RFID

ID情報を埋め込んだRFタグから電磁界や電波などを用いた近距離(周波数帯によって数cm~数m)の無線通信によって情報をやりとりする技術

RFID: radio frequency identification)は「無線周波数を介したタグからの識別情報読み取りおよびタグとの通信」という概念である[1]

非接触ICカード
ウォルマートで使われているEPC RFID タグ

概要

編集

RFIDRF: RF tag[2]

RFICIC[3]FeliCa 




タグの種類

編集

3



RFID

ICIC

RFID10



1100





使UHF

2



FeliCa130135kHz13.56MHz1



433MHz900MHz2.45GHz35



RFIC IC

通信方式

編集

bit調調bit調調
 

調調調調調


周波数 特徴
130~135kHz

電磁誘導方式で通信が行われる(この周波数帯は波長が長く、電界で電波を出すためにはアンテナが長くなるため、携帯を求められるタグには沿わないことが背景となる)。

  • 135kHzのタグは、もっとも歴史的に長く使われており、日本でも1950年に高周波利用設備として法制化されている。世界的にも規格が統一されているが、通信できる情報量が小さい上、パッシブタイプの電磁誘導方式であるため、通信可能距離が数十cm前後と短く、アンテナがどうしても大きくなるという短所がある。しかし電波の性質上、周波数が低い程水分の影響を受けにくいため、回転寿司や社員食堂の自動精算・スキー場のリフト券などのレジャー施設といった、水分と密接な環境下での優位性は高い。また、自動車のイモビライザーキーも135kHzのICタグである。
  • 131kHzを利用したアクティブタグも、2009年にIEEEの規格化がなされ、5m以上の通信距離を持っているものも存在し、水中や土中などとの通信に新しい可能性を見出した。
13.56MHz

13.56MHz8.2MHzFeliCa13.56MHz使IC使1m

1998[4]10mW1W

2002[5]
  • ISMバンド中にあり、高周波(電磁誘導)加熱装置などによる混信を容認しなければならない。
433MHz

433MHz使

433MHz430440MHz調2006433.92MHz10mW使[6]
  • 欧米の場合、430MHz帯アマチュア無線の周波数は、420~450MHzと日本の3倍の周波数幅があるため、混信問題が表面化しにくいという事情がある。
900MHz帯

IC900MHz2.45GHzUHFIC23m5m

使2005950MHz [7] 使[6][8]2011950MHz使20183[9][10]1214

使1W
953MHz954.2MHz

使250mW
954.2MHz

10mW
953.5MHz954.8MHz

使[11]

2012調920MHz[9]

915.9928.1MHz1W

920.5923.5MHz250mW

915.9928.1MHz250mW


2.45GHz

900MHz23m

19861992201110mW250mW[9]1214

1W
2440MHz2450MHz2455MHz

2448.875MHz


2441.75MHz10mW

2448.875MHz250mW

ISMLAN24002450MHz
参考

他業務を含む周波数帯域毎の使用状況は下記を参照。

用途

編集

RFIDの技術を使うと、今まで考えられなかったようなことが可能になる。以下はその一部である。

流通

編集

 (SCM : Supply Chain Management) 11RFID使IDRFID

履歴管理

編集

RFBSE

手荷物管理

編集

バッグタグは、主に航空会社で、手荷物の自動的仕分からどこの航空会社のどの便、どこの空港に届けるなど追跡が容易に行え、効率的な手荷物管理を可能とした。

物品管理

編集



便RF使

図書館での利用

編集
 
図書館では、四角形のタグは図書に、円形のタグはCDDVDに、細長い長方形のタグはVHSにそれぞれ使われる。

RFIDRFID使RFID (BDS) [12]

20133000RFID使[13][13]

RFIDCDDVD使[14]

