ブラジリアン柔術
ブラジリアン柔術 Jiu-jitsu Brasileiro | |
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別名 | BJJ |
使用武器 | なし |
発生国 | ブラジル |
発生年 | 公称20世紀初頭 |
創始者 | カーロス・グレイシー |
源流 | 柔道 |
流派 |
マチャド柔術 ノヴァウニオン柔術 バルボーザ柔術 カナディアン柔術 |
主要技術 | 抑込技、絞め技、関節技、投げ技 |
公式サイト | 国際ブラジリアン柔術連盟 |
概要
編集歴史
編集勃興期
編集1950年代-90年代
編集1950年代以降、グレイシー一族が活動していたブラジル北東部におけるバーリ・トゥードは衰退期に入っていったが柔術は存続し続けた。カーロスは20人以上の子供をもうけたが、多くを人格者、指導者として優れていたエリオに預けていた。一族でも史上最高の柔術家と目されているホーウス・グレイシーもその一人だった。ホーウスはエリオが重視していた防御的なスタイルに限界を感じ、自ら積極的に攻め立てるスタイルを模索して柔術だけではなく柔道、レスリング、サンボといった他の組技系格闘技を修めて柔術に技術革新をもたらした。 後にホーウスは事故死してしまうが、彼の指導を受けて成長し、バーリ・トゥードで名を馳せていたレイ・ズールを破ったヒクソン・グレイシーをはじめとする新世代のグレイシー一族や、オズワルド・アウヴェスといった非グレイシー系の黒帯が増えたことで柔術の普及は進んでいった。
1990年代 - 2000年代
編集2010年代以降
編集国際的に普及した柔術はさらに安全面での配慮や競技人口の増大により他の格闘技と同様スポーツ化の様相を見せ始め、いわゆるモダン柔術という相手のバックを積極的に狙って試合を優位に運んだり、護身術、格闘技の観点からは考えられない試合展開(お互いに尻餅をついて向き合い、コントロールを試みるダブルガードなど)が見られてきた。これに対してグレイシー一族(特にIBJJFに関わっていないエリオ派)らを中心とした保守派や、独特のアプローチで柔術とMMAの技術の互換性を志向し続けているエディ・ブラボーらによりIBJJFルールではない試合が行われるようになり、Metamorisをはじめとするポイント制を廃したグラップリング、柔術大会が話題を呼び始めている。
日本における団体の設立
編集日本では、1997年(平成9年)に渡辺孝真を会長とした日本ブラジリアン柔術連盟 (JBJJF) が設立された。また2008年(平成20年)2月に、ヒクソン・グレイシーを会長とする全日本柔術連盟 (JJFJ) が設立された。
帯制度
編集IBJJFルール
編集以下はIBJJFルールの抜粋である。
勝敗の決定
編集時間内に決着が付かなかった場合はポイント数の多い選手が勝利となる。ポイントが同数の場合アドバンテージ数が多い選手が、そしてアドバンテージも同数の場合、ネガティブの少ない選手が勝利となる。 全てが同数の場合は審判が判定する(レフェリー判定)ため引き分けはない。ただし両者失格はある。
ポジティブポイント
編集名称 | ポジティブポイント | 詳細 |
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テイクダウン | 2点 | 立っている相手を倒し、寝技に持ち込むこと。 |
スイープ | ガードポジションの選手が上の選手をひっくり返して上下逆になること。 | |
ニーオンベリー | 仰向けの相手の胴体に膝を乗せ、もう一方の膝を立て足を床についた体勢。 | |
パスガード | 3点 | インサイドガードポジションから脱し柔道の抑込技状態、ニーオンベリーもしくはマウントポジションをとる。 |
マウント | 4点 | 仰向け、腹ばいもしくは横向けの相手に馬乗りの体勢をとる。 |
バックコントロール | 背後から相手の鼠蹊部に両かかとを置く。 |
上記ポイントは3秒以上キープすることで付与される。またニーオンザベリー、パスガードは左右をスイッチしてもポイントは加算されない。
