ジャラワ族
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ジャラワ族︵Jarawa、またはジャルワJarwa︶とは、インド領アンダマン諸島に住む先住部族の一つである。現在の人口は250から400人と推定されている。ジャラワ族は、部外者に対して極度の警戒心と敵意を持っているので、彼らの文化・言語・生活様式などは、殆ど知られていない。
ジャラワ族︵1875年撮影︶
ジャラワ族のY染色体ハプログループは56%がD*系統に属し、これはチベット人に見られるD1・D3系統や、日本列島に見られるD2系統の祖型であることが近年分子生物学での研究の結果、明らかとなった。
生態
ジャラワ族の体格は小柄で、非常に浅黒い肌と彫りの深い顔、二重瞼の目、黒い縮れた髪をしている。現在、アンダマン諸島はインドに属しており、インド政府は、部外者の出入りを統制している。アンダマンの他の種族であるオンゲ族と異なり、インド政府からの管理者さえも激しい抵抗のために彼らと接触できないこともある。歴史
ジャラワ族は、アンダマン諸島の他の先住部族たちと同じく、地球上で最も孤立した種族の一つで、最終氷河期の海面低下していた頃に陸続きのアンダマン半島に移住し、のち海面上昇によって島となったアンダマン諸島へ取り残され、以後、外部との接触を殆どせずに生活してきた。Y染色体ハプログループ
近代
1800年代にインドが英国の統治下に入ると、イギリス人たちがアンダマン諸島へインド人とミャンマーのカレン族を移住させることで、主にアンダマン諸島の大アンダマン島の南部に住んでいたジャラワ族は、島の西側海岸に追いやられることとなった。 ただし、北センチネル島に住むセンチネル族だけが、孤立した生活を現在も維持している。大アンダマン幹線道路の影響
1970年代に、インド政府が島の中央の森へ道を通そうとして、ジャラワ族に危機が迫った。密猟者など外部の人が入ってきて道のために外部の人とジャラワ族の間の接触頻度が高くなると、病気に対する免疫力がないジャラワ族に病気が広がり始めた。 1998年には麻疹が流行し絶滅の危機に陥ったことがある。 2001年にインド政府はNGO団体の要請を受けて、ジャラワ族の再定住計画をやめて、道路を閉鎖するよう命令した。しかし、道路はまだ開放状態であり、密猟問題も続いている。2006年に再び麻疹が広がった。関連項目
- アンダマン諸島人
- オンゲ族
- アンダマン諸島
- 北アンダマン島
- 南アンダマン島
- 中アンダマン島
- 小アンダマン島
- ハプログループD (Y染色体)
- ハプログループD2 (Y染色体)
- Y染色体ハプログループの分布 (東アジア)
- ネグリト
- チベット人
- 縄文人
- アイヌ人
- 日本人
外部リンク
- http://www.aljazeera.com/programmes/101east/2012/04/201241712331813468.html
- Endangered Jarawa - A journeyman pictures documentary
- Jarawa "primitives" and welfare politics in the Andaman Islands by Dr Viswajit Pandya
- "Jarawa" on survival-international.org
- Jarawa and The road to destruction
- UNESCO. 2010. The Jarawa Tribal Reserve Dossier: Cultural & Biological Diversities in the Andaman Islands. Edited by Pankaj Sekhsaria and Vishvajit Pandya. 212pp. Paris: UNESCO. (PDF)