「振袖」の版間の差分
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[[ファイル:Kimono2.jpg|サムネイル|振袖を着た[[着物モデル]]([[2003年]])]] |
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[[File:A Japanese woman wearing a Furisode and Japanese traditional garden.jpg|thumb|[[日本庭園]]に佇む振袖を着た女性]] |
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'''振袖'''(ふりそで)は、身頃と[[袖]]との縫いつけ部分を少なくして「振り」を作った袖をもつ[[和服|着物]]<ref name='nag8'>小学館、長崎巌『きものと裂のことば案内』2005年、8-9頁</ref>。現代では若い[[女性]]の、黒[[留袖]]や色留袖、[[訪問着]]に相当する格式の[[礼服|礼装]]である。[[成人式]]、[[結婚式]]の[[花嫁衣装]]<ref name="allhiki" />・参列者<ref>斉藤房江、[http://allabout.co.jp/gm/gc/450879/all/ 結婚式にて未婚の振袖着用は何歳までOKか?]、All About、2016年9月25日閲覧。</ref>双方で着用される機会が多い。 |
'''振袖'''︵ふりそで︶は、身頃と[[袖]]との縫いつけ部分を少なくして﹁振り﹂を作った袖をもつ[[和服|着物]]<ref name='nag8'>小学館、長崎巌﹃きものと裂のことば案内﹄2005年、8-9頁</ref>。現代では若い[[女性]]の、黒[[留袖]]や色留袖、[[訪問着]]に相当する格式の[[礼服|礼装]]である。[[成人式]]、[[結婚式]]の[[花嫁衣装]]<ref name="allhiki" />・参列者<ref>斉藤房江、[https://web.archive.org/web/20160201061325/http://allabout.co.jp/gm/gc/450879/all/ 結婚式にて未婚の振袖着用は何歳までOKか?]、All About、2016年9月25日閲覧。</ref>双方で着用される機会が多い。
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== 特徴 == |
== 特徴 == |
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[[ファイル:Two Women in Kimonos (1915-04 by Elstner Hilton).jpg|サムネイル|[[1915年]]頃の振袖姿。左は[[紋付#種類|五つ紋]]]] |
[[ファイル:Two Women in Kimonos (1915-04 by Elstner Hilton).jpg|サムネイル|[[1915年]]頃の振袖姿。左は[[紋付#種類|五つ紋]]]] |
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現代では未婚女性の第一礼装とされている<ref name="kyozome" />。振袖は、現代では、若い未婚の女性が着用するものと見なされる場合が多いが、本来は着用者が未婚か既婚かが問題ではなく、若い女性用の和服であった<ref name='Royal.F'>主婦と生活社、石橋真理子 別冊[[週刊女性]]編集部 編著﹃ロイヤルファッションへの道﹄1993年、酒井美意子インタビュー157-173頁</ref>。
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現代では未婚女性の第一礼装とされている<ref name="kyozome" />。振袖は、現代では、若い未婚の女性が着用するものと見なされる場合が多いが、本来は着用者が未婚か既婚かが問題ではなく、若い女性用の和服であった<ref name='Royal.F'>主婦と生活社、石橋真理子 別冊[[週刊女性]]編集部 編著﹃ロイヤルファッションへの道﹄1993年、酒井美意子インタビュー、157-173頁</ref>。
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服飾の分類上は、肩山を境に折り返し、体の前後に連なる身頃と[[袖]]をもち、それに[[襟]]と前身の袵︵おくみ、おくび︶を加えた盤領︵たれくび︶式の衣服を広義の[[小袖]]という<ref name="nagasaki">{{Cite journal |和書 |url=http://id.nii.ac.jp/1087/00003229/ |author= 長崎巌|title=青地の婚礼衣裳 : 江戸時代の婚礼衣裳とその伝統の継承 |journal=共立女子大学博物館 年報/ 紀要 |volume=1 |
