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'''フェルミ面'''︵フェルミめん{{Lang-en-short|Fermi surface}}︶とは、{{Math|1=''E''('''''k''''')=''E''<sub>F</sub>}} で定義される[[逆格子空間|波数空間]]上の曲面のことである。ここで、{{Math|''E''<SUB>F</SUB>}} は[[フェルミエネルギー]]、{{Math|''E''('''''k''''')}} は粒子の[[分散関係]]である。自由粒子など、[[分散関係]]が線形となる場合には[[球面]]となるので、特に'''フェルミ球'''︵フェルミきゅう {{Lang|en|Fermi sphere}}︶と呼 |
'''フェルミ面'''︵フェルミめん{{Lang-en-short|Fermi surface}}︶とは、{{Math|1=''E''('''''k''''')=''E''<sub>F</sub>}} で定義される[[逆格子空間|波数空間]]上の曲面のことである。ここで、{{Math|''E''<SUB>F</SUB>}} は[[フェルミエネルギー]]、{{Math|''E''('''''k''''')}} は粒子の[[分散関係]]である。自由粒子など、[[分散関係]]が線形となる場合には[[球面]]となるので、特に'''フェルミ球'''︵フェルミきゅう {{Lang|en|Fermi sphere}}︶と呼び、その半径を'''フェルミ波数'''と呼ぶ。
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定義から分かるように、[[固体]]中の[[電子]]の[[バンド構造]]においてフェルミ面を持つのは[[金属]]([[半金属 (バンド理論)|半金属]]も含む)のみで、[[バンドギャップ]]中にフェルミエネルギーが存在する[[半導体]]や[[絶縁体]]にはフェルミ面は存在しない。 |
定義から分かるように、[[固体]]中の[[電子]]の[[バンド構造]]においてフェルミ面を持つのは[[金属]]([[半金属 (バンド理論)|半金属]]も含む)のみで、[[バンドギャップ]]中にフェルミエネルギーが存在する[[半導体]]や[[絶縁体]]にはフェルミ面は存在しない。 |
2018年1月20日 (土) 06:04時点における版
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フェルミ面︵フェルミめん英: Fermi surface︶とは、E(k)=EF で定義される波数空間上の曲面のことである。ここで、EF はフェルミエネルギー、E(k) は粒子の分散関係である。自由粒子など、分散関係が線形となる場合には球面となるので、特にフェルミ球︵フェルミきゅう Fermi sphere︶と呼び、その半径をフェルミ波数と呼ぶ。
定義から分かるように、固体中の電子のバンド構造においてフェルミ面を持つのは金属︵半金属も含む︶のみで、バンドギャップ中にフェルミエネルギーが存在する半導体や絶縁体にはフェルミ面は存在しない。
三次元空間における自由電子のフェルミ面は球形である。比較的自由電子に近いs軌道が価電子となっているアルカリ金属などのフェルミ面には、球形に近いものがある。
フェルミ面の形はフェルミエネルギー近傍のバンド構造に依存し、遷移金属や複雑な金属間化合物などでは非常に複雑なフェルミ面となることがある。
実験的にはサイクロトロン共鳴実験、ドハース・ファンアルフェン効果を使った実験、電子-陽電子消滅実験やコンプトン散乱実験によって求まる運動量密度︵運動量分布→電荷密度参照︶などからフェルミ面に関する情報が得られる。また、角度分解光電子分光により直接フェルミ面を観測することも可能となっている。