足利事件
本記事の冤罪被害者・菅家利和は、実名で著書を出版しており、削除の方針ケースB-2の「削除されず、伝統的に認められている例」に該当するため、実名を掲載しています。 |
この記事は中立的な観点に基づく疑問が提出されているか、議論中です。(2023年4月) |
この記事で示されている出典について、該当する記述が具体的にその文献の何ページあるいはどの章節にあるのか、特定が求められています。 |
足利事件 | |
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場所 |
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標的 | 当時4歳女児 |
日付 | 1990年(平成2年)5月12日 |
概要 |
パチンコ店駐車場から女児が誘拐され、翌朝になって、近くの渡良瀬川河川敷で遺体となって発見された。 事件と無関係の男性が逮捕・起訴され、無期懲役が確定し、服役した冤罪事件。 真犯人が検挙されず、公訴時効が完成した未解決事件。 |
攻撃手段 | 窒息死 |
武器 | |
死亡者 | 当時4歳女児 |
被害者 | 冤罪:菅家 利和 |
犯人 | 不明(公訴時効成立) |
動機 | 不明 |
対処 | 菅家を逮捕・起訴(いずれも誤認) |
刑事訴訟 | 無期懲役(後に再審無罪) |
影響 | 日本弁護士連合会(日弁連)は、菅家の無罪確定まで再審を支援していた。 |
管轄 | 栃木県警察足利警察署 |
すがや としかず 菅家 利和 | |
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生誕 |
1946年10月11日(77歳)![]() |
国籍 |
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職業 |
幼稚園の園長・運転手(逮捕前) 社会運動家 (無罪判決後) |
活動期間 | 2010年 - 現在 |
著名な実績 | 無罪判決 |
代表作 | 『冤罪 ある日、私は犯人にされた』 |
事件の経緯
編集事件発覚から誤認逮捕まで
編集取調べ、裁判
編集再審~冤罪事件
編集再審請求とDNA再鑑定
編集釈放
編集再審
編集事件を巡る国会の対応
編集2011年3月8日の参議院予算委員会にて、当時の内閣総理大臣であった菅直人は民主党の有田芳生の質問に答え「同種事件を防ぐ意味からも、警察などがしっかり対応することが必要」と再捜査の必要性を認識した見解を述べた。「『時効だ』と言い逃れするのでは、住民の不安を解消できない」と主張する有田に対し、菅は「捜査には一般的なルールはあるが、冤罪事件であり、その後も類似事件が続いている」と前置きした上で、捜査側に「必要な対応」を求めた[25]。
真犯人の存在
編集冤罪事件として
編集被害者遺族側の指摘
編集検察・警察が被害者女児の遺品を遺族に返還しない問題
編集被害者の遺族が、事件当時被害者が着ていた赤いスカートやシャツなどの遺品の返還要求をしたところ、検察は「赤いスカートなどはお返しするがシャツだけはこのまま預かりたい」と国の施設で冷凍保存したいと遺族に返答した。シャツとは真犯人のDNAが付着していたものであるが、事件が時効となった今では捜査や鑑定などの使途も失われているものを、なぜ検察が保存するのか、ここでも行動の理由や動機となるものが不明である。
真犯人を特定できる最大級の有力な証拠が返還されていない[32]。 捜査関係者の内部情報によると、警察内部に「シャツ(に付着したDNA)は時効が成立した今となっては、刑事事件の証拠としては無価値である。しかし民事事件として証拠採用される可能性はある(民事の時効は加害者を知った時点から起算され、加害者が不明だった場合は20年の除斥期間が認められないこともあるため)。本件は、真犯人の可能性が極めて高い人物が特定されているが、もはや警察は手出しできない。警察が真犯人を検挙できない(冤罪は起こしたが後に真犯人は検挙した、と名誉挽回できない)以上、このシャツを証拠に遺族が当該人物に民事で勝つ(冤罪であることが再確認される=警察のメンツが完全に潰れる)ことは阻止したい」との意見がある。
当事件の捜査・刑事・司法手続における問題点