服飾の分類上は、肩山を境に折り返し、体の前後に連なる身頃と[[袖]]をもち、それに[[襟]]と前身の袵︵おくみ、おくび︶を加えた盤領︵たれくび︶式の衣服を広義の[[小袖]]という<ref name="nagasaki">{{Cite journal |和書 |url=http://id.nii.ac.jp/1087/00003229/ |author= 長崎巌|title=青地の婚礼衣裳 : 江戸時代の婚礼衣裳とその伝統の継承 |journal=共立女子大学博物館 年報/ 紀要 |volume=1 |publisher= |date=2018-03 |pages=21-33 |naid=120006479294 |ref=harv}}</ref>。このうち薄綿を入れた振りのないものを狭義の小袖、薄綿を入れた振りをもつものを振袖という<ref name="nagasaki" />。
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振袖に対し、婚礼の振袖の袖を短く仕立て直したことに由来する着物が[[留袖]]で既婚女性の第一礼装と位置づけられている<ref name="kyozome" />。 |
振袖に対し、婚礼の振袖の袖を短く仕立て直したことに由来する着物が[[留袖]]で既婚女性の第一礼装と位置づけられている<ref name="kyozome" />。 |
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=== 袖丈 === |
=== 袖丈 === |
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振袖は袖丈の長さによって、大振袖、中振袖、小振袖に分けられ、長くなるほど格調が高いとされている<ref name="kyozome">{{Cite web |
振袖は袖丈の長さによって、大振袖、中振袖、小振袖に分けられ、長くなるほど格調が高いとされている<ref name="kyozome">{{Cite web|和書|url=https://www.kyozome.info/iroha_kind.php|title=着物の種類 |publisher=京染卸商組合 |accessdate=2023-01-21}}</ref>。
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振袖を含む長着全体の袖丈の分類では、袖丈50~60cm程度のものを普通袖、75cm程度のものを小振袖、108cm以上のものを大振袖といい<ref name="tanaka" />、中振袖は袖丈が小振袖と大振袖の中間のものをいう<ref name="sayama" />︵袖丈100cm前後︶。なお、振袖と対比される留袖の袖丈は[[鯨尺]]1尺3寸︵49cm︶から1尺6寸5分︵62.5cm︶程度とされている<ref name="sayama" />︵袖丈の長さでは上の普通袖に相当する︶。ただし、これらの基準は一定ではなく鯨尺2尺7寸︵102cm︶以上を大振袖とすることもある<ref name="sayama">{{Cite web |
振袖を含む長着全体の袖丈の分類では、袖丈50~60cm程度のものを普通袖、75cm程度のものを小振袖、108cm以上のものを大振袖といい<ref name="tanaka" />、中振袖は袖丈が小振袖と大振袖の中間のものをいう<ref name="sayama" />︵袖丈100cm前後︶。なお、振袖と対比される留袖の袖丈は[[鯨尺]]1尺3寸︵49cm︶から1尺6寸5分︵62.5cm︶程度とされている<ref name="sayama" />︵袖丈の長さでは上の普通袖に相当する︶。ただし、これらの基準は一定ではなく鯨尺2尺7寸︵102cm︶以上を大振袖とすることもある<ref name="sayama">{{Cite web|和書|url=https://www.city.sayama.saitama.jp/shisei/shisetsu/bunkashisetsu/hakubutsukan/index.files/4090322-4090511haregi.pdf|format-PDF|title=人生の彩り 晴れ着|publisher=狭山市立博物館 |accessdate=2023-01-21}}</ref>。特に鯨尺2尺7寸︵102cm︶から3尺︵113.5cm︶程度のものを本振袖ということもある<ref name="sayama" />。
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着装の例としては、日本の卒業式では小振袖のほか、普通袖や大振袖などの着装がみられる<ref name="tanaka">{{Cite journal |和書 |url=http://id.nii.ac.jp/1087/00002999/ |author1= 田中淑江 |author2= 長谷川紗織 |author3= 大塚絵美子 |author4= 宮武恵子|title=卒業式に見る袴の現代的着装の研究 |journal=共立女子大学家政学部紀要 |volume=61 |
