織を作っている。
隣接した足細胞の突起の間のスペースにはポドシンやネフリンを含むいくつかのタンパク質からできた濾過層がある。突起の表面は負に帯電するグリコカリックスに覆われており、負に帯電する分子︵例えばアルブミン︶の透過を抑制している。
蛸足細胞は腎小体の本質的な濾過層であると考えられている。