脊椎動物
脊椎動物(せきついどうぶつ、Vertebrata)は、脊索動物に属する動物の一群である。
脊椎動物 Vertebrata | ||||||||||||
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分類 | ||||||||||||
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学名 | ||||||||||||
Vertebrata | ||||||||||||
和名 | ||||||||||||
脊椎動物 (せきついどうぶつ) | ||||||||||||
下位分類群 | ||||||||||||
概要
編集分類
編集分類群 | イメージ | 種の数の見積もり[2] | ||||
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脊椎動物 | 四肢動物 | 有羊膜類 | 哺乳類 | 5,513 | ||
双弓類 | 鳥類 | 10,425 | ||||
爬虫類 (鳥類以外の双弓類からなる側系統) |
10,711 | |||||
両生類 | 7,302 | |||||
魚類 (四肢動物以外の脊椎動物からなる側系統) |
32,900 | |||||
総計(種数) | 66,178 |
表に記載した種の数の見積もりは国際自然保護連合(IUCN)のレッドリスト(2014年3月のもの)[2]から引用した。このリストでは現生の無脊椎動物の数を1,305,075と見積もっているので、脊椎動物の数は全動物中の5%以下ということになる。
特徴
編集系統分類上の位置づけ
編集動物 |
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左右相称動物
編集後口動物
編集脊索動物
編集脊索動物門における脊椎動物の特徴・進化
編集脊索動物の特徴
編集初期の脊索動物からの進化
編集現生種の解析から分かる事実
編集進化史
編集脊椎動物の特徴
編集他の脊索動物では1つしかないHox遺伝子が脊椎動物では2つあるなど[22]、脊椎動物ではシグナル分子や転写因子をコードする重要な遺伝子ファミリーに対して遺伝子重複が起きており[22]、「このことが脊椎動物の骨格系や神経系の革新に結びついた可能性がある」[22]。
他の脊索動物との差異
編集脊椎動物の派生形質
編集脊椎動物から羊膜類に至る系統樹
編集脊椎動物の系統樹は以下の通りである[23]。右下に太字で描いた「四肢動物」は「魚類以外の脊椎動物」を表し、脊椎動物以下で四肢動物を除いたものが「魚類」である。
脊椎動物 |
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脊椎骨の獲得 |
円口類
編集- 円口類
-
ヌタウナギの仲間 Eptatretus stoutii
-
スナヤツメLethenteron reissneriの成体。
顎口類
編集特徴
編集進化史
編集軟骨魚類
編集特徴
編集軟骨を持つことに特徴があり[25]、1,000種近い板鰓亜綱(サメ、エイ)と、数十種類の全頭亜綱(ギンザメ類)からなる[25]。
進化史
編集- 軟骨魚類
-
サメ類のホオジロザメ
-
エイ類のMyliobatis aquila
-
ギンザメ類のCallorhinchus milii
硬骨魚類
編集硬骨「魚」類という名称であるが、2016年現在は系統樹を反映して四肢動物も硬骨魚類に含めている[26](四肢動物を含めない場合、硬骨魚類は側系統である[26])。
特徴・進化
編集条鰭類
編集鰭を支える条鰭を持つことからその名が名付けられた[26]。シルル紀に登場し[26]、その後多様化して現生では27,000種以上もいる[26]。
肉鰭類
編集- 肉鰭類
-
シーラカンスの唯一の現生属であるラティメリア
-
オーストラリアハイギョ Neoceratodus forsteri
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四肢動物
四肢動物
編集特徴
編集進化史
編集両生類
編集羊膜類の系統樹
編集羊膜類(羊膜卵の獲得) |
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羊膜類
編集特徴
編集進化史
編集現生の両生類と羊膜類の最直近の共通祖先は3億5,000万年前には生存していた[31]。初期の羊膜類は小型のトカゲのような動物で、捕食のためと思われる鋭い歯を備えていた[31]。
双弓類
編集主竜類
編集カメ類
編集ワニ類
編集ワニ類の祖先は三畳紀後期まで遡る[32]。最古のものは陸生で小さかったが、その後大型化して水生に適応[32]。
翼竜類
編集恐竜類
編集- 主竜類
-
ワニ類のアメリカアリゲーター
-
翼竜のプテラノドンの復元図
-
竜盤類のティラノサウルス・レックス
鳥類
編集特徴
編集進化史
編集1億6,000万年前までに羽毛を持つ獣脚類が誕生している[34]。2016年現在知られている中では始祖鳥が最古の鳥類であり[34]、始祖鳥は翼に羽毛を持つ[34]など現生鳥類と同様の特徴を持つが、一方で翼には爪もあり[34]、嘴に歯がある[34]など現生鳥類とは異なる特徴も残している。
新鳥類という現生28目を含むクレードは6600万年前より前から存在していた[34]。
鱗竜類
編集単弓類・哺乳類
編集哺乳類の特徴
編集進化史
編集脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ 藤田(2010), p.113.