着装の例としては、日本の卒業式では小振袖のほか、普通袖や大振袖などの着装がみられる<ref name="tanaka">{{Cite journal |和書 |url=http://id.nii.ac.jp/1087/00002999/ |author1= 田中淑江 |author2= 長谷川紗織 |author3= 大塚絵美子 |author4= 宮武恵子 |title=卒業式に見る袴の現代的着装の研究1 |journal=共立女子大学家政学部紀要 |volume=61 |publisher= |date=2015-01 |pages=11-47 |id={{CRID|1050001201681350016}} |ref=harv}}</ref>。
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=== 模様 === |
=== 模様 === |
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主な模様形式には、総模様、腰高模様、裾模様、江戸褄模様、褄模様などがある<ref name="takasu">{{Cite journal |和書 |url=https:// |
主な模様形式には、総模様、腰高模様、裾模様、江戸褄模様、褄模様などがある<ref name="takasu">{{Cite journal |和書 |url=https://hdl.handle.net/10367/10776 |author= 髙須奈都子|title=近代の﹁きもの﹂図案にみる吉祥模様としての鶴と連繋するモチーフの変化 : 近代化による価値の遷移の影響 立命館大学アート・リサーチセンターの資料を中心に |journal=立命館大学アート・リサーチセンター紀要 |volume=17 |publisher= 立命館大学アート・リサーチセンター|date=2017-03 |pages=13-28 |naid=120006469359 |doi=10.34382/00007764 |ref=}}</ref>。
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; 総模様 |
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: 「伊達模様」または「被衣模様」ともいう。 |
: 「伊達模様」または「被衣模様」ともいう。 |
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=== 変遷 === |
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[[ファイル:Shunga Arte ed eros in Giappone nel periodo Edo.jpg|サムネイル|{{center|江戸時代の振袖}}]] |
[[ファイル:Shunga Arte ed eros in Giappone nel periodo Edo.jpg|サムネイル|{{center|江戸時代の振袖}}]] |
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振袖の原型ができたのは[[飛鳥時代]]の頃とされている<ref name="miura1">{{Cite web |
振袖の原型ができたのは[[飛鳥時代]]の頃とされている<ref name="miura1">{{Cite web|和書|url=https://allabout.co.jp/gm/gc/436250/|author= 三浦康子|title=成人式の「振袖」は良縁につながるってホント? |publisher=All About |accessdate=2023-01-21|page=1}}</ref>。 |
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近世初期には振袖と留袖の二種が存在したが、現代の振袖と留袖とは相違がある<ref name="roots">{{Cite journal |和書 |url=https://doi.org/10.11419/senshoshi1960.41.275 |author= 鳥居本幸代|title=1.Kimonoのルーツ(1)小袖時代の幕開け |journal=繊維製品消費科学 |volume=41 |issue=2 |publisher= 日本繊維製品消費科学会|date=2000 |pages=275-280 |naid= |ref=}}</ref>。近世初期には、振袖は身八ツ口があり脇の開いたもので「脇明」と称され、留袖は身八ツ口がなく袖は身頃に縫い付けられていたため「脇塞(わきふさぎ)」または「脇つめ」と称された<ref name="roots" />。 |
近世初期には振袖と留袖の二種が存在したが、現代の振袖と留袖とは相違がある<ref name="roots">{{Cite journal |和書 |url=https://doi.org/10.11419/senshoshi1960.41.275 |author= 鳥居本幸代|title=1.Kimonoのルーツ : (1)小袖時代の幕開け |journal=繊維製品消費科学 |volume=41 |issue=2 |publisher= 日本繊維製品消費科学会|date=2000 |pages=275-280 |naid= |ref=}}</ref>。近世初期には、振袖は身八ツ口があり脇の開いたもので﹁脇明﹂と称され、留袖は身八ツ口がなく袖は身頃に縫い付けられていたため﹁脇塞︵わきふさぎ︶﹂または﹁脇つめ﹂と称された<ref name="roots" />。
