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「古史古伝」の版間の差分

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{{複数の問題

'''古史古伝'''(こしこでん)とは、[[日本]]の[[古代史]]で主要資料とされている「[[記紀]](『[[古事記]]』と『[[日本書紀]]』)」とは著しく異なる内容[[歴史]]を伝える文献を一括して指す名称。種類が多い。また'''超古代文献'''・'''超古代文書'''ともいう。なお、古史古伝は今のところ、いずれも学界の主流からは[[偽書]]とみなされている。

|出典の明記=2022年7月21日 (木) 12:02 (UTC)

|独自研究=2022年7月21日 (木) 12:02 (UTC)}}

'''古史古伝'''(こしこでん)とは、[[古代]]史の主要な史料([[日本]]の場合なら『[[古事記]]』や『[[日本書紀]]』など)とは著しく異なる内容[[歴史]]を伝える文献を一括して指す名称。


種類が多く、また'''超古代文献'''・'''超古代文書'''ともいう。


古史古伝は今のところ、いずれも学界の主流からは[[偽書]]とみなされている。日本の『[[武功夜話]]』や『百輪中旧記』などのように[[中世]]以後の歴史を記した偽書もあるが、古代の特に古い時代に無関係な文献は古史古伝とは呼ばれない。



== 概論 ==

== 概論 ==

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#写本自体が私有され非公開である、などの理由で[[史料批判]]がなされる予定がなく、[[史料]]として使えないものも多い

#写本自体が私有され非公開である、などの理由で[[史料批判]]がなされる予定がなく、[[史料]]として使えないものも多い

#[[超古代文明]]について言及されている

#[[超古代文明]]について言及されている

#[[漢字]]の伝来以前に日本にあったと言われている[[神代文字]]で綴られている

#日本のものの場合、[[漢字]]の伝来以前に日本にあったという主張がある[[神代文字]]で綴られている

#日本のものの場合、[[上代特殊仮名遣]]に対応してない([[奈良時代]]以前の[[日本語]]は[[母音]]が8個あったが、5母音の表記体系である)

#近代以降の用語が使用されている

#成立したとされる年代より後(特に[[近代]]以降)の用語や表記法が使用されている


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ただし、いずれの「古史古伝」においても偽書である古史古伝ではなく、真書であると主張する人々はかつて存在したか、もしくは現存している。

日本のものの場合、[[江戸時代]]成立とみられる文献もあり、それらには江戸時代的な特徴はあるが、近代以後の用語などは存在しない。ただし、いずれの「古史古伝」においても偽書である古史古伝ではなく、真書であると主張する人々はかつて存在したか、もしくは現存している。



現在では、近代における日本人の国家観・民族観への受容等のあらわれとして、写本作成を行う者の思想に対する研究が始まったところである。

現在では、近代における日本人の国家観・民族観への受容等のあらわれとして、文献の作成を行う者の[[思想]]に対する研究が始まったところである。


古史古伝を含む[[偽史]]の作成は、それが作成される社会と時代における[[時代精神]]を反映している。[[原田実 (作家)|原田実]]は[[オウム真理教]]が偽史運動から登場した事を指摘している<ref>原田実著「トンデモ偽史の世界」(楽工社 2008年9月) 終章「現代日本の偽史運動」</ref>。実際に教祖の[[麻原彰晃]]は、古史古伝に登場する[[ヒヒイロカネ]]に関する記事を[[オカルト]]雑誌の[[ムー (雑誌)|ムー]]に発表したことがある<ref>ムー1985年11月号 麻原彰晃「幻の超古代金属ヒヒイロカネは実在した!?」</ref>。ただし、いわゆる新興宗教が偽史や古史古伝に立脚しているケースは多々見られる。



== 名称由来 ==

== 名称由来 ==


21970[[]][[]][[]][[]]

第2次世界大戦前には「神代史」「太古史」など言われ、戦後(1970年代頃まで)には[[吾郷清彦]]が「超古代文書」と呼んでいた。

また同じ頃、[[武田崇元]](武内裕)は「偽書」「偽史」「偽典」などと発言しかし「[[偽書]]」「[[偽典]]」は用語としてすでに確立した別の定義が存在しており紛らわしいので、やがて「偽史」という言い方に統一されていった。