ネガティブポイント
編集相手と組むことを避ける。もしくは組んでも膠着を誘発する行為はストーリング(時間稼ぎ)とみなされペナルティーが与えられる。
主な反則行為
編集非常に重大な反則
編集即座に失格となる
- サブミッションが仕掛けられた状態で意図的に場外へ出る行為
- 噛みつき、サミング、髪を引っ張る、打撃行為、急所攻撃、指先で鼻孔に攻撃するなど
- その他常識、道徳的に反する行為や言動
重大な反則
編集2度目の警告より、ペナルティーに追加して相手に1ポイントのアドバンテージが与えられる。3度目は(アドバンテージより上位の)2ポイント、4度目で失格となる(ペナルティは累積)。
- 相手の道衣を掴まず膝やお尻を着く
- 膠着を誘発する行為
- 相手の道衣の袖口、裾口の中に指を入れる行為
- 道衣を掴まず拳でチョークを掛ける行為
禁止行為
編集以下は禁止行為の抜粋である。
階級 | 反則技 | 解説 |
---|---|---|
全階級 | ネックロック | 絞めを伴わない首関節技、頸椎への攻撃 |
蟹挟 | IBJJFルールやJJIFルールを採用しない大会では茶帯以上で使用可の場合がある | |
ヒールホールド | 踵固め | |
スラミング | ガード状態の相手を床に叩きつける行為。 バックコントロールしている相手を叩きつける行為も同様 | |
外掛け | 足関節技やスイープを仕掛ける際に相手の脚に外側から自らの脚を絡みつける行為 | |
ストレートフットロックを仕掛けた脚を、もう一方の脚の方向へねじる行為 | ||
ストレートフットロックで外から掛ける足が相手の中心線から超える | 片足挫腹足において | |
頭、頸を床に打ち付ける行為 | ドライバー、後ろ反り投げなど | |
指を反対側(甲側)に曲げる行為 | 指固め | |
膝をねじって決める行為 | 足緘など | |
外向きトーホールド | 外向き足首固め、足取緘 | |
すべての打撃 | ||
白帯青帯紫帯 | 内向きトーホールド | 内向き足首固め、足取緘 |
ストレートニーロック | ||
カーフスライサー | 相手のふくらはぎを潰す膝固めなど | |
バイセップスライサー | キーロックなど相手の上腕二頭筋潰し | |
白帯及びジュブナイル以下 | リストロック | 手首固め |
クローズドガードで肝臓や鋤骨を圧迫する行為 | クローズドガードポジションからの胴絞において | |
頭を対戦相手の体の外側に出して掛けるシングルレッグテイクダウン | ||
ティーン以下 | 三角絞めから頭を引きつける行為 | |
脊髄への攻撃を伴うチョーク | ノーギ・エゼキエル・チョーク | |
袖車絞め | 袖を使用した前腕による絞め(エゼキエル・チョーク) | |
ギロチンチョーク | ||
アームトライアングル | 肩固、アナコンダ・チョーク、ダースチョークなど | |
ストレートフットロック | アキレス腱固め | |
ジュニア以下 | 両脚を開脚させて極める関節技 |
柔術衣
編集柔術衣は柔道着と比べ細身で、メーカー名のパッチあるいは刺繍が目立つようにデザインされている。また柔道は白の柔道着で大会に出場することが一般的だが、柔術では上下同色の黒、白、青(紺色を含む)であれば公式大会に出場できる。また、袖の余り幅は6.8 cm以上必要である。
年齢カテゴリ
編集カテゴリ | 対象年齢 |
---|---|
4歳 - 6歳 | |
ピーウィーI~III | 7歳 - 9歳 |
ジュニアI~III | 10歳 - 12歳 |
ティーンI~III | 13歳 - 15歳 |
ジュブナイルI~II | 16歳 - 17歳 |
アダルト | 18歳 - 29歳 |
マスター1 | 30歳 - 35歳 |
マスター2 | 36歳 - 40歳 |
マスター3 | 41歳 - 45歳 |
マスター4 | 46歳 - 50歳 |
マスター5 | 51歳 - 55歳 |
マスター6 | 56歳以上 |
算出方法:(現在の西暦年)-(誕生年)
