CONNECTONE
日本の音楽レーベル
コネクトーン CONNECTONE | |
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親会社 | JVCケンウッド・ビクターエンタテインメント |
設立 | 2015年4月 |
設立者 | 高木亮 |
販売元 | JVCケンウッド・ビクターエンタテインメント |
ジャンル | J-POP |
国 | ![]() |
公式サイト | CONNECTONE コネクトーン |
概要
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レーベル名は﹁コネクト﹂+﹁トーン﹂でコネクトーン[1]。その名の通り、﹁つなげる音楽、つながる音楽﹂をコンセプトに、音楽をつなげていくこと、音楽でつながっていくことを目指して、2015年にビクターエンタテインメントが新設したレーベル[2][3]。
レーベルの代表を務めるのは、ローリング・ストーンズやスマッシング・パンプキンズなど数多くの海外アーティストを手掛けた経験を持ち、ユニバーサルミュージックでの執行役員やグループ会社社長などを兼務する旧EMIグループ出身の高木亮[2][4]。
ジャンルにこだわらず、圧倒的なオリジナリティやアイディアを持った音楽家としてのアティチュードを伝えることが出来るアーティストを中心に扱うことで、リスナーからアーティスト単体ではなく﹁レーベル買い﹂のできるレーベルという信頼を獲得することを目指している[1][2][4][5][6]。
ビジネススキーム
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CDや配信販売を中心とした従来のレコード会社のあり方を根本から見直し、アーティスト活動全体の収入をマネージメント会社や音楽出版社と分け合う新たな360度ビジネス[注1]を標榜[4]。レーベル設立発表のコンベンションでは、﹁業界の﹃0.27%﹄というモデル[注2]からの脱却﹂を掲げてプレゼンした[9]。コンセプトの一つとして﹁飛距離よりも打率﹂ということを挙げており、一発のホームランや一人のスーパースターを生み出すのではなく全員が出塁できるような打率のいいチーム作りをすることで、アーティストに長期間の活動継続を保証し、レーベル全体としても前進し続けることを目指している[10]。
契約については、アーティスト、芸能プロダクション、レコードレーベル、音楽出版社が、それぞれ対等な立場で責任を持ち合って同じ目標に向かって進む﹁ジョイントベンチャー型﹂[注3]、﹁権利・収益相互乗り入れ型﹂、﹁レーベル・事務所 兼任型﹂の3タイプでシステムを構築している[2][9]。
育成
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レーベル主催のイベント﹁CONNECTONE NIGHT﹂を2016年から開催しており、それにあわせて新人発掘のオーディションも行っている[11]。新人のプロモーションにあたっては、CDだけではなくライブやグッズ、ファンクラブなど、アーティストの全てのビジネスやライツに何らかの形で関わっていくという方針で、ただ音源を売っていくだけでなく、そのアーティストの活動全てに関わって全体像を常に意識しながらサポートする[7][8][9]。また同じCONNECTONE傘下のTHE THROTTLEだけでなく他レーベルのSuchmosにも参加するメンバーが在籍するSANABAGUNのように、才能あるミュージシャンであればあるほど自然と様々なプロジェクトを手掛けていく時代であり、専属契約という囲い込みをベースに成立していたこれまでのレコード会社のビジネスが通用しにくくなっているため、そのようなアーティストのニーズやチャレンジにフレキシブルに合わせている[7]。
海外への展開
編集特別な気負いも無く普通に世界とのつながりを意識している若いアーティストが増えているため、海外での活動を自然なこととして行える体制作りを目指し、海外のレーベルとの連携も視野に入れている[6][12]。
沿革
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2014年
●9月、ビクターのプレゼンテーションイベント﹁MUSIC STORM 2014﹂において、対外的に新レーベルの立ち上げを発表[3]。
2015年
●4月、正式に活動を開始[4]。レーベル第一弾アーティストとしてAwesome City Clubがメジャー・デビュー。
2016年
●5月、初の主催イベント“CONNECTONE NIGHT Vol.1”を開催[11]。
所属アーティスト
編集- RHYMESTER(2015年〜)- starplayers Records
- lyrical school(2019年〜)
- minan(2021年〜)
かつて所属したアーティスト
編集- Awesome City Club(2015年〜2018年) - 2019年からcutting edgeに所属
- SANABAGUN.(2015年〜2020年)
- 集団行動(2017年〜2019年)
- sympathy(2015年〜2017年)
- THE THROTTLE(ザ・スロットル)(2016年)
- Neetz(KANDYTOWN、2018年〜2019年)
- ぼくのりりっくのぼうよみ(2015年〜2018年)
- Reol(2018年〜2020年) - 2021年からColourful Recordsに移籍
関連レーベル
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●starplayers Records
共に設立したRHYMESTERの主宰レーベル[11]。
●CONNEXTONE︵コネクストーン︶