「古史古伝」という言い方は、吾郷清彦が著書『古事記以前の書』(大陸書房、[[1972年]])で最初に提唱したもので、この段階では「古典四書」「古伝三書」「古史三書」とされていたが、著書『日本超古代秘史資料』(新人物往来社、[[1976年]])では、「古典四書」「古伝四書」「古史四書」「異録四書」に発展した。


[[1972]][[1976]]1980[[]]<ref>{{Cite web||title= {{!}}  {{!}}  {{!}} PHP |url=https://www.php.co.jp/fun/people/person.php?name=%E4%BD%90%E6%B2%BB%E8%8A%B3%E5%BD%A6&p=NjYw |website=www.php.co.jp |access-date=2022-06-24}}</ref>

1980[[]]


下記の分類は前述の『日本超古代秘史資料』を基本としているが、その後、他の文献写本が発見されるに従って吾郷清彦自身によって徐々に改訂が繰り返され増殖していった。その分として若干の補足を加えてある。

下記の分類は前述の『日本超古代秘史資料』を基本としているが、その後、他の文献写本が発見されるに従って吾郷清彦自身によって徐々に改訂が繰り返され増殖していった。その分として若干の補足を加えてある。

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*『[[先代旧事本紀]]』(旧事紀)

*『[[先代旧事本紀]]』(旧事紀)

*『[[古語拾遺]]』

*『[[古語拾遺]]』

『古語拾遺』を除いて「古典三書」ともいう。この「古典四書」(または古典三書)という分類は、異端としての超古代文書に対して正統な[[神典]]としての比較対象のための便宜的な分類であり、「古典四書」はいわゆる超古代文書(古史古伝)ではなく、通常の「神典」から代表的・基本的な四書を出したもので、実質は神典の言い替えである([[神典]]の範囲をどう定めるかは古来諸説があるがこの四書に加えて『[[万葉集]]』『[[風土記|古風土記]]』『[[新撰姓氏録]]』などをも含むことが多い)。



しかし『先代旧事本紀』は江戸時代以来、[[偽書]]であるとの評価が一般的であり、当然、吾郷清彦も最初からそれを認識していた。しかしまた同時に、通説と同様に、その価値を全面否定はせず、記紀に次ぐ重要な「[[神典]]」とみなされてきた事実には変わりないと(記紀ほどではないが)評価もされていた。

『古語拾遺』を除いて「古典三書」ともいう。この「古典四書」(または古典三書)という分類は、異端としての超古代文書に対して正統な[[神典]]としての比較対象のための便宜的な分類であり、「古典四書」はいわゆる超古代文書(古史古伝)ではなく、通常の「神典」から代表的・基本的な四書を出したもので、実質は「[[神典]]」の言い替えにすぎない。([[神典]]の範囲をどう定めるかは古来諸説があるがこの四書に加えて『[[万葉集]]』『[[風土記|古風土記]]』『[[新撰姓氏録]]』などをも含むことが多い)。



同様に『[[天書]]』(『天書紀』ともいう)・『[[日本総国風土記]]』・『[[前々太平記]]』の三書を異端古代史書として古史古伝と同様に扱おうとする説(田中勝也など)もあるが、このうち『天書』は古史古伝の類とはいえず、他の二書も超古代文書というほどの内容をもっているわけではない。

しかし『先代旧事本紀』については若干の説明が必要である。『先代旧事本紀』は江戸時代以来、[[偽書]]であるとの評価が一般的であり、当然、吾郷清彦も最初からそれを認識していた。しかしまた同時に、通説と同様に、その価値を全面否定はせず、記紀に次ぐ重要な「[[神典]]」とみなされてきた事実には変わりない、と(記紀ほどではないが)評価もしていたのである。



