バグズ・ライフ
表示
バグズ・ライフ | |
---|---|
A Bug's Life | |
ファイル:A Bug's Life movie.png | |
監督 |
ジョン・ラセター アンドリュー・スタントン |
脚本 |
アンドリュー・スタントン ドナルド・マッケネリー ボブ・ショウ |
原案 |
ジョン・ラセター アンドリュー・スタントン ジョー・ランフト |
製作 |
ダーラ・K・アンダーソン ケヴィン・リバー |
出演者 |
デイヴ・フォーリー ケヴィン・スペイシー ジュリア・ルイス=ドレイファス |
音楽 | ランディ・ニューマン |
編集 | リー・アンクリッチ |
製作会社 | ピクサー・アニメーション・スタジオ |
配給 | ブエナ・ビスタ・ピクチャーズ |
公開 |
![]() ![]() |
上映時間 |
97分 94分 |
製作国 |
![]() |
言語 | 英語 |
製作費 | $120,000,000[1] |
興行収入 |
$363,398,565[1] ![]() $162,798,565[1] ![]() |
配給収入 |
11億5000万円[2] ![]() |
前作 | トイ・ストーリー |
次作 | トイ・ストーリー2 |
﹃バグズ・ライフ﹄︵原題‥A Bug's Life︶は、ディズニー&ピクサーにより制作された1998年のアメリカのフルCGアニメーション映画である。
ピクサー作品全体︵短編含む︶では8作目の作品であり、ディズニー・オン・アイスで2001年日本公演作品﹃センテーニバル﹄登場作品の一つでもある︵ディズニー・オン・アイスで登場したピクサー作品としては2番目︶。同時公開短編は﹃ゲーリーじいさんのチェス﹄。イメージ・ソングにホフディランの﹁STAND﹂が使用された。アメリカ本国および日本ではピクサー長編アニメーションとしては、最後のレーザーディスク版発売作品となった。
概要
﹁トイ・ストーリー﹂のスタッフによるピクサー第二の長編。誕生のきっかけは﹁トイ・ストーリー﹂制作が大詰めを迎えたある日の昼食中の某スタッフの会話である。それから、虫の生態リサーチングをし、その99パーセントを忘れ、キャラクターの性格を掘り下げることに力を注いだ。今作の誕生はイソップ童話をヒントにした(ブルーレイの映像特典も﹁アリとキリギリス﹂である)。製作に当たっては﹁トイ・ストーリー﹂の十倍もの処理能力を持った最新式コンピュータが採用され、霧や雨、稲妻や炎、キャラクターの動きなどがよりリアルに表現できた[3]。 日本では1999年3月より全国で吹き替え版と字幕スーパー版が拡大公開された。 日本でのセルビデオ出荷本数は120万本[4]。ストーリー
ここは虫たちだけが住む世界。そこには、とある高原の池に浮かぶ、アリの島アント・アイランドがあった。そこで働くアリたちは秋に備えて食料を集めていた。その日々にアリたちは苦労し、女王の長女アッタ姫も毎日のようにくたびれていた。そんなある日のこと、発明家のフリックがまたトラブルを起こしていた。彼の発明した、刈り取り機は枝を刈り取って食料をためるというものだったが、食料を取り終えると枝を遠くへ飛ばすという危険なものだった。他のアリたちは彼の発明に呆れ、彼を﹁歩く災難﹂と呼んでいた。そんな彼を唯一慕っているのは、アッタ姫の後継ぎとなる次女・ドット姫だった。彼女もまだ小さいので飛ぶことができずにいた。同じ悩みを持つ二人は仲良くなった。その時、警笛が聞こえた。あれは、バッタ達が来る合図だ。アリたちが食料を集めていたのは、自分たちのためでなくバッタたちのためだったのだ。アリたちは慌てて巣の中の集会へ急ぐも、集会に遅れたフリックの発明のミスで食料を一つも残らず、川の中へ落してしまう。 慌てたフリックはこのことを姫に伝えようとするも、上からバッタ一味の食料がないとの声が聞こえた。フリックのミスが他のアリたちにバレてしまったのだ。そこへバッタ一味のリーダー・ホッパーが﹁雨季が近づくと、アリが食料を集め、それをバッタが食べる﹂という掟を話す途中で、ホッパーの弟・モルトが﹁兄貴が鳥に食われかけた﹂ことを暴露してしまう。頭にきたホッパーは﹁帰るまでは一言もしゃべるな﹂と警告し、モルトを殴ろうとするが、なぜか別のバッタを殴った。実は死んだ母の遺言で弟を殴れなかったのだ。そこでホッパーはアリたちにやり直しを命じる。