バトー
表示
バトー︵BATEAU/BATOU︶は、漫画・アニメ作品﹃攻殻機動隊﹄に登場する架空の人物。映画﹃イノセンス﹄では主役を務める。TVアニメ版での声優は大塚明夫。ゲーム︵PS︶版﹃攻殻機動隊 GHOST IN THE SHELL﹄では小川真司。英語吹き替え版ではリチャード・エプカー。
注意‥以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。
人物
公安9課所属。男性型高出力義体を持つパワー型サイボーグ。身長187cm。﹁諜報戦のプロ﹂と豪語しているが、主に戦闘に特化した武闘派︵戦闘型サイボーグ︶であり、9課に所属する以前はレンジャー4課︵陸上自衛軍レンジャー部隊︶に所属し、海外での特殊な戦闘任務にも参加していた。
ほぼ全身を義体化したサイボーグであるが、草薙ほど義体化率は高くない。レンジャー4課時代に任務特化した特殊な義眼レンズ︵センサーアレイや、サーモセンサー等を有する︶を、9課移籍以降もそのまま残しており、小火器から重火器までの幅広い武器の扱いにも長けている。サイボーグの人工筋肉は発達しないにも関わらず筋トレが趣味であり、﹃S.A.C.﹄では脳まで筋肉にしないよう草薙からのツッコミを受けている。
原作版では、道の真ん中で車の解体を始める[1]などのコミカルで少々下品な一面と、戦闘訓練所の教官として、教え子の死に激昂する一面などの性格のメリハリがより顕著に描かれている。草薙に対しては単なる同僚という程度。
劇場版では一貫してハードボイルドなキャラクターで、彼女に対して好意に近い特別な感情を抱いており、彼女への気遣いを怠ることはない。普段は彼女のことを﹁少佐﹂と呼んでいるが、彼女が死んだかと思われた際には感情を剥き出しにし、﹁素子ォ〜!!﹂と名前を叫んだ。
﹃S.A.C.﹄シリーズでは、大まかには原作版に近い性格だが、劇場版と同じく草薙に対して特別な感情を抱いている。また、メカに対しての個人的なこだわりや思い入れが非常に強く、タチコマは特定の一機を愛用したり、専用機に天然オイルを与えたりしている他、自家用車には年式の古いスポーツカー︵ランチアのストラトスによく似た車︶を好むなどの傾向がある。9課正式採用の拳銃を使わず、FNブローニング・ハイパワーの45口径モデルを愛用するなど、武器に対するこだわりもあるようである。S.A.C.16話にて﹁抜頭 仏哲︵Batou Buttetsu︶﹂という偽名を使用したことがある。
各作品の特徴
イノセンス
少女型ガイノイド﹁ハダリ﹂の暴走事件をトグサと共に追う。また無類の犬好きで、セーフハウスにバセットハウンドのガブリエル[2]を飼っている。
攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX
機械類に対し並々ならぬ愛情を注ぐ傾向があり、搭乗するタチコマも特定の一機に限定している。愛用する銃はFNブローニング・ハイパワーM7カスタム︵9課制式拳銃はセブロM5︶。﹃タチコマな日々﹄で眼のレンズが取り外し可能となっているらしいというエピソードが紹介されている。筋トレ︵義体の性能向上にはつながらない︶が趣味で、様々な筋トレグッズを通販で購入している。トグサからの呼び名は﹁ダンナ﹂。度々ひょうきんな一面を見せる[3]ことがある。
攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG
レンズ状の義眼に関しては、レンジャー隊員特有の装備と説明される。
過去に国連軍の一員として草薙、イシカワと作戦行動を共にしていたことがあり、この時イシカワに﹁新入りが﹂と罵られている[4]。
攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX Solid State Society
草薙素子が失踪した後、荒巻からリーダー就任の要請があったが断っており、トグサが9課のリーダーとなって以後、﹁個人的推論にのっとった捜査方針﹂による単独での行動が多くなった。その軋轢から﹁訓練教官の職に専念するか、俺の指示で傀儡廻の捜査に加わるか﹂とトグサに窘められる場面も。失踪から2年が経っても草薙への想いを断ち切れずにいる。草薙が傀儡廻の正体なのではないかと疑念を抱きながらも、大阪の病院で草薙と出会ったことをトグサに報告しなかったりと、個人的な感情と職務の間で苦悩している。
攻殻機動隊1.5 HUMAN-ERROR PROCESSER
﹁FAT CAT﹂以外の話に登場。草薙が去った後の実質上のリーダー格。原作の彼は草薙に特別な好意を抱いていないので、葛藤や性格の変化はない。﹁MINES OF MIND Part.1﹂と﹁LOST PAST﹂においては電脳空間にて交際中の女性[5]の存在も描かれている。髪型が各話ごとに違っている。
脚注
(一)^ 草薙の危機に動転して車のセキュリティを怠り、半ドアになっていることをトグサに指摘され、爆弾を仕掛けられた可能性があるとその場で解体を行った。
(二)^ 当時、押井守監督が溺愛していた雌のバセットハウンド・ガブリエルにちなんだもの。原作1巻では、ガブリエルの女性名であるガブリエラと名づけられた留守番装置が登場している。
(三)^ 第1話﹁公安9課 SECTION-9﹂で﹁もし︵何者かによる遠隔操作で犯罪を起こした︶芸者ロボットが待遇の改善を要求してきたら?﹂と発言する等。
(四)^ ﹃2nd GIG﹄第14話﹁左眼に気をつけろ POKER FACE﹂より。
(五)^ あくまでも電脳空間での話であり、現実では95歳の男性。いわゆるネカマである。バトー自身はこれを知らず、現実で﹁彼女﹂と会いたがっている。