『先代旧事本紀』または『天書』と似たような位置にある史書として『[[住吉大社神代記]]』がある。[[天平]]年間成立とされているが[[平安時代]]中期頃の偽書と考えられている。『[[神道五部書]]』は、奈良時代以前の成立とされているが[[鎌倉時代]]の偽書と考えられている。『神道五部書』は直接には古史古伝ではないが、そのうちの『[[倭姫命世記]]』と『[[神祇譜伝図記]]』に神代の治世の年代が記されており、これが古史古伝の幾つかにある[[ウガヤフキアエズ王朝]]と同質の発想があるという指摘がある<ref>歴史読本1988年11月号 特集「消された歴史書「古史古伝」」所収 菅田正昭「「神道五部書」にみる古史古伝の成立事情」</ref>。

この本来の旧事紀(十巻本)とは別に異本(『[[先代旧事本紀大成経]]』(72巻本)・『[[白河本旧事紀]]』(30巻本)・『[[大成経鷦鷯伝]]』(31巻本))もあり、こちらは論者によっては古史古伝の一種とされることもありがちなのであるが、超古代文書(=古史古伝)は「偽書」の一種ではあっても、「偽書」のすべてが古史古伝かというとそれも疑問であり、吾郷清彦はその著作の中で『旧事紀』の異本を紹介しながらも、これらを古史古伝とはしていないのである。



通常の古代史書が、解釈によって古史古伝と同様の内容があるとされる場合もある。吉田大洋は『古事記』が[[シュメール語]]で読めると主張したが、その解釈には超古代史的な内容もある<ref>吉田大洋著「謎の出雲帝国」(徳間書店 1980年5月)</ref><ref>歴史読本1988年11月号 特集「消された歴史書「古史古伝」」所収 吉田大洋「「古事記」はシュメール語で書かれた」</ref>。[[高橋良典]]は『新撰姓氏録』を超古代史書として解釈している<ref>高橋良典著「謎の新撰姓氏録」(徳間書店 1980年2月)</ref>。これらは吉田大洋や高橋良典の解釈説の内容が超古代史と言うことであり、本文そのものが超古代史なわけではない。

同様に『[[天書]]』(「天書紀」ともいう)・『[[日本国総風土記]]』・『[[前々太平記]]』の三書を異端古代史書として古史古伝と同様に扱おうとする説(田中勝也など)もあるが、このうち『天書』は古史古伝の類とはいえず、他の二書も超古代文書というほどの内容をもっているわけではない。これらは古典四書の周辺的な類書であり古史古伝に準ずる異端古代史書とはいえても、超古代文書だとか古史古伝そのものに入れるのは相当な無理がある。

(また『[[新撰姓氏録]]』を超古代史書として解釈する説もあるが、これは[[高橋良典]]の解釈説の内容が超古代史なのであって本文そのものが超古代史なわけではない)



=== 古伝四書 ===

=== 古伝四書 ===

*『[[上紀|ウエツフミ]]』('''大友文書'''、'''大友文献'''ともいう<ref>『ウエツフミ』には宗像本と大友本があるが、「大友文書」という言い方はそのうち大友本をさすというのではなくて、編者の大友能直の名をとったものであり宗像本と大友本を包括する名である。しかし「大友本」と紛らわしいのであまり使われなくなった。</ref>)

*『[[上紀|ウエツフミ]]』

*『[[秀真伝|ホツマツタヱ]]』(※漢字ではなくカナ書きするのが吾郷の流儀)

*『[[秀真伝|ホツマツタヱ]]』(※漢字ではなくカナ書きするのが吾郷の流儀)

*『[[三笠紀|ミカサフミ]]』

*『[[三笠紀|ミカサフミ]]』

*『[[カタカムナ文献|カタカムナのウタヒ]]』(いわゆる「カタカムナ」)<br>

*『[[カタカムナ文献|カタカムナのウタヒ]]』(いわゆる「カタカムナ」)