- ^ a b The World Conservation Union. 2014. IUCN Red List of Threatened Species, 2014.3. Summary Statistics for Globally Threatened Species. Table 1: Numbers of threatened species by major groups of organisms (1996–2014).
- ^ 藤田(2010), p.113. pp.174-175.
- ^ 馬渡 (2013), p.2.
- ^ 藤田(2010), p.113.
- ^ 動物#cite note-Minelli20092-258[リンク切れ]
- ^ 動物#cite note-Brusca20162-259
- ^ a b 動物#CITEREF藤田2010[リンク切れ]
- ^ Minelli, Alessandro (2009). Perspectives in Animal Phylogeny and Evolution. Oxford University Press. p. 53. ISBN 978-0-19-856620-5
- ^ a b 動物#cite note-Brusca20162-259[リンク切れ]
- ^ 藤田(2010) p104
- ^ 藤田(2010) p108
- ^ Philippe, Hervé; Brinkmann, Henner; Copley, Richard R.; Moroz, Leonid L.; Nakano, Hiroaki; Poustka, Albert J.; Wallberg, Andreas; Peterson, Kevin J. et al. (2011-02). “Acoelomorph flatworms are deuterostomes related to Xenoturbella” (英語). Nature 470 (7333): 255–258. doi:10.1038/nature09676. ISSN 0028-0836. PMC 4025995. PMID 21307940 .
- ^ 馬渡 (2013), p27-p29
- ^ Rouse, Greg W.; Wilson, Nerida G.; Carvajal, Jose I.; Vrijenhoek, Robert C. (2016-02). “New deep-sea species of Xenoturbella and the position of Xenacoelomorpha” (英語). Nature 530 (7588): 94–97. doi:10.1038/nature16545. ISSN 0028-0836 .
- ^ Cannon, Johanna Taylor; Vellutini, Bruno Cossermelli; Smith, Julian; Ronquist, Fredrik; Jondelius, Ulf; Hejnol, Andreas (2016-02). “Xenacoelomorpha is the sister group to Nephrozoa” (英語). Nature 530 (7588): 89–93. doi:10.1038/nature16520. ISSN 0028-0836 .
- ^ “分類学:珍無腸動物門はNephrozoaの姉妹群である”. ネイチャー (2016年2月4日). 2018年7月20日閲覧。
- ^ 藤田(2010), pp.174-175.
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z キャンベル11版 pp.826-827.
- ^ a b c d e f キャンベル11版 pp.828-829.
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p キャンベル11版 pp.831-832.
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- ^ キャンベル11版 p.826.
- ^ a b c d e f g h i j k l m キャンベル11版 pp.832-833
- ^ a b c d キャンベル11版 pp.833-834
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o キャンベル11版 pp.834-836
- ^ a b c d e f g h キャンベル11版 pp.837-838
- ^ a b c d e f g h i j キャンベル11版 pp.838-841
- ^ キャンベル11版 p.841
- ^ a b c 日本動物学会2018 pp.98-99.
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u キャンベル11版 pp.841-843
- ^ a b c d e f g h i j k キャンベル11版 pp.842-845
- ^ a b c d e f g h i j k l キャンベル11版 pp.845-846
- ^ a b c d e f g h キャンベル11版 pp.846-847
- ^ a b c d e f キャンベル11版 pp.843-845
- ^ a b c d e f g h i j k l m n キャンベル11版 pp.848-849.
- ^ a b c d キャンベル11版 p.848.
- ^ a b c d 日本動物学会2018 pp.102-103.
参考文献
編集さらなる理解のために
編集系統分類の詳細:
- 渡邊誠一郎. “硬骨魚類の系統分類”. 名古屋大学. 2018年8月4日閲覧。
- Joseph S. Nelson; Terry C. Grande (2016/3/28). Fishes of the World Fifth Edition. Wiley. ASIN 111834233X. ISBN 978-1118342336