女王は﹁自分たちの食料はどうするの﹂と問いかけるも、ホッパーは﹁逆らうやつはこうなるぞ﹂と指を鳴らす。そこにサンパーが現れた。他のバッタより飢えており、かなり凶暴な性格のバッタだった。ホッパーはドットを捕まえ、サンパーの餌食にしようとした。フリックはドットを助け、ホッパーは﹁雨季が来るまでに食料を集めろ﹂と無理難題を言い残すとそのまま飛び去っていった。その後、裁判が行われた。フリックが食料集めに失敗した責任を負わされたのだ。そこでフリックは﹁バッタを食い止められる用心棒探しに出かける﹂と言い放つ。最初は止めようとしたアッタ姫だったが、そうすればしばらく問題が起きなくて済むと考え、半ば追放という形でフリックに用心棒探しを任せる。その魂胆も知らずに、フリックは用心棒探しに出かけたのであった。 一方、郊外の草畑の中では客達にバカにされ、帰られてしまったり、返金要求をされる等、いまいちパッとしないサーカス団のライブが行われていた。そんな中、ある事故で団長のP.T.フリーが全身に火傷を負ったため、団員の全員を解雇する。 その夕方、元団員達はトレーラーハウス下の都会の居酒屋で別れを惜しむ会をしていた。何週間も都会を探す旅をしたフリックは居酒屋に入るが、どの用心棒も強そうには見えない。その時にサーカス団員は不良たちに絡まれていた。そこで団員たちはサーカスでしていたロビン・フッドのお芝居を披露し、自分たちは﹁伝説の勇者﹂だと言い張る。それを聞いたフリックはお芝居とも知らずに感動し、彼らを用心棒として雇うことにした。他の団員たちも芸人のスカウトマンだと勘違いし、彼と共にアント・アイランドへ戻ることにした。しかし、アント・アイランドに着いた時は国民たちから﹁伝説の勇者﹂を称える。しかし、フリックと団員たちは互いに正体を知ることになり、団員たちは逃げ出そうとする。バレたら、本当に追放されてしまう。そう思ったフリックは彼らを呼び止めようとするが、突然逃げ出した。実はそこには鳥の巣があった。ドットはフリックを助けようとするが、逆に追い詰められてしまう。そこで団員たちはドットを助け、鳥を追い払うことに成功する。団員たちは歓迎され、伝説の勇者として残ることを決めていた。そこで彼らはバッタ一味に太刀打ちできるように、本物そっくりの鳥の人形を作ることにした。それと同時に食料集めもほったらかしにしていた。 ここはバッタ一味のアジト。バッタたちは﹁アント・アイランドに雨が降ったら、殺虫剤を吸ったみたいにお陀仏だぜ﹂と文句を言っていた。それを聞いた、モルトはホッパーに戻る必要はないと言うが、他のバッタたちは身分が違うので言えない。彼らはモルトをホッパーの弟だから﹁副社長だろ?﹂とおだてる。すっかり乗せられたモルトは、兄であるホッパーに﹁ちょっとだけの食料のために、なぜ戻るんだ?﹂と言うも、逆に怒らせ、モルトは自分がおだてられたことを弁解する。それを聞いたホッパーは当分残ることを決める。﹁ここには食料があるのに、わざわざ戻るなんてバカげてる﹂と言い放つホッパー。しかし、ホッパーは抵抗した一匹のアリ︵フリック︶を思い出すと、部下たちに語る。﹁あそこに居るアリたちは、俺たちより大勢いる。もし奴らがそれに気づいたら、もうこんな暮らしもできなくなる。食料のためじゃなく、誰がリーダーに相応しいかを教えるために戻るんだ!﹂と言う。それを聞いたバッタたちは早速、アント・アイランドへ出発した。モルトも兄を説得させて大正解だった。 その頃、アント・アイランドでは宴が行われていた。そのどさくさに紛れ、フリックはサーカス団を逃がそうとするも、鳥の制作でアリたちと交流を深めた一行はもう少しここに残りたいという。更にアッタ姫はフリックが団員たちを見つけたことに感謝していた。その時、サーカスの団長フリーがやって来た。実はあの事故が大ヒットしたので、サーカスを再び開こうと団員たちを探していたのだ。それと同時にフリックは一同からの信頼を失い、サーカス団と共にアント・アイランドから追放されてしまった。その後、アント・アイランドではアリたちが渋々食料集めをしていた。しかし、そこへバッタ一味が現れ、ホッパーから﹁食料をすべて集めるまでは休むな!﹂とアリたちを怒鳴り散らす。その間、ドットはブルーベリーズを集め作戦会議を開こうとするが、本当はホッパーが女王の命を狙っている真相を漏らした彼の部下の話を聞き、フリックを探そうと必死になって羽を羽ばたつかせる。