階級(着衣時)
編集体重 | 階級名称 |
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57.5 kg以下 | ルースター級 (Rooster) |
64.0 kg以下 | ライトフェザー級 (Light-Feather) |
70.0 kg以下 | フェザー級 (Feather) |
76.0 kg以下 | ライト級 (Light) |
82.3 kg以下 | ミドル級 (Middle) |
88.3 kg以下 | ミディアムヘビー級 (Medium-Heavy) |
94.3 kg以下 | ヘビー級 (Heavy) |
100.5 kg以下 | スーパーヘビー級 (Super-Heavy) |
100.6 kg以上 | ウルトラヘビー級 (Ultra-Heavy) |
制限なし | オープンクラス (Open-class) |
体重 | 階級名称 |
---|---|
48.5 kg以下 | ルースター級 (Rooster) |
53.5 kg以下 | ライトフェザー級 (Light-Feather) |
58.5 kg以下 | フェザー級 (Feather) |
64.0 kg以下 | ライト級 (Light) |
69.0 kg以下 | ミドル級 (Middle) |
74.0 kg以下 | ミディアムヘビー級 (Medium-Heavy) |
79.3 kg以下 | ヘビー級 (Heavy) |
制限なし | スーパーヘビー級 (Super-Heavy) |
制限なし | ウルトラヘビー級 (Ultra-Heavy) |
制限なし | オープンクラス (Open-class) |
試合時間
編集帯/階級 | プレミリン | ミリン | インファンティウ | インファント・ジュベニウ | ジュベニウ | アダルト | マスター | シニア以上 |
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白帯 | 2分 | 3分 | 4分 | 4分 | 5分 | 5分 | 5分 | 5分 |
青帯 | - | - | - | - | 5分 | 6分 | 5分 | 5分 |
紫帯 | - | - | - | - | - | 7分 | 6分 | 5分 |
茶帯 | - | - | - | - | - | 8分 | 6分 | 5分 |
黒帯 | - | - | - | - | - | 10分 | 6分 | 5分 |
※空白はその帯を取得できる年齢でないことを示す
具体的な試合展開
編集大会・選手権
編集全日本選手権
編集世界選手権
編集「柔術」という名称を使っている経緯
編集当時、柔道と柔術の区別が曖昧だったからという説
編集前田光世が自粛したという説
編集外国では柔術の方が通りが良かったという説
編集当時外国では「柔術」という言葉が過去に海外へ出た柔道家や古流の柔術家達によってすでに広まっており、通りが良かった面がある。
起源は柔道以外の柔術だったという説
編集国際競技連盟
編集主な国際競技連盟は以下である。
- 国際ブラジリアン柔術連盟(IBJJF) 国内最大勢力
- 国際柔術連盟(JJIF)
- 国際オリンピック委員会公認団体GAISF、AIMSに加盟。
- 国際グレイシー柔術連盟(IGJJF)
- ブラジル柔術オリンピック連盟(CBJJO) - 消滅
- スポーツ柔術国際連盟(SJJIF)
国内競技連盟
編集- アジアスポーツ柔術連盟(ASJJF)
- スポーツ柔術日本連盟(SJJJF)
脚注
編集注釈
編集出典
編集関連項目
編集外部リンク
編集情報サイト
編集国際競技連盟
編集- 国際ブラジリアン柔術連盟(IBJJF)
- 柔術競技ブラジル連盟(CBJJ)
- 国際柔術連盟 (JJIF)
国内競技連盟
編集設立順
- 一般社団法人 日本ブラジリアン柔術連盟(JBJJF)
- 一般社団法人 全日本柔術連盟(JJFJ)
- NPO法人 SJJJFスポーツ柔術日本連盟(SJJJF)