2019年4月、ビクター洋楽部とコネクトーン制作部を統合し、﹁コネクストーン制作部︵CONNEXTONE︶﹂に名称を変更[13]。
Nulbarich、LUCKY TAPES、LOVEBITESなどが所属[14]。
●CONNECTUNE︵コネクチューン︶
CONNEXTONE内に新設されたサブレーベル。これまでにuami、音楽かいとの作品がリリースされている[15]。
脚注
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(一)^ ab“CONNECTONE コネクトーン”. Victor Entertainment. 2017年2月26日閲覧。
(二)^ abcdeCONNECTONE︵インタビュアー‥Ryo Sugimoto︶﹁ビクターの新レーベル﹁CONNECTONE﹂は音楽業界をどう変える?﹂﹃VEEMOB, トレジャーメディア株式会社﹄、2015年8月4日。2017年3月18日閲覧。
(三)^ abCONNECTONE︵インタビュアー‥Jiro Honda︶﹁﹁0.27%﹂モデルからの脱却 〜 業界キャリア30年の音楽人が新天地で挑む、慣例を破る音楽ビジネスとは (1/4)﹂﹃MUSICMAN.NET﹄、2015年4月27日。2017年3月18日閲覧。
(四)^ abcdCONNECTONE︵インタビュアー‥金子厚武︶﹁ぼくりりを輩出したCONNECTONEが実践する新たなメジャー戦略 (1/4)﹂﹃CINRA.NET﹄、2016年4月13日。2017年3月18日閲覧。
(五)^ CONNECTONE︵インタビュアー‥Jiro Honda︶﹁﹁0.27%﹂モデルからの脱却 〜 業界キャリア30年の音楽人が新天地で挑む、慣例を破る音楽ビジネスとは (2/4)﹂﹃MUSICMAN.NET﹄、2015年4月27日。2017年3月18日閲覧。
(六)^ abCONNECTONE︵インタビュアー‥Jiro Honda︶﹁﹁0.27%﹂モデルからの脱却 〜 業界キャリア30年の音楽人が新天地で挑む、慣例を破る音楽ビジネスとは (4/4)﹂﹃MUSICMAN.NET﹄、2015年4月27日。2017年3月18日閲覧。
(七)^ abcCONNECTONE︵インタビュアー‥金子厚武︶﹁ぼくりりを輩出したCONNECTONEが実践する新たなメジャー戦略 (2/4)﹂﹃CINRA.NET﹄、2016年4月13日。2017年3月18日閲覧。
(八)^ abキーパーソンが語る﹁音楽ビジネスのこれから﹂︵インタビュアー‥神谷弘一︶﹁第6回 CONNECTONEレーベルヘッド 高木亮氏インタビュー﹁“音楽の匂いが濃い”人に集まってほしい﹂ (1/3)﹂﹃リアルサウンド﹄、2016年5月5日。2017年3月18日閲覧。
(九)^ abcdCONNECTONE︵インタビュアー‥Jiro Honda︶﹁﹁0.27%﹂モデルからの脱却 〜 業界キャリア30年の音楽人が新天地で挑む、慣例を破る音楽ビジネスとは (3/4)﹂﹃MUSICMAN.NET﹄、2015年4月27日。2017年3月18日閲覧。
(十)^ CONNECTONE︵インタビュアー‥金子厚武︶﹁ぼくりりを輩出したCONNECTONEが実践する新たなメジャー戦略 (4/4)﹂﹃CINRA.NET﹄、2016年4月13日。2017年3月18日閲覧。
(11)^ abc“ACC、ぼくりりら所属のビクター新レーベル“CONNECTONE”が初の主催イベント&オーディション開催決定!”. T-SITE NEWS (2016年2月16日). 2017年2月26日閲覧。
(12)^ CONNECTONE︵インタビュアー‥金子厚武︶﹁ぼくりりを輩出したCONNECTONEが実践する新たなメジャー戦略 (3/4)﹂﹃CINRA.NET﹄、2016年4月13日。2017年3月18日閲覧。
(13)^ “ビクター、4/1付組織改編および主要人事異動を発表 | Musicman”. 音楽業界総合情報サイト | Musicman. 2020年5月2日閲覧。
(14)^ “第186回 ビクターエンタテインメント コネクストーン制作部ジョイントレーベルヘッド 鵜殿高志氏︻後半︼ | Musicman”. 音楽業界総合情報サイト | Musicman. 2021年12月8日閲覧。
(15)^ “今の10代には通用しない、レコード会社の古き体制をどう変える? | CINRA”. www.cinra.net. 2021年12月8日閲覧。
注釈
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(一)^ エッセイなどの文筆活動、自主企画ライブ、クラウドファンディングを使ったCDのリリース、地上波テレビ出演など、プロモーションの多チャンネル化を図ることによって世間がアーティストと接する場面を増やし、アーティスト活動の全体を支えて音源以外の収入を得るというビジネス方針[7][8]。
(二)^ これは2013年に邦楽・洋楽合わせた新譜のアルバム1万3012枚の内、デビュー3年以内の新人アーティストの作品で、2013年時点のヒットのバロメーターである5万枚以上のセールスをあげた枚数が35枚︵全体の0.27%︶しかなかったという実績数値を示しており、これではレコード会社はコストをペイ出来ず、アーティストも2年程度で契約切れとなるため、10年後にはレコード会社自体が存続出来なくなるという想定となる[2][9]。
(三)^ Awesome City Clubの場合、マネージメントのタイスケ、音楽出版のフジパシフィックミュージック、コネクトーンの間で、音源だけでなくライヴやグッズや著作権等、アーティストから発生する全ての売上と経費と損益を等分して共有することにより、不毛な小競り合いを避けている。
出典
編集外部リンク
編集- 公式ウェブサイト
- https://www.jvcmusic.co.jp/connextone/ - CONNECTONEのカタログ情報も掲載されている。