そしてついには飛べるようになり、フリックを追いかけた。ドットは彼に戻るように言うが、フリックは自分の失敗が原因で皆に迷惑をかけたことを償い戻ろうとしなかった。しかし以前自分がドットを励ました話でフリックは気力を取り戻し、サーカス団員たちもフリーを監禁し、アント・アイランドへ戻っていった。サーカス団員の協力で女王を救い、フリックが作った偽物の鳥で、バッタ一味を翻弄する。ところが、監禁されていたフリーが偽物の鳥を燃やしてしまった。それを見たホッパーは、アッタ姫を犯人と見たが、フリックが﹁すべて僕が一人で考えたことだ﹂と言い放つ。ホッパーはサンパーにフリックを襲わせた。そして、フリックはホッパーが女王を抹殺しようとしたことを国民に暴露する。ホッパーはアリたちに﹁お前たちは何も考える必要はない。ただ俺たちのために食料を集めるだけでいいんだ﹂と言う。しかし、フリックは語る。﹁アリはバッタの奴隷じゃない。アリは優秀で働き者だ。だから、お前たちの分まで食料を集められたんだ。弱いのはどっちだ?我々にはお前たちは必要ない、お前たちがアリを必要としているんだ﹂と。他のアリたちもフリックの意見に同意した。そして、フリックは﹁お前だってわかるはずだ、アリの方が強い﹂と挑発する。頭に来たホッパーはフリックを殴り飛ばそうとするが、ホッパーが振り向くとそこにはバッタ一味より大勢のアリたちとサーカス団員が団結していた。そして、アッタ姫はホッパーに﹁正しい自然の法則は、アリが食料を集めそれを食べること。無関係の者は追放します﹂と反論する。そして、アリたちとバッタ一味の対決が始まった。ところが数の差でバッタ一味の負けとなり、モルトを含むバッタたちはホッパーを置いて逃げだしてしまった。置き去りにされたホッパーはアリたちに捕まり、大砲で飛ばされそうになる。しかし雨季になり、遂に大雨が降りだした。人間にとっては普通のしずくでも、虫にとっては大粒のしずく。それを利用したホッパーは大砲の勢いで、フリックを連れ去ってしまう。しかし、逃げる途中でホッパーは触角を片方抜かれ、さらにアッタ姫にフリックの救出を許してしまう。なんとか逃げ切れたフリックだが、再びホッパーに見つかり、彼に絞め殺されそうなところに、鳥が現れた。ホッパーはこれも偽物だと勘違いするが、実はこれは本物の鳥だった。フリックはあえて鳥の住処にホッパーをおびき寄せ、今度は本物の鳥を利用して彼を騙したのである。気づくのが遅すぎたホッパーは逃げるタイミングを逃してしまい、そのまま鳥に捕まり、食い殺されてしまった。 そして、事件から翌日。フリックとサーカス団員たちの活躍でアント・アイランドに平和が戻った。バッタ一味はホッパーの死に伴い解散し、モルトはサーカス団員として雇われていた。フリックは他のアリたちと和解し、彼の発明が採用されていたのだった。そして、アッタ姫は女王へ昇進し、ドットも姫の後継ぎとなっていた。それから、フリックたちは飛び去っていくサーカス団員を見送るのだった。キャラクター
アント・アイランドの住民
フリック︵Flik︶ 本作の主人公。アント・アイランドに住む発明家で青年のアリ。少々ドジで、数々の変わった発明をするが大半は空回りに終わる。しかし、まっすぐな信念を持ち、﹁役に立ちたい﹂という人を思いやる気持ちも持っている。アッタ姫に自らの提案した用心棒のスカウトマンに任命され、都会へ用心棒探しに行くことに。実はアッタ姫に好意を寄せている。最終的には他のアリたちに認められる。一人称は﹁ぼく﹂。 NG集によると、1度バズ・ライトイヤーの決め台詞を言ってみたかったらしい。 後にガイド&エンターテインメントビデオ﹁アニマルキングダム ダンス!ダンス!大冒険!!﹂でガイドを務める。自称、世界一のサファリガイド。また、自らのパスポートを紹介する。また、サークル・オブ・ライフを1度紹介してみたかったらしい。 更に後にハイムリックと共にミニサイズで﹃トイ・ストーリー2﹄NG集にゲスト出演し、﹃カーズ﹄ではフォルクスワーゲン・バグ︵ビートル︶になって出演。﹃トイ・ストーリー2﹄でのゲスト出演した際、彼は主人公コンビとしてのツッコミ役を担当していた。 アッタ姫︵Princess Atta︶ アント・アイランドの王女。的確な判断や国を守るための任務を果たすよう努力しているが、自信を持つことができずに苦悩している。