成瀬正恭

成瀬 正恭︵なるせ せいきょう、1868年11月 - 1930年︶は、日本の実業家である。十五銀行最後の頭取。法学修士︵コーネル大学︶。

経歴

●香川県木田郡の豪農成瀬岩太郎の次男として生まれる。実家は犬山藩主成瀬氏から分家した子孫。

●1882年 上京。父・岩太郎の紹介によって慶應義塾へ入り、英語を学ぶ。

●1885年 渡米。

●1885年～1887年 イリノイ州シカゴのブライアント・ストラットン商業学校在学

●1887年～1889年 ニューヨーク州イサカのコーネル大学法科︵bachelor of low 法学学士︶在学

●1889年～1890年 同大学院︵master of low 法学修士︶在学

●1890年 帰国。横浜正金銀行入社

●1895年 日本貿易銀行支配人

●1898年 十五銀行支配人

その後副頭取を経て頭取となり、1927年昭和金融恐慌で十五銀行が事実上倒産するまで務めた。社外職も多くこなしており、国際信託会社長・神戸貿易銀行支配人等も兼任した。

親族

●父‥成瀬岩太郎 香川県県会議員

●弟‥成瀬正行 川崎造船所

●長男‥成瀬正一 フランス文学者・九州大学名誉教授

●次男‥成瀬正二 工学者・海軍少将

逸話

●成瀬正恭の別荘が逗子に現存して残っている。その古い門は鹿鳴館から移築されたものであり、黒門と呼ばれている。

著書

●﹃本年の金融と其処置﹄︵成瀬正恭著︶

●﹃海外為替要論﹄︵ゴスシェン著／成瀬正恭訳述︶

参考文献

﹃慶應義塾出身名流列傳﹄︵三田商業研究会、1909年6月︶