2008RFID200410512,000BDS10,0000.36RFID[13]調RFIDRFID調RFID

RFID使RFID100使RFID[15]使[12]退

プレゼンス管理

編集

RF


バーコードとの違い

編集

RF



RF

RF

RF



RF



RF

普及の課題

編集

上記のような用途が本格化するのは、リーダのインフラストラクチャーが十分に整った後の話であり、そこまで普及するためには、数々の問題を克服しなければならない。

RFタグの価格

編集

流通用途に大量に使用するためには、タグの価格を低く抑える必要がある。10円以下という話がよく引き合いに出されるが、実際の運用では1円以下が望ましいともいわれる。タグを基材に収めるためにレーザー溶着が利用されていることがコストアップ要因となっている。

RFタグの付加

編集

RF

データベースシステムとの連動

編集

RFIDRF使使

RFIDRFID


プライバシーの保護

編集

最近ではRFタグに搭載される記憶素子の容量と機能(読み書きなど)は増加傾向にあり、トレーサビリティ情報が直接記載されるケースもあるため、それらを不正に組み込まれた場合は、個人情報漏洩にもつながる。

考え得るトラブル

編集

(一)RF使

(二)RFIDRFID

(三)調

(四)

IDRF1ID23

2004[16]

RF

電波の影響の考慮

編集

RF[17][18]

脚注

編集
  1. ^ "RFID(radio frequency identification, RFID)種々の変調方式と符号化方式とを使ってRFタグの固有IDを読取り,RFタグへ又はRFタグから通信するために,スペクトルの無線周波数部分内における電磁的結合又は誘導結合を利用すること。" JIS X0500:2020
  2. ^ "RFタグ ... RF tag 情報を保管する仕組みをもち,目的物に取り付けられるトランスポンダ(受信応答装置)。" JIS X0500:2020
  3. ^ "RFIDは ... 非接触型ICタグ (無線ICタグ), 非接触型ICカードなどのことである" 田中. (2007). RFID (Radio Frequency IDentification) の現状と森林情報への応用アイデア. FORMATH, 2007年6巻, pp.101-114.
  4. ^ 平成10年郵政省令第111号による電波法施行規則改正
  5. ^ 平成14年総務省告示第545号による周波数割当計画改正
  6. ^ a b 平成18年総務省告示第654号による周波数割当計画改正
  7. ^ 平成17年総務省告示第413号による周波数割当計画改正
  8. ^ 平成22年総務省告示第203号による周波数割当計画改正
  9. ^ a b c 平成23年総務省告示第512号による周波数割当計画改正
  10. ^ 電子タグシステムをお使いの皆様へ (PDF) (総務省電波利用ホームページ - 700/900MHz帯周波数再編ポータルサイト)
  11. ^ 900MHzに関する情報(ソフトバンク - 公開情報)
  12. ^ a b Butters, Alan (December 2006). “Radio Frequency Identification: An Introduction for Library Professionals”. Australasian Public Libraries and Information Services 19 (4): 164–74. ISSN 1030-5033. http://search.informit.com.au/documentSummary;dn=312996058408409;res=IELHSS. 
  13. ^ a b c Sing, Jay; Brar, Navjit; Fong, Carmen (2013). “The State of RFID Applications in Libraries”. Information Technology and Libraries 25–32. doi:10.6017/ital.v25i1.3326. 
  14. ^ Wadham, Rachel (2003). “Radio Frequency Identification”. Library Mosaics 14 (5): 22. 
  15. ^ Dorman, David (December 2003). “RFID Poses No Problem for Patron Privacy”. American Libraries 34 (11): 86. http://www.ala.org/PrinterTemplate.cfm?section=archive&template=/ContentManagement/ContentDisplay.cfm&ContentID=50931. 
  16. ^ 電子タグに関するプライバシー保護ガイドライン” (PDF). 総務省・経済産業省 (2004年6月8日). 2015年12月16日閲覧。
  17. ^ 電波の医用機器等への影響に関する調査結果, https://www.tele.soumu.go.jp/resource/j/ele/medical/15.htm 
  18. ^ (PDF) RFID機器の電波が植込み型心臓ペースメーカ等へ及ぼす影響の検討, https://www.tele.soumu.go.jp/resource/j/ele/medical/img/040618_2_3.pdf 

関連項目

編集

外部リンク

編集