「カタカムナ」を除いて「古伝三書」ともいう。

「カタカムナ」を除いて「古伝三書」ともいう。



この「古伝四書」は全文が神代文字で書かれているという外見上の体裁による分類であって、内容に基づく分類ではない。

この「古伝四書」は全文が神代文字で書かれているという外見上の体裁による分類であって、内容に基づく分類ではない。



また、『[[フトマニ]]』という書がある。この『[[フトマニ]]』は普通名詞の[[太占]](ふとまに)と紛らわしいので吾郷清彦は『カンヲシデモトウラツタヱ』(神璽基兆伝)と名付けた。『[[フトマニ]]』『ホツマツタヱ』『ミカサフミ』の三書は世界観を同じくする同一体系内の一連の書であり「ホツマ系文書」ということができる。一部の肯定派の研究者からは「[[ヲシテ文献]]」と一括してばれる。

また、『[[フトマニ]]』という書がある。この『[[フトマニ]]』は普通名詞の[[太占]](ふとまに)と紛らわしいので吾郷は『カンヲシデモトウラツタヱ』(神璽基兆伝)と名付けた。『フトマニ』『ホツマツタヱ』『ミカサフミ』の三書は世界観を同じくする同一体系内の一連の書であり「ホツマ系文書」と呼ばれ、一部の肯定派の研究者からは「[[ヲシテ文献]]」と一括してばれる。




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=== 古史四書 ===

=== 古史四書 ===

*[[九鬼文書|九鬼神伝精史]]』(いわゆる「[[九鬼文書]]。『天津鞴韜秘文』(あまつたたらのひふみ)は九鬼文書群の一部である)

*[[九鬼文書|九鬼神伝精史]]」<!-- 『と「」は使い分けているので勝手に統一しないで下さい。 -->(いわゆる「[[九鬼文書]]。『天津鞴韜秘文』(あまつたたらのひふみ)は九鬼文書群の一部である)

*[[竹内文書|竹内太古史]](いわゆる「竹内文献」。「天津教文書」「磯原文書」ともいう)

*[[竹内文書|竹内太古史]](いわゆる「竹内文献」。「天津教文書」「磯原文書」ともいう)

*[[宮下文書|富士高天原朝史]](いわゆる「富士谷文書」(ふじやもんじょ)。「宮下文書」「富士宮下古文献」ともいう)

*[[宮下文書|富士高天原朝史]](いわゆる「富士谷文書」(ふじやもんじょ)。「宮下文書」「富士宮下古文献」ともいう)

*[[物部文書|物部秘史]](いわゆる「物部文書」)

*[[物部文書|物部秘史]](いわゆる「物部文書」)

物部秘史』を除いて「古史三書」ともいう。

物部秘史』を除いて「古史三書」ともいう。



「古史四書」は神代文字をも伝えてはいるものの、本文は漢字のみまたは漢字仮名まじり文で書かれたもの。やはり内容による分類ではない。上記の四つのタイトル(九鬼神伝精史・竹内太古史・富士高天原朝史・物部秘史)は吾郷清彦が独自に名付けたものである。

「古史四書」は神代文字をも伝えてはいるものの、本文は漢字のみまたは漢字仮名まじり文で書かれたもの。やはり内容による分類ではない。上記のタイトル(九鬼神伝精史・竹内太古史・富士高天原朝史・物部秘史)は吾郷清彦が独自に名付けたものである。九鬼文書と富士文書は複数の書物の集合体であって全体のタイトルがなかったことによる<ref>ただし富士書についてはその中のもっとも主筋のまとまった書物である『開闢神代暦代記』をもって全体を代表させることがある。また竹内文献だけは「神躰神名天皇名宝ノ巻」(たましいたまのしかみのみなすみらみことなたからのまき)という表題がついている。物部文書については不詳である。</ref>



[[|]]''''''<ref>[[]]</ref>


===異録四書===

===異録四書===

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「異録四書」は古伝四書や古史四書に含まれないものをひとまとめにしたもので、いわゆる「その他」の枠であり、古伝四書・古史四書のように四書全体に通じる共通の特徴があるわけではない。

「異録四書」は古伝四書や古史四書に含まれないものをひとまとめにしたもので、いわゆる「その他」の枠であり、古伝四書・古史四書のように四書全体に通じる共通の特徴があるわけではない。