しかし聡明で美しく、国民の信頼を得ていることも事実。王国を脅かすバッタ達と戦うために、フリックを用心棒探しに任命した︵本当はトラブルばかりを起こすフリックを厄介払いする為︶。物語最後に女王から王冠を託され、女王となった。一人称は﹁私﹂。 NG集ではよくミスを犯し、とあるシーンでは15回も同じミスを︵実際に放送されたのは3回だが、1回目の放送の時点でカチンコに13回目と記されていて、3回目の放送で疲れたホッパーの口から15回目であることが語られる︶してホッパーから呆れられていた。 ドット姫︵Princess Dot︶ アッタ姫の妹。フリックの発明品の価値を認める唯一の理解者。身体は小さくて華奢だが、勇敢で自分の倍以上の背丈を持つバッタに立ち向かうことのできる気の強いアリ。小さな羽で飛ぼうとするが、なかなか上手く飛べない為、一部の子供達にはバカにされている。女王やアッタ姫も彼女を幼すぎるとして社会から引っ込ませようとするが、実は子供アリ隊﹁ブルーベリーズ﹂の最年少リーダーである。物語最後に女王となったアッタが投げ捨てた冠を拾い、王女に就任した。一人称は﹁あたし﹂。 NG集でのミスは、まさに子役といったもの。 女王︵The Queen︶ アント・アイランドの老女王。経験豊富で統率力も高く、国民からの信頼も厚い。しかし引退を考えており、次期女王に長女のアッタ姫を任命するつもりである。ペットであるアリマキのエリーを大事に育てている。 物語最後ではアッタに女王の座を受け渡すつもりでいたのか﹁やっと休む時間が出来た﹂と呟いている。 NG集では撮影中にエリーが排尿してしまう。 Mr.ソイル︵Mr. Soil︶ アント・アイランドの統治議会議員。フリックの発明にはいつも呆れているが、最後には彼の発明した芝刈り機を正規採用し、自らも使用していた。 フローラ先生︵Dr. Flora︶ アント・アイランドの健康福祉局の女性。 コーネリアス 農業の専門家の長老。﹁古きよき時代﹂のことばかり話したがり、フリックの新しい機械に文句をつける。ソーニーと一緒にいることが多い。 アクロバット・チーム︵The acrobat team︶ バッタ達にアクロバットで転がる攻撃を仕掛け、終戦後はそのままサーカスに加わった。バッタ一味
ホッパー︵Hopper︶ 本作のディズニー・ヴィランズで、 各地を放浪するゴロツキバッタ達のリーダー。片目の色が違うのは鳥につつかれて失明したからであり、それ以来鳥が大の苦手。本来体色は緑だが、脱皮前なので茶色い体色をしている。持論の﹁アリは食べ物を集め、その食べ物をバッタが食べる﹂という自然の摂理を盾に、初夏になるとアント・アイランドを仲間たちと共に訪れ、用意された大量の食べ物を食い散らかしていた。そんな中、自分にたてついたフリックを見て、バッタよりも遥かに数が多いアリが襲い掛かれば一生食料にあり付けなる事を危惧する。その為、アリたちに自分がリーダーだと教え、女王の命を奪った上で雨季の豪雨でアリたちを殺そうとたくらむ。冷酷かつ荒々しい性格の持ち主だが、リーダーとしての統率力はなかなかのもので頭もよい。一人称は﹁俺﹂。 物語終盤でフリックを殺すために追い掛けるが、逆にフリックの罠に掛かって鳥に捕まり、その雛の餌として食い殺された。 NG集では、同じ箇所で何回も同じミスを犯すアッタやモルトに対して﹁勘弁してくれよ…﹂と愚痴をこぼすなど、本編とは違い常識人なツッコミ役で、かなりフレンドリーな印象が強い。 ﹁アニマルキングダム ダンス!ダンス!大冒険!!﹂にパスポートが登場。 モルト︵Molt︶ ホッパーの双子の弟。ホッパーと同じゴロツキバッタ集団に属している。冷酷かつ荒々しい兄とは対照的に、子供っぽくお調子者でおしゃべりでどこか憎めない。亡くなった母親の遺言があるため、ホッパーに殴られたことがない事から、兄を説得させるのは彼しかいない。その為、他のバッタたちからは﹁副社長﹂とおだてられながら、体裁よく面倒役を押し付けられている。ホッパー同様、脱皮前であるが脱皮の皮が少しずつ剥がれている︵終盤では完全に剥がれた︶。口癖は﹁ゴメンね﹂。すべてが終わった後は、その性格と大きな体格ゆえの力持ちさが採用され、サーカスの団員となった。一人称は﹁ボク﹂。 NG集においては笑い上戸で何度も同じ箇所で笑ってしまうNGを出してホッパーを呆れさせたり、カメラを引き倒すなど本編と変わらぬお調子者ぶりをみせる。 サンパー︵Thumper︶ ホッパーの手下。普通のバッタと違って、怪物のような奇声や咆哮を上げる凶暴な性格。体格もホッパー達より少し大きいが非常に痩せこけていて、飢えているようにも見える。 NG集では、﹁演技にイマイチ迫力がない﹂と自分からNGを申し出る等、ホッパー同様に劇中とは正反対な生真面目さや勤勉ぶりを見せており、終始奇声や咆哮のみ上げていた本編と違って普通に話している︵しかも言葉遣いもかなり丁寧で、紳士的かつインテリ風︶。サーカス団の虫達
