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「コンクリート充填鋼管構造」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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== 長所 ==

== 長所 ==

コンクリートは圧縮力には強いが引っ張る力には弱く、また一定以上の圧縮力が加わると一気に弾けるように破損してしまう。一方鋼管は引っ張る力には強いが熱に弱く、また圧縮方向の強い力が加わると[[座屈]]という現象を起こし一気に折れ曲がってしまう。CFT造ではその相反する特徴を持つ両者を組み合わせることによって互いの短所を補完しあっている。具体的には充填コンクリートによって鋼管の座屈を防ぎ、また鋼管によってコンクリートの弾けるような破壊現象が起こらないように拘束することで、あらゆる方向の力に対してバランスよく耐力を発揮することができるようになっている。これは相互拘束効果またはコンファインド効果と呼ばれ、CFT造の持つ大きな特徴である。これにより[[地震]]などで大きな変形を受けても強度の低下が少なく、高い耐震性が得られる。また一般的な火災であれば充填コンクリートが鋼管に加わった熱を奪うことで耐火性を発揮するため、条件を満たせば[[耐火被覆]]をS造の柱より減らしたり、無くしたりすることも可能である。さらに、工場で製作し現場で組み付けた鋼管柱の中にコンクリートを流し込むため、現場で鉄筋や型枠を組んでコンクリートを打設するRC造やSRC造よりも作業工数を低減でき、型枠に使う[[合板]]の使用も抑制できるため[[環境負荷]]も小さくなる利点がある。

コンクリートは圧縮力には強いが引っ張る力には弱く、また一定以上の圧縮力が加わると一気に弾けるように破損してしまう。一方鋼管は引っ張る力には強いが熱に弱く、また圧縮方向の強い力が加わると[[座屈]]という現象を起こし一気に折れ曲がってしまう。CFT造ではその相反する特徴を持つ両者を組み合わせることによって互いの短所を補完しあっている。具体的には充填コンクリートによって鋼管の座屈を防ぎ、また鋼管によってコンクリートの弾けるような破壊現象が起こらないように拘束することで、あらゆる方向の力に対してバランスよく耐力を発揮することができるようになっている。これは相互拘束効果またはコンファインド効果と呼ばれ、CFT造の持つ大きな特徴である。これにより[[地震]]などで大きな変形を受けても強度の低下が少なく、高い耐震性が得られる<ref>{{Cite book|和書|title=鋼管コンクリート構造計算規準・同解説|year=1980年|publisher=日本建築学会|page=初版序文|author-link=日本建築学会|author=日本建築学会|isbn=9784818900257}}</ref>。また一般的な火災であれば充填コンクリートが鋼管に加わった熱を奪うことで耐火性を発揮するため、条件を満たせば[[耐火被覆]]をS造の柱より減らしたり、無くしたりすることも可能である。さらに、工場で製作し現場で組み付けた鋼管柱の中にコンクリートを流し込むため、現場で鉄筋や型枠を組んでコンクリートを打設するRC造やSRC造よりも作業工数を低減でき、型枠に使う[[合板]]の使用も抑制できるため[[環境負荷]]も小さくなる利点がある。



S造で柱に鋼管を使用した場合と比較すると、充填コンクリートの剛性が付加されること、充填コンクリートが圧縮力を負担し、鋼管の局部的な座屈も防ぐことなどから、鋼管の大きさや厚さを減らすことが出来るため、コストを低減することが可能である。RC造やSRC造との比較では、複雑な配筋や型枠の工事が不要なことによる省力化と工期の短縮が大きなメリットとなる。

S造で柱に鋼管を使用した場合と比較すると、充填コンクリートの剛性が付加されること、充填コンクリートが圧縮力を負担し、鋼管の局部的な座屈も防ぐことなどから、鋼管の大きさや厚さを減らすことが出来るため、コストを低減することが可能である。RC造やSRC造との比較では、複雑な配筋や型枠の工事が不要なことによる省力化と工期の短縮が大きなメリットとなる。

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== 参考文献 ==

== 参考文献 ==

* 国土交通省国土技術政策総合研究所他編 『コンクリート充填鋼管(CFT)造技術基準・同解説』 新都市ハウジング協会、2009年

* 国土交通省国土技術政策総合研究所他編 『コンクリート充填鋼管(CFT)造技術基準・同解説』 新都市ハウジング協会、2009年

*日本建築学会 『コンクリート充填鋼管構造設計施工指針 』 日本建築学会、1997年、ISBN 9784818905078



== 外部リンク ==

== 外部リンク ==

* [http://www.anuht.or.jp/ 新都市ハウジング協会]

* [http://www.anuht.or.jp/ 新都市ハウジング協会]

* [https://wobo-un.org/wp-content/uploads/2018/09/japan.pdf CFT造の概要] CFT造建物の紹介 / CFT告示の概要 / CFT造の概要と設計・施工上の留意 点 4 CFT造告示の運用



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2022年12月16日 (金) 05:25時点における版

コンクリート充填鋼管構造の柱

CFT; Concrete Filled Steel Tube使


CFTSRCSRCCFT使SCFT使

1H1980S使CFT1987調CFTCFTSRCS198521CFT1996CFT  60mCFT199319975CFT2002CFTCFT1990CFT


CFTCFT[1]SRCSRC使使

S使RCSRC


使[2]H使SSRCRC

21SRC


2

(一)

(二)


使3CFT

脚注

  1. ^ 日本建築学会『鋼管コンクリート構造計算規準・同解説』日本建築学会、1980、初版序文頁。ISBN 9784818900257 
  2. ^ 戸田建設西松建設 (2010年12月8日). “CFT造柱にスランプ21cmのJISコンクリートを使用した「CFT柱JISコンクリート充填工法」を開発”. 戸田建設. 2015年3月4日閲覧。

参考文献

  • 国土交通省国土技術政策総合研究所他編 『コンクリート充填鋼管(CFT)造技術基準・同解説』 新都市ハウジング協会、2009年
  • 日本建築学会 『コンクリート充填鋼管構造設計施工指針 』 日本建築学会、1997年、ISBN 9784818905078

外部リンク