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== 吾郷清彦による分類の発展 ==

== 吾郷清彦による分類の発展 ==

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*『[[香山宝巻]]』

*『[[香山宝巻]]』

*『[[宝巻変文類]]』

*『[[宝巻変文類]]』

『宝巻変文類』を除いて東亜三書ともいう。


吾郷は「新しき世界へ」誌(日本CI協会刊)に寄稿した際「東亜四書」という項目を追加している。

吾郷は「新しき世界へ」誌(日本CI協会刊)に寄稿した際「東亜四書」という項目を追加している。



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=== 泰西四書 ===

=== 泰西四書 ===

*『[[オエラ・リンダの書]]』(『オエラリンダ年代記』ともいう)<ref>自身を由緒正しい古フリーズ貴族の末裔に違いないと信じていた大工コルネリウス・オヴェル・デ・リンデが偽造した、先史時代までさかのぼる年代記。フリーズ人はキリスト教以前に独自の一神教を持つとし、万物創造の唯一神ヴラルダを讃え、ザクセン人やフランク人を見下しフリーズ人の優越性を説く。1872年にオランダで出版され、偽造であるとばれて事件は終わっていたが、ナチズムの台頭の中、1933年にドイツの先史学者ヘルマン・ヴィルトがユダヤによる旧約聖書以前の本物の古文書であると主張し、北方人種の栄光ある過去を創造する道具として利用しようとした。種村季弘「偽物創始」『偽書作家列伝』学習研究社、2001年</ref><ref>[[ヘレナ・P・ブラヴァツキー]]の[[神智学]]における根源人種論の元とも言われ、[[ニューエイジ]]にも影響がある。</ref>

*『[[ウラ・リンダの書]]』(『ウラ・リンダ年代記』ともいう)

*『[[OAHSPE]]』オアフスペ、オアースプ等いろいろに読まれる

*『[[:en:Oahspe: A New Bible|Oahspe: A New Bible]]』オアフスペ、オアースプ等いろいろに読まれる。1882年出版。

*『[[モルモン経]]』

*『[[モルモン経]]』


*[[|]]<ref>[[]][[]][[]]使[[]]使[[]][[]]</ref>

*『[[アカーシャ年代記]]』

「アカーシャ年代記」を除いて泰西三書ともいう。


他に[[ジェームズ・チャーチワード]]が実在を主張した「[[ナーカル碑文]]([[:en:Naacal|Naacal]])」、ヘレナ・P・ブラヴァツキーが実在を主張した『[[ジャーンの書|ドゥジャーンの書]]』、「[[エメラルド・タブレット]]」、「[[トートの書]]」等がある。また『[[ネクロノミコン]]』は当初から小説の中の存在として発表されたが、実在と信じる人にとっては超古代文書の一種である。



『OAHSPE』はアメリカ人の歯医者John Ballou Newbroughが[[自動書記]]で書いたとされており、「アカーシャ年代記」は不可視界の存在であるとされ、どちらも古文書ではない。他にアメリカ人リバイ・ドーリングがアカシックレコードを読んで書いたというキリストの前半生の物語『[[宝瓶宮福音書]]』(1908年)も古史古伝に入れられている。

『OAHSPE』『モルモン経』『アカーシャ年代記』は古代から伝来した書物ではなく神の[[啓示]]とか、[[霊感]]や[[自動書記]]などになるものだが、それは古史古伝の定義上問題ないことは上述の通り。他に『[[エメラルド・タブレット]]』『[[タロットカード|トートの書]]』『[[ナーカル碑文]]([[聖なる霊感の書]])』等がある。また『[[ネクロノミコン]]』は当初から小説の中の存在として発表されたため建前上も架空の書物だが、実在と信じる人もいるのでその場合は超古代文書の一種となる。



===地方色豊かなもの===

===地方四書===

*『[[甲斐古蹟考]]』

*『[[甲斐古蹟考]]』

*[[阿蘇幣立神社文書]]高天原動乱の秘録ともいう)

*[[阿蘇]][[幣立神社]]文書」高天原動乱の秘録ともいう)