スリム︵Slim︶ ナナフシ。サーカスの道化。クールで生真面目な性格。舞台俳優を目指しているが、サーカスでの役回りが﹁小道具﹂︵箒、棒、剣など︶に近いことを気に病んでいる。細い体のせいで軽く、力もない。一人称は﹁私﹂だが、NGでは一度だけ﹁俺﹂と言っていた。 ハイムリック︵Heimlich︶ バイエルン出身で食いしん坊のイモムシ。サーカスでは道化師をしているが、客の食べものを欲しがるので受けは良くない。いつか綺麗な蝶になることを夢見ており、ラストでは蝶になるが羽が生えている以外はなぜかそのままだった。一人称は﹁オイラ﹂。 ﹃アニマルキングダム ダンス!ダンス!大冒険!!﹄にパスポートが登場。 ﹃トイ・ストーリー2﹄NG集にて、フリックと共にゲスト出演した。その際では主人公コンビでのボケ役という立場である。また、﹃トイ・ストーリー2﹄本編でもフィギュアとして﹁アルのトイバーン﹂店内に彼が6人程の人数で置かれてあり、﹃カーズ﹄のジョー・ランフト追悼シーンでも登場した。 フランシス︵Francis︶ テントウムシ。サーカスの道化でジャグリングもお手の物。長いまつ毛と大きな瞳の容貌からメスと思われがちだが実はオス。そのコンプレックスからか女扱いされるのは嫌いで、口が悪く、客と喧嘩を起こす事もある。ただし、ブルーベリーズとはすぐ仲良くなる。一人称は﹁俺﹂。 ﹃アニマルキングダム ダンス!ダンス!大冒険!!﹄にパスポートが登場。 マニー︵Manny︶ 老マジシャンのカマキリ。昔は有名なマジシャンだったらしいが、今では年のせいで客にバカにされ、ロクに手品をしたことがない。ジプシーの夫。相手に対しては常に謎めいた口調で話す。ラストではホッパーたちに人質に取られた女王を手品を使って救出する役割を担った。一人称は﹁わたくし﹂。 ジプシー︵Gypsy︶ マニーのアシスタントをつとめるマイマイガ。背中の羽に鳥の嫌がる目玉模様をもつ。マニーの妻。一人称は﹁私﹂。 ロージー︵Rosie︶ 未亡人のクロゴケグモで、夫を亡くし行き場を失くしたところでフリーに採用された。素早く糸を張ることができる。面倒見が良く人情にも厚い。男勝りで姉御肌な人望もあり。ディムとタッグを組んでおり、彼の母親代わりという存在である。一人称は﹁あたし﹂。 タック&ロール︵Tuck and Roll︶ 皮肉屋の双子のダンゴムシ。眉の繋がっているほうがロールで繋がっていないほうがタック。一人称は二人とも﹁俺﹂︵仲間たちの通訳によれば︶。 ハンガリー出身のためP.T.が団員全員を解雇する際に発した﹁You Fired!﹂以外は英語︵日本語では﹁お前クビ!﹂以外は日本語︶が話せず、他の仲間たちは意思疎通に苦労しているが、本人達は気にしていない様子。後にホッパー達の前で芸を披露し気に入られる。転がって移動したり、それぞれ肩車していることが多い。ちなみに、ハンガリー語部分は全て原語版流用。 ﹃アニマルキングダム ダンス!ダンス!大冒険!!﹄でフリックに情報を提供していたダンゴムシが、彼らなのかは不明。 ﹃トイ・ストーリー2﹄ではハイムリック、ディムと共に﹁アルのトイバーン﹂店内に彼らのフィギュアが複数の数で登場している。 ディム︵Dim︶ 大柄だが臆病なカブトムシ。サーカスではロージーと組んでやる猛獣ショーで、猛獣役をしており、その雄叫びはサンパーすら震え上がるほど。見た目通りの体力があり、怪力と体重が自慢。一人称は﹁俺﹂。 ﹃トイ・ストーリー2﹄ではハイムリック、タック&ロールと共に﹁アルのトイバーン﹂店内に彼のフィギュアが複数の数で登場している。 P.T.フリー︵P.T.Flea︶ 今一ぱっとしないサーカス団の団長を務めるシルクハットを被ったノミ。金にがめつく、儲かるためならなんでもし、自分の身の危険もいとわない。一度とある事故で全身に火傷を負い、サーカス団員の大半を解雇する。 一行の正体がサーカス団員である事を打ち明けた為にフリックを含め全員が追放される原因を作った他、偽物の鳥を燃やしてホッパーを脅かす作戦を失敗させるなど、フリック以上のトラブルメーカー。一人称は﹁俺﹂。 ちなみに名前のフリー︵Flea︶はノミを意味する単語である。その他
