金槐和歌集』(きんかいわかしゅう)は、鎌倉時代前期の源実朝家集(歌集)。略称で『金槐集』とも呼ばれる。

概要

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調調調調西

[]

    

構成

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663調

719調


  • けさ見れば山もかすみてひさかたの 天の原より春は来にけり(正月一日よめる 第1.1首)
  • 萩の花くれぐれまでもありつるが 月出でて見るになきがはかなさ(第188.210首)
  • 乳房吸ふまだいとけなきみどり子と ともに泣きぬる年の暮れかな (第349首)
  • たまくしげ箱根のみうみけけれあれや 二国かけて中にたゆたふ(第638首)
  • 箱根路をわれ越えくれば伊豆の海や 沖の小島に波の寄るみゆ(第639首)
  • 空や海うみやそらともえぞ分かぬ 霞も波も立ち満ちにつつ(第641首)
  • くれなゐのちしほのまふり山のはに 日の入るときの空にぞありける(第633.700首)
  • 神風や朝日の宮の宮遷 かげのどかなる世にこそ有りけれ(伊勢御遷宮の年の歌、第659.616首)
  • 熊野の葉しだり雪降らば 神のかけたる四手にぞ有らし (第312.637歌)
  • いそのかみふるき都は神さびて たたるにしあれや人も通はぬ (故郷を神祇に寄せて読みける、第594.646首)
  • をくみをつくるも人なげき 懺悔にまさる功徳やはある (懺悔歌、第616.651歌)
  • 世の中は鏡にうつる影にあれ あるにもあらずなきにもあらず (「大乗作中道観歌」、第614.653首)
  • ほのほのみ虚空にみてる阿鼻地獄 行方もなしといふもはかなし(第613首)
  • 神といひ佛といふも世中の ひとのこころのほかのものかは(「心の心をよめる」、第618.654首)
  • 黒木もて君が作れる宿なれば 萬世ふともふりずも有りなむ(大嘗会の年の歌に、第362.677首)
  • 大海の磯もとどろに寄する波 われて砕けて裂けて散るかも(第641.697首)
  • みちのくにここにやいづく鹽釜の 浦とはなしに煙立つ見ゆ(民のかまどより煙のたつを見て読める、第637.698首)
  • いとほしや見るに涙もとどまらず 親もなき子の母を尋ぬる(「道のほとりにおさなき童の母を尋ねていたく泣くを、そのあたりの人に尋ねしかば、父母なむ身にまかりしと答え侍りしを聞て」、第608.717首)
  • 時により過ぐれば民のなげきなり八大龍王雨やめたまへ(建暦元年七月洪水被害浸天地民愁歎きせむことを思ひて一人奉向本尊卿至念と云、第619.719首[1]
  • 山はさけ海はあせなむ世なりとも 君にふた心わがあらめやも(太上天皇御書下預時歌、第663.679首)定家所伝本の掉尾

注釈

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  1. ^ この和歌は当時皇太子であった今上天皇が2015年(平成27年)11月18日に国際連合本部で開催された「第2回 国連水と災害に関する特別会合」における英語での基調演説「Quest for Bettter Relations between People and Water」(人と水のよりよい関わりを求めて)の「日本の和歌と俳句における水」の節で、
    Peoples's sorrow will unbearably increase
    When rain falls in excess
    May I pred to you, Great Eight Dragons,
    To make the downpours cease
    と英訳され引用されている。「水運史から世界の水へ」p.247(4) ISBN 978-4-14-081772-8

参考文献

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関連項目

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