*『[[大御食神社神代文字社伝記]]『美杜神字録』ともいう<ref>『美杜神字'''録'''』は出版物でもサイト上でも美杜神字'''解'''とするものがあるが『美杜神字"解"』は落合直澄による著作(解読文)であり、原書のほうは美杜神字"録"である</ref>)


*[[]]<ref>''''''''''''""""</ref><ref>[[1967|42]]</ref>

*『[[真清探當證]]』(ますみたんとうしょう)

*『[[真清探當證]]』(ますみたんとうしょう)

『真清探當證』を除いて地方三書ともいう。




[[]][[|]][[]][[]][[]][[]]

[[]][[]][[]]{{efn|}}[[]][[]]


===不詳===

===秘匿四書===

*「[[安部文書]]」

*「[[斎部文書]]」

*「[[斎部文書]]」

*「[[清原文書]]」

*「[[清原文書]]」

*「[[久米文書]]」

*「[[久米文書]]」

*「[[大伴文書]]」<ref>『ウエツフミ』の別名である「大友文書」とは無関係。</ref>

「大伴文書」を除いて秘匿三書ともいう。



上記の四書は未確認文献である。これらのうち「大伴文書」については、熊野修験道の秘伝書という「天津蹈鞴秘文」を伝承していた高松壽嗣がその一部を大伴氏の所伝とみなし「大伴文書」と呼んでいたという。したがって「大伴文書」は実在するものの、その中には超古代史を思わせるような伝承(例えばウガヤフキアヘズ朝など)は特に見出せない。


<ref>[[]]</ref>



[[]][[]][[]]''''''''''''''''''[[]][[]][[]]

これらの他にもなお「[[大伴文書]]」なるものが存在することが判明している<ref>熊野修験道の秘伝書という「天津蹈鞴秘文」について、伝承者の高松壽嗣はその一部を大伴氏の所伝とみなし、「大伴文書」と呼んでいたという。したがって「大伴文書」が実在するという言い方は可能だが、その中にウガヤフキアヘズ朝伝承は特に見出せない。</ref>。



== 一覧 ==

== 一覧 ==

本項ででてきた書物のタイトル一覧('''古史古伝以外のものも含む''')。五十音順。

本項ででてきた書物のタイトル一覧。五十音順。


*『[[アカーシャ年代記]]』

=== 古史古伝 ===

*『[[阿蘇幣立神社文書]]』(「高天原動乱の秘録」ともいう)

*「[[アカシックレコード|アカーシャ年代記]]」(「アカシックレコード」ともいう)

*『[[安部文献]]』(あべぶんけん)

*「[[阿蘇幣立神社文書]]」(「高天原動乱の秘録」ともいう)

*『[[異称日本伝]]』

*「[[安倍文書]]」('''安倍'''とは別に「'''安部'''文書」や「'''阿部'''文献」も存在する)

*『[[異称日本伝]]』(これを古史古伝に加えるのは異論もあるが、本項の中では吾郷の判定に従う)<!-- 『』と「」は使い分けているので勝手に統一しないで下さい。 -->

*『[[伊未自由来記]]』(いみじ・ゆらいき)

*『[[伊未自由来記]]』(いみじ・ゆらいき)

*[[斎部文書]](いんべもんじょ)

*[[斎部文書]](いんべもんじょ)

*『[[上紀|ウエツフミ]]』

*『[[上紀|ウエツフミ]]』(「大友文書」「大友文献」ともいう)

*『[[ウラ・リンダの書]]』(『ウラ・リンダ年代記』ともいう)

*『[[ウラ・リンダの書]]』(『ウラ・リンダ年代記』ともいう)

*「[[エメラルド・タブレット]]」

*『[[OAHSPE]]』(オアフスペ、オアースプ等いろいろに読まれる)

*『[[OAHSPE]]』(オアフスペ、オアースプ等いろいろに読まれる)

*[[大伴文献]]

*[[大伴文献]]

*『[[大御食神社神代文字社伝記]](「美社神字録ともいう)