鳥︵Bird︶ アント・アイランドの近場に巣を構える赤い小鳥。メス。子持ち。物語の終盤でホッパーを捕獲し、雛に食べさせることで殺した。 NG集では映画撮影用に用意されたロボット機材であった事が発覚する。 ウッディ︵Woody︶ ﹃トイ・ストーリー﹄の主人公であり、本作ではゲスト出演としてNG集にてカチンコを鳴らす1シーンだけの登場。 VHSに映像特典として﹃トイ・ストーリー2﹄の予告映像が収録され、連続登場といえる。演出
●エンディングでは劇中の情景とNGシーン集を表示している。だが採用されなかったCGという事では無く、実写映画のNGシーン集を模して︵CGのキャラがセリフ忘れや演技をミスする等︶製作されており、以降のピクサー作品では﹃トイ・ストーリー2﹄﹃モンスターズ・インク﹄で同様な手法が採られている。劇中の情景表示は﹃ファインディング・ニモ﹄でも同様な手法が探られている。 また、NG集では仕掛け役がそれぞれ設定されている。 NG集の仕掛け役 ﹃バグズ・ライフ﹄ - アッタ姫︵ドジ︶ ﹃トイ・ストーリー2﹄ - ウッディ︵イタズラ︶ ﹃モンスターズ・インク﹄ - ロズ︵潜伏︶ ●﹃モンスターズ・インク﹄を除いたDVD・Blu-ray Disc版ではクレジット無しのNG集も収録されてある。 ●﹃モンスターズ・インク﹄のブルーレイ版では独自のクレジットに置き換えられていたが、ブルーレイ版専用の特典としてクレジット無しのNG集が収録された。また、WOWOWで﹃モンスターズ・インク﹄が初放送された時も独自クレジットだったが、その後の放送ではNG集が収録されているバージョンで放送された。 ●なお、﹃ファインディング・ニモ﹄よりNG集が廃止された理由は﹁ギャグがワンパターンになりかけていたから﹂との事である︵﹃ファインディング・ニモ﹄DVDでのオーディオコメンタリーより︶。声の出演
役名 | 原語版声優 | 日本語吹き替え |
---|---|---|
フリック | デイヴ・フォーリー | 宮本充 |
ホッパー | ケヴィン・スペイシー | 壌晴彦 |
アッタ姫 | ジュリア・ルイス=ドレイファス | 土井美加 |
ドット姫 | ヘイデン・パネッティーア | 須藤祐実 |
女王アリ | フィリス・ディラー | 磯辺万沙子 |
モルト | リチャード・カインド | 岡田吉弘 |
P.T.フリー | ジョン・ラッツェンバーガー | |
スリム | デヴィッド・ハイド・ピアース | 伊藤和晃 |
ハイムリック | ジョー・ランフト | 島香裕 |
フランシス | デニス・リアリー | 田中正彦 |
マニー | ジョナサン・ハリス | 小山武宏 |
ジプシー | マデリーン・カーン | 相沢恵子 |
ロージー | ボニー・ハント | 林佳代子 |
タック&ロール | マイケル・マクシェイン | 水野龍司 |
ディム | ブラッド・ギャレット | 郷里大輔 |
Mr.ソイル | ロディ・マクドウォール | 仲野裕 |
フローラ先生 | エディ・マクラーグ | 佐藤しのぶ |
ソーニー | アレックス・ロッコ | 星野亘 |
コーネリアス | デヴィッド・オスマン | 石波義人 |
鳥 | フランク・ウェルカー | 原語版声優の音声を使用 |
サンパー | フィル・プロクター フランク・ウェルカー |
その他の声の出演 | ||
---|---|---|
牛山茂 | 北川勝博 | 寺内よりえ |
遠藤純一 | やなせさとる | 辻つとむ |
小谷野啓 | 河野清人 | 加納詞桂章 |
山下夏生 | 山下真実 | 今関愛美 |
中村有岐 | 宇野あゆみ | 稲葉洋介 |
小野泰隆 | 三浦斗夢 |
日本語版制作 | ||
翻訳 | 松澤薫 | |
演出 | 向山宏志 | |
録音制作 | グロービジョン・スタジオ | |
制作監修 | 岡本企美子 | |
制作 | DISNEY CHARACTER VOICES INTERNATIONAL,INC. |
