MagSafe
Appleの充電端子
MagSafe︵マグセーフ︶は、
(一)Appleが採用しているMacBook Pro、MacBookおよびMacBook Airの本体とACアダプタからのコードを接続するコネクタ。MagSafe、MagSafe 2 の後継の MagSafe 3 が現行である︵2021年時点︶。
(二)AppleがiPhoneのワイヤレス充電、アクセサリー取付に用いている規格。
![](//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/8/81/Apple_magsafe_tight.jpg/250px-Apple_magsafe_tight.jpg)
MacBook Proに接続されるMagSafeコネクタ ![](//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/5/5b/MagSafe-Pinout.svg/110px-MagSafe-Pinout.svg.png)
MagSafeコネクタのピン配列
1. GND
2. 16.5 V DC
3. Charge control pin
4. 16.5 V DC
5. GND
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/8/81/Apple_magsafe_tight.jpg/250px-Apple_magsafe_tight.jpg)
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/5/5b/MagSafe-Pinout.svg/110px-MagSafe-Pinout.svg.png)
MacBook版
編集MagSafe
編集2006年1月10日に行われたMacworld Conference & ExpoにてMagSafeが発表された。電気ポットの多くで採用されている電源コードの接続と同様に磁力によって接続する点が主な特徴である。
MagSafe 2
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2012年6月には、コネクタを薄型化したMagSafe 2が発表された。
MagSafe/MagSafe 2コネクタは、磁力によって本体と接続される。電気ポットの接続と基本的には同じで、ひねりの外力が加わると容易に外れる構造になっている。接続部のケーブル断線が減ること、電源コードに引っかけて、本体を落下させるなどのトラブルの軽減を目的としている[1]。2011年7月、日本でも特許を取得している[2]。
コネクタ部には発光ダイオードが内蔵されており、充電中はオレンジ色、完了時には緑色がそれぞれ点灯する。また、本体のバッテリーが外されている状態でコネクタが接続されている場合は、常時緑色に点灯している。
2008年10月現在、同コネクタを採用したサードパーティー製のACアダプタは存在しない。MacworldのDan Frakesは、その理由としてAppleが同コネクタの特許を取得しており、それを他社にライセンス販売する意図が無いことを指摘している[3]。ポゴピンの特許紛争があった[4]が、Appleが勝利している[5]。
2015年3月発売のMacBook (Early 2015)と2016年10月発売のMacBook Pro (2016)以降、充電システムはUSB-PD︵USB-C利用︶によるものへと移行した。MacBook Airはこれらの登場以降、Early 2015及びMid 2017でもMagSafe 2を搭載したが、2018からは同じくUSB-PDに移行した。
2020年11月現在、MagSafe/MagSafe 2対応ACアダプタは引き続き入手可能である[6]。
MagSafe 3
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2021年10月18日に行われたApple Eventで、MagSafe 3を搭載したMacBook Pro 14インチ/16インチモデルが発表された[7]。USB-C - MagSafe 3ケーブルが付属し、最大140W USB-C電源アダプタ︵USB-PD 3.1のEPR規格︶での給電に対応する。2022年6月6日に発表されたMacBook Air (M2, 2022)にもMagSafe 3が搭載される[8][9]。
iPhone版
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2020年10月14日︵日本時間︶のAppleイベントにおいて、iPhone 12、iPhone 12 ProシリーズにMagSafeが搭載されることが発表された[10]。MacBook版とは、NFCを利用すること、ワイヤレス充電で接点がないなど大きく異なる[11]。名称は同じだが、共通点は磁力を利用する程度しかない。 最大15Wの電力を提供し、最大7.5Wの電力でオープンQi標準と下位互換性がある[12] 。そのため、AndroidスマートフォンでもQiに対応している場合MagSafeの充電器でのワイヤレス充電が可能である︵ただしApple Watchは充電方式がQiではないので充電不可︶。MagSafeにより、カードホルダーやケースなどの非充電器アクセサリを統合されたNFCループを介して通信することもできる。
2023年1月5日、ワイヤレス電力伝送の業界団体であるワイヤレスパワーコンソーシアム︵WPC︶はQiの後継規格として、MagSafeをベースとした﹁Qi2﹂を採用すると発表した[13]。
脚注
編集注釈
編集出典
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(一)^ Apple Inc. “アップル - MacBook - 特長”. 2011年4月20日閲覧。
(二)^ 特許 第4774439号 電子装置の電磁コネクタ
(三)^ Frakes,Dan. “Where are the third-party MagSafe accessories?”. Mac Publishing, LLC 2011年4月20日閲覧。
(四)^ “﹁島野製作所vsアップル﹂に学ぶ、特許を盗んだと言われないための注意点”. CNET Japan (2015年9月11日). 2021年10月20日閲覧。
(五)^ “島野製作所がアップルに敗訴 特許権侵害巡り、東京地裁”. 日本経済新聞 (2016年3月18日). 2021年10月20日閲覧。
(六)^ “電源&ケーブル - すべてのアクセサリ”. Apple︵日本︶. 2020年11月24日閲覧。
(七)^ “Apple、革新的なMacBook Proを発表”. Apple Newsroom (日本). 2021年10月19日閲覧。
(八)^ “MacBook Air (M2, 2022) - 技術仕様 (日本)”. support.apple.com. 2023年5月31日閲覧。
(九)^ 株式会社インプレス (2022年6月7日). “Apple、新設計の﹁M2﹂プロセッサを搭載した﹁MacBook Air﹂と﹁Pro﹂”. PC Watch. 2023年5月31日閲覧。
(十)^ “Apple、iPhone 12とiPhone 12 miniを発表‥新時代の幕開けとなる5G対応iPhone”. Apple Newsroom. 2020年10月15日閲覧。
(11)^ Dillet, Romain. “アップルが﹁MagSafe﹂でアクセサリーとワイヤレス充電器の新エコシステムを構築”. TechCrunch Japan. 2020年10月15日閲覧。
(12)^ “Apple、iPhone 12とiPhone 12 miniを発表‥新時代の幕開けとなる5G対応iPhone”. Apple Newsroom. 2020年10月27日閲覧。
(13)^ 佐藤信彦 (2023年1月5日). “次世代ワイヤレス充電規格﹁Qi2﹂、アップルの﹁MagSafe﹂ベースに--対応デバイスは年内登場”. CNET Japan. 2023年1月8日閲覧。