*『[[美しの杜物語]]』(『大御食神社神代文字社伝記』美社神字録ともいう)

*『[[忍日伝天孫記]]』(おしひのつたえてんそんき)

*『[[忍日伝天孫記]]』(おしひのつたえてんそんき)

*『[[甲斐古蹟考]]』

*『[[甲斐古蹟考]]』

*[[春日文書]]

*[[春日文書]]

*『[[カタカムナ文献|カタカムナのウタヒ]]』

*カタカムナ系文書群

**『[[カタカムナ文献|カタカムナのウタヒ]]』

*『[[神名比備軌]]』(かむなひびき)

**『[[神名比備軌]]』(かむなひびき)

**『[[間之統示]]』(まのすべし)

*『[[肯搆泉達録]]』

*『[[肯搆泉達録]]』

*『[[フトマニ (カンオシデモトウラツタヱ)|カンオシデモトウラツタヱ]]』(神璽基兆伝)

*『[[桓檀古記]]』

*『[[揆園史話]]』

*『[[契丹古伝]]』(『神頌叙伝』ともいう)

*『[[契丹古伝]]』(『神頌叙伝』ともいう)

*[[清原文書]]

*[[清原文書]]

*[[九鬼文書|九鬼神伝精史]](いわゆる「[[九鬼文書]])

*[[九鬼文書|九鬼神伝精史]](いわゆる「[[九鬼文書]])

*[[久米文書]]

*[[久米文書]]

*『[[香山宝巻]]』(これを古史古伝に加えるのは異論もあるが本項の中では吾郷の判定に従う)

*『[[香山変文類]]』

*『[[香山宝巻]]』

*『[[古事記]]』

*『[[古語拾遺]]』

*『[[新撰姓氏録]]』

*『[[神伝上代天皇紀]]』

*『[[神伝上代天皇紀]]』

*『[[神道原典]]』(しんとうげんてん)

*『[[神道原典]]』(しんとうげんてん)

*「[[竹内文書|竹内太古史]]」(いわゆる「竹内文献」。「天津教文書」「磯原文書」ともいう)

*『[[山海経]]』

*『[[前々太平記]]』

*『[[先代旧事本紀]]』(旧事紀十巻本)

**『[[先代旧事本紀大成経]]』(旧事紀の異本・七十二巻本)

**『[[白河本旧事紀]]』(旧事紀の異本・三十巻本)

**『[[大成経鷦鷯伝]]』(旧事紀の異本・三十一巻本)

*『[[竹内文書|竹内太古史]]』(いわゆる「竹内文献」。「天津教文書」「磯原文書」ともいう)

*『[[但馬故事記]]』(たじまこじき。「但馬国司文書」ともいう)

*『[[但馬故事記]]』(たじまこじき。「但馬国司文書」ともいう)

*檀君系文書群

*『[[檀奇古史]]』

*『[[竹書紀年]]』

**『[[檀奇古史]]』

**『[[桓檀古記]]』

**『[[揆園史話]]』

*『[[東日流外三郡誌]]』(つがるそとさんぐんし。「和田家文書」ともいう)

*『[[東日流外三郡誌]]』(つがるそとさんぐんし。「和田家文書」ともいう)

*「[[トートの書]]」

*『[[天書]]』(『天書紀』ともいう)

*『[[の書]]』

*『[[ジャンの書|ドゥジャーンの書]]』

*「[[ナーカル碑文]]([[聖なる霊感の書]])」

*『[[南淵書]]』

*『[[南淵書]]』

*「[[宮下文書|富士高天原朝史]]」(いわゆる「富士谷文書」。「宮下文書」「富士宮下古文献」ともいう)

*『[[日本国総風土記]]』

*『[[宝巻変文類]]』(これを古史古伝に加えるのは異論もあるが本項の中では吾郷の判定に従う)

*『[[宝瓶宮福音書]]』

*ホツマ系文書群([[ヲシテ文献]])