P.T.フリーの吹き替えは、カーズでは立木文彦が担当。
﹃トイ・ストーリー﹄シリーズの唐沢寿明や所ジョージ、日下由美等、﹃モンスターズ・インク﹄の石塚英彦や田中裕二等、﹃カーズ﹄の山口智充やパンツェッタ・ジローラモ、福澤朗等、ピクサー作品の日本語版では声優ではない俳優やタレントが起用される事が多いが、今作では逆で、いわゆる本業声優が吹き替えを担当してあり、声優を本業としない者はマイケル・マクシェイン︵原語版流用︶のみに留まった。ちなみに、タックとロールにて採用された﹁原語版流用+日本語﹂の制度は、﹃モンスターズ・インク﹄のブー、﹃WALL・E/ウォーリー﹄のウォーリーやイブ、モー等の多くのキャラクター、﹃トイ・ストーリー3﹄のビッグベビーでも適用されている。︵ほかにも、当作のホッパーにも原語版が混ざっている部分がある︶また、今作からは、その他の声の出演者のクレジット表記制度と、日本語版製作者﹁DISNEY CHARACTER VOICES INTERNATIONAL,INC.﹂の文字表記が始まった。なお、フリック役の宮本とホッパー役の壌はそれぞれ﹃ライオン・キング﹄の日本語吹き替えでシンバとスカーを担当しており、今作でもシンバVSスカーの対決が見られた。
ディズニーパークのバグズ・ライフ
テーマエリア
﹁バグズランド﹂︵a bug's land︶ ディズニーランド・リゾートのディズニー・カリフォルニア・アドベンチャーにある、バグズ・ライフをモチーフにしたテーマエリア。バグズ・ライフのアトラクションやレストランなどがある。アトラクション
﹁イッツ・タフ・トゥ・ビー・ア・バグ!﹂︵It's Tough to Be a Bug!︶ 上記のバグズランドとウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートのディズニー・アニマル・キングダムにあるシアタータイプの3Dアトラクション。虫の臭いや虫が動いているのを感じられる。 バグズランドのアトラクション バウンティフル・バレー・ファーム フリックス・フライヤーズ フランシスのレディーバグ・ブギ ハイムリックのチューチュー・トレイン プリンセス・ドット・バドル・パーク タック&ロールのドライブ・エム・バギーズパレード
東京ディズニーランド・エレクトリカルパレード・ドリームライツ 東京ディズニーランドの夜のパレード サーカスフロート、葉っぱのフロートが登場し、フランシスとフリックとアッタ姫の台詞︵日本語︶もある。 2007年3月16日をもってリニューアルのため降板。ショー
ワンマンズ・ドリームII -ザ・マジック・リブズ・オン- 東京ディズニーランドのショーベース 東京ディズニーランドでは、バグズ・ライフがサーカスに登場トリビア
●ジプシーを演じたマデリーン・カーンは公開の翌年︵1999年︶に亡くなられ、本作が遺作となった。 ●フジテレビ系で2006年1月14日土曜日に﹃プレミアムステージ﹄︵現・土曜プレミアム︶枠で放送された。 ●2006年ピクサーの作品﹃カーズ﹄のエンディングにパロディー映画﹁バグズ︵ワーゲン︶・ライフ︶﹂として登場している。フリックのベース車はフォルクスワーゲン・タイプ1︵アメリカでの通称がバグ︶であった。また、P.T.フリーの声優はカーズのマックやモンスターズ・トラック・インクのイエティに従い、立木文彦に変更されてある。また、ジョー・ランフト追悼シーンでは彼が声優となったハイムリックが登場する。 ●カーズは2009年12月4日、日本テレビ系の金曜ロードショーで、エンディングが早送りながらも放送された。 ●トイ・ストーリー3ではP.T.フリーに似た3ドアハッチバックが登場する。 ●ストーリー展開に関しては黒澤明の﹃七人の侍﹄と﹃荒野の七人﹄・﹃サボテン・ブラザーズ﹄を参考にしたと言われている。 ●題名を似せた﹃パグズライフ﹄というパグ犬を主役にしたアニメーションがairによって制作された。 ●4:3サイズのトリミング版では、ワイド版の左右の映像を切っているだけではなく、4:3のテレビサイズ用にキャラクタの再配置がなされてある。DVD版ではワイド版︵シネマスコープ︶とテレビサイズ版の両方が収録されている。