編集当事件との関連性が指摘されている未解決の誘拐殺人および誘拐事件
編集1996年の事件との関連
編集当事件を題材とした作品
編集- 小林篤『幼稚園バス運転手は幼女を殺したか?』草思社、2001年1月 ISBN 978-4-7942-1023-4
- 小林篤『足利事件(冤罪を証明した一冊のこの本)』講談社、2009年9月 ISBN 978-4062764582
- 髙野洋・原作、橘賢一・漫画、日本テレビ報道局「ACTION」取材班監修「VS.(ヴァーサス)―北関東連続幼女誘拐・殺人事件の真実―」( 『週刊ヤングジャンプ』2009年10月21日発売号から連載)
- 清水潔『殺人犯はそこにいる ―隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件―』新潮社、2013年 新潮文庫、2016年 ISBN 978-4101492223
- 梶山天『孤高の法医学者が暴いた足利事件の真実』金曜日、2018年3月、ISBN 978-4865720259
- 『チェイス 第1章』 連続ドラマ、2017年12月
- 『エルピス-希望、あるいは災い-』 連続ドラマ、2022年10月
脚注
編集出典
編集参考文献
編集発表順
- 小林篤「足利幼女殺人事件=『私はやってない』と被告は叫んだ 控訴棄却—DNA『1/185の確率』は真犯人を明かしたか」(月刊現代1996年8月号)
- 小林篤「『決定的証拠』という迷信、『万能神話』の一人歩き DNA鑑定の暴走が冤罪を生む (「平成の大嘘」まかり通る)」(月刊現代1997年12月号)
- 佐久間哲『魔力DNA鑑定 足利市幼女誘拐殺人事件』三一書房、1998年9月、ISBN 978-4-380-98300-9
- 小林篤『県警の「終結宣言」をあざ笑うかのように、再び女の子が消えた・・・・「足利幼女連続殺害事件」の真犯人は別にいる!』(FRIDAY2000年3月24日号)
- 小林篤『幼稚園バス運転手は幼女を殺したか?』草思社、2001年1月、ISBN 978-4-7942-1023-4
- 清水潔日本テレビ報道局『ACTION日本崩壊 五つの難問を徹底追跡する』新潮社、2008年12月、ISBN 978-4-10-313331-5
- 菅家利和・佐藤博史(共著)『訊問の罠 足利事件の真実』角川書店、2009年8月、ISBN 978-4047102088
- 菅家利和『冤罪 ある日、私は犯人にされた』朝日新聞出版、2009年8月、ISBN 978-4-02-330451-2
- 小林篤『足利事件 冤罪を証明した一冊のこの本』講談社文庫、2009年9月、ISBN 978-4062764582
- 菅家利和・河野義行(共著)『足利事件 松本サリン事件』ティー・オーエンタテインメント、2009年9月、ISBN 978-4904376119
- 清水潔「菅家さん冤罪足利事件『私は真犯人を知っている』」(文藝春秋2010年10月1日号)
- 清水潔「菅家さん冤罪足利事件『真犯人は幼女五人連続誘拐犯』」(文藝春秋2010年11月1日号)
- 下野新聞社編集局『冤罪足利事件―「らせんの真実」を追った四〇〇日』下野新聞社、2010年11月、ISBN 978-4882864455
- 清水潔「菅家さん冤罪足利事件『検察が隠蔽する「真犯人のDNA」』被害者遺族の手記『なぜ娘のシャツを返してくれないのか』」(文藝春秋2010年12月1日号)
- 里見繁 「DNA鑑定の呪縛 足利事件と飯塚事件」(『冤罪をつくる検察、それを支える裁判所 そして冤罪はなくならない』インパクト出版会、2010年12月、ISBN 978-4755402111)
- 清水潔「菅家さん冤罪足利事件『国会で明らかになった重大事実』」(文藝春秋2011年1月1日号)
- 清水潔「足利事件キャンペーン・菅家利和氏の告白『なぜ真犯人が野放しなのか』」(文藝春秋2011年2月1日号)
- 清水潔「菅家さん冤罪足利事件『真犯人のDNA型が二つあった!』」(文藝春秋2011年3月1日号)
- 清水潔「足利事件キャンペーン・決定的新事実『これが真犯人の根拠だ!』」(文藝春秋2011年4月1日号)
- 梶山天『孤高の法医学者が暴いた足利事件の真実』金曜日、2018年3月、ISBN 978-4865720259