**『[[秀真伝|ホツマツタヱ]]』(※古伝四書として書く場合はタイトル仮名書き)

**『[[三笠紀|ミカサフミ]]』

**『[[フトマニ|カンオシデモトウラツタヱ]]』(神璽基兆伝)

*『[[真清探當證]]』

*「[[松野連系図]]」

*「[[物部文書|物部秘史]]」(いわゆる「物部文書」)

*「[[守矢家文書]]」

*『[[モルモン経]]』


=== 神典 ===

*『[[古事記]]』

*『[[古語拾遺]]』

*『[[新撰姓氏録]]』

*『[[先代旧事本紀]]』(十巻本)

*『[[日本書紀]]』

*『[[日本書紀]]』

*『[[ネクロノミコン]]』

*『[[宮下文書|富士高天原朝史]]』(いわゆる「富士谷文書」。「宮下文書」「富士宮下古文献」ともいう)

*『[[風土記|古風土記]]』

*『[[風土記|古風土記]]』

*『[[宝巻変文類]]』

*『[[封神演義]]』

*『[[穆天子伝]]』

*『[[秀真伝|ホツマツタヱ]]』(※古伝四書として書く場合はタイトル仮名書き)

*『[[真清探當證]]』

*『[[間之統示]]』(まのすべし)

*『[[万葉集]]』

*『[[万葉集]]』

*『[[三笠紀|ミカサフミ]]』

*『[[住吉大社神代記]]』


*『[[物部文書|物部秘史]]』(いわゆる「物部文書」)

=== それ以外 ===

*『[[モルモン経]]』

*『[[山海経]]』

*『[[前々太平記]]』

*『[[天書]]』(『天書紀』ともいう)

*『[[神道五部書]]』

*『[[竹書紀年]]』

*『[[日本総国風土記]]』

*『[[穆天子伝]]』

*『[[封神演義]]』



==脚注==

==脚注==

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==注釈==

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== 参考文献 ==

== 参考文献 ==

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*原田実『『古史古伝』異端の神々』ビイングネットプレス、2006年

*原田実『『古史古伝』異端の神々』ビイングネットプレス、2006年

*田中勝也『異端古代史書の謎』大和書房、1986年。

*田中勝也『異端古代史書の謎』大和書房、1986年。

*歴史読本1988年11月号 特集「消された歴史書「古史古伝」

*別冊[[歴史読本]]編集部編 『「古史古伝」論争』

*別冊[[歴史読本]]編集部編 『「古史古伝」論争』

**(上記の再編復刊)『古史古伝の謎』 ISBN 4404024010

**(上記の再編復刊)『古史古伝の謎』 ISBN 4404024010


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(三)^  |  |  | PHP. www.php.co.jp. 2022624

(四)^ 198811  

(五)^  19805

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  1. ^ ただし由来記・泉達録共に実際に地元(隠岐島・越中)の神社に祀られている地方固有の神々を登場させている。

参考文献[編集]

  • 吾郷清彦 『日本超古代秘史資料』新人物往来社、1976年。
    • (上記の復刊版)『日本超古代秘史研究原典 (愛蔵保存版)』大陸書房 ISBN 440402472X
  • 吾郷清彦 『古事記以前の書』大陸書房、1972年。
  • 藤原明『日本の偽書』ISBN 4166603795
  • 原田実『古史古伝論争とは何だったのか』・新人物往来社『歴史読本』2009年8月号
  • 原田実『『古史古伝』異端の神々』ビイングネットプレス、2006年
  • 田中勝也『異端古代史書の謎』大和書房、1986年。
  • 歴史読本1988年11月号 特集「消された歴史書「古史古伝」
  • 別冊歴史読本編集部編 『「古史古伝」論争』
  • 別冊歴史読本編集部編 『危険な歴史書「古史古伝」―“偽書”と“超古代史”の妖しい魔力に迫る!』 ISBN 4404027540
  • 別冊歴史読本編集部編 『徹底検証 古史古伝と偽書の謎』 ISBN 4404030770
  • 佐治芳彦『古史古伝入門―正史に埋もれた怨念の歴史 (トクマブックス)』徳間書店 新書 - 1988/10 ISBN 4195037557

関連項目[編集]

外部リンク[編集]