ただし、ワイド版はアナログ向けであり、デジタルテレビでは字幕が1行しか表示されず、エンディングの画面パターンも﹃カーズ﹄や﹃トイ・ストーリー3﹄と同じような位置になる。 ●DVDの劇場非公開NGシーンでは1度、ウッディが制作スタッフとして、虫サイズで登場する。 ●マニーが手品で使用した中国・山珍の飲茶の入れ箱がピクサー2007年の作品﹃レミーのおいしいレストラン﹄で登場する。 ●P.T.フリーがサーカス団員を解雇にした会場の近くには、ピクサー長編作品に毎回登場するピザ・プラネットのGYOZAバンが虫の町であるトレーラーハウスと連結されて登場する。 ●この中の虫の居酒屋で前作で登場したピザプラネットのドリンクカップがある。 ●2作後のモンスターズ・インクでランドールがジェームズ達により人間界へ追放されるシーンでも同じセットが登場する。その際、トレーラーハウスにニモが居た事が明らかになった。 ●虫の町の入口エリアの箱に書かれてある番号がA113。 ●監督のジョン・ラセターとアンドリュー・スタントンがその他の声の出演に参加している。 ●2008年にはDVDにWALL・E/ウォーリーのフィギュアストラップが付いたバージョンが発売された。 ●﹃カールじいさんの空飛ぶ家﹄と同じく、トミカに登場していない作品である。 ●NGシーンでフリックがバズのモノマネ﹁無限のかなたへ、さあ行くぞ!﹂をしている。 ●アント・アイランドのデータが次作のトイ・ストーリー2の冒頭のバズの飛行シーン、あの惑星として登場する。また、アルのトイバーン店内に当作品の玩具があり、アンディの部屋の8月カレンダーも当作品のもの、更にはヤードセールにて当作品で登場した首輪も登場する。 ●フリックとハイムリックが登場したトイ・ストーリー2は、2010年7月25日にテレビ朝日系で日曜洋画劇場にて放送された。 ●秋田県と福井県、徳島県と佐賀県では全ての民放にハイムリックが登場している。これはTBS系局の無いことが影響してある。 ●今作からファインディング・ニモまで採用された、冒頭のディズニーの眠れぬ森の美女の城の音楽は2代目。また、オープニング前にピクサーのルクソーJr.のパターンが流れるのは今作が初で、3D作品﹃カールじいさんの空飛ぶ家﹄﹃トイ・ストーリー3﹄の劇場公開版でやっとマイナーチェンジ版︵アングル変更版︶が登場した。 ●この作品と2006年作品﹃カーズ﹄は、全編を通じて人間は一切登場しない作品となった。ゲーム
コナミから1999年10月28日にプレイステーション用の3Dアクションゲームが発売された。Traveller's Talesが開発。日本国外ではNINTENDO64版やPC版やゲームボーイカラー版もある。脚注
- ^ a b c “A Bug's Life (1998)” (英語). Box Office Mojo. 2010年6月21日閲覧。
- ^ 『キネマ旬報ベスト・テン85回全史 1924-2011』(キネマ旬報社、2012年)586頁
- ^ 偕成社刊 ディズニーアニメ小説版28「バグズ・ライフ」より
- ^ 日経BP社技術研究部 『進化するアニメ・ビジネス―世界に羽ばたく日本のアニメとキャラクター』日経BP社、2000年、42頁。ISBN 4822225542
スタッフ
- 監督:ジョン・ラセター、アンドリュー・スタントン(共同監督)
- 製作:ダーラ・K・アンダーソン、ケヴィン・リバー
- 脚本:アンドリュー・スタントン、ドナルド・マッケネリー、ボブ・ショウ
- 原案:ジョン・ラセター、アンドリュー・スタントン、ジョー・ランフト
- 音楽:ランディ・ニューマン
- ストーリー・スーパーバイザー:ジョー・ランフト
- 編集:リー・アンクリッチ
- スーパーバイジング・テクニカル・ディレクター:ウィリアム・リーベス、エヴェン・オストビー
- フォトギャラリー・ディレクター:シャーロン・キャラハン
- プロダクション・デザイナー:ウィリアム・コーン
- アート・ディレクター:ティア.W.クラッター、ボブ・ポーリー
- スーパーバイジング・アニメーション:グレン・マックイーン、リッチ・クウァード
- シェーディング・スーパーバイザー:リック・セイレ
- スーパーバイジング・レイアウト・アーティスト:エウァン・ジョンソン
- プロダクション・マネジャー:スーサン・タツノ・ハマナ
- サウンド・デザイン:ゲーリー・ライドストロム
関連項目
外部リンク