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[[井原西鶴]]の﹃西鶴俗つれづれ﹄︵[[元禄]]8年︶によれば、振袖は通常、男子は17歳の春、女子は結婚の有無にかかわらず19歳の秋に、袖を短くするとともに脇をふさいだとある{{r|nag8}}。
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[[井原西鶴]]の﹃西鶴俗つれづれ﹄︵[[元禄]]8年︶によれば、振袖は通常、男子は17歳の春、女子は結婚の有無にかかわらず19歳の秋に、袖を短くするとともに脇をふさいだとある{{r|nag8}}。
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古来、布などを振る行為には呪術的な意味があり、神に仕える女性たちは長い布や長い袖を振る魂振り(たまふり)を行ったといわれる<ref name="miura1" />。 |
古来、布などを振る行為には呪術的な意味があり、神に仕える女性たちは長い布や長い袖を振る魂振り(たまふり)を行ったといわれる<ref name="miura1" />。 |
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また、未婚女性が振袖の袖を振る事は、求愛の意思表示として使われることもあったといい<ref>{{Cite web |
また、未婚女性が振袖の袖を振る事は、求愛の意思表示として使われることもあったといい<ref>{{Cite web|和書|url=https://allabout.co.jp/gm/gc/436250/2/ |author= 三浦康子|title=成人式の﹁振袖﹂は良縁につながるってホント? |publisher=All About |accessdate=2023-01-21|page=2}}</ref>、振袖の長い袖を前後に振ると﹁嫌い﹂・左右に振ると﹁好き﹂といった風に用いられた<ref name="miyatake" />。これらは、江戸時代の文献、[[仮名草子]]や[[好色一代男]]などの一節にみられる事から、現代の恋愛事情における﹁振った﹂・﹁振られた﹂の語源は、振袖にあるとされている<ref name="miyatake">{{Cite web|和書|url=https://miyatakekoubou.com/jisho/kigen/|title=振袖の起源から見る振袖の袖が長い理由|accessdate=2021年2月7日|publisher=みやたけ工房}}</ref>。
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== 花嫁衣装(婚礼衣装) == |
== 花嫁衣装(婚礼衣装) == |
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[[結婚式|婚礼]]に用いられる、[[打掛]]のように裾を引いて着用する振袖を{{読み仮名|'''引き振袖'''|ひきふりそで}}という{{r|allhiki}}。{{読み仮名|'''お引き摺り'''|おひきずり}}とも呼ばれる{{r|allhiki}}。
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[[結婚式|婚礼]]に用いられる、[[打掛]]のように裾を引いて着用する振袖を{{読み仮名|'''引き振袖'''|ひきふりそで}}という{{r|allhiki}}。{{読み仮名|'''お引き摺り'''|おひきずり}}とも呼ばれる{{r|allhiki}}。
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元は[[江戸時代]]、[[武家]]階級の女子が婚礼に用いた<ref name="minna">[http://www.mwed.jp/jyuku/categ37/lecture491/ 結婚式︵挙式︶を和装であげたい花嫁のための基礎知識]、[[みんなのウェディング]]、2016年9月25日閲覧。</ref>。江戸後期になると武家のほか表封家と呼ばれる富商や富農では白・紅・黒と同じ文様で揃えた華やかな婚礼衣装︵三襲︶がみられる一方、町人文化の中では黒地縮緬に五つ紋付の振袖を婚礼衣装とする風潮が生まれた<ref>{{Cite journal |和書 |url=https://doi.org/10.20582/nfcc.40.0_41 |author= 道前美佐緒|title=婚礼衣裳﹁三襲﹂について |journal=名古屋文化短期大学研究紀要 |volume=40 |
元は[[江戸時代]]、[[武家]]階級の女子が婚礼に用いた<ref name="minna">[http://www.mwed.jp/jyuku/categ37/lecture491/ 結婚式︵挙式︶を和装であげたい花嫁のための基礎知識]、[[みんなのウェディング]]、2016年9月25日閲覧。</ref>。江戸後期になると武家のほか表封家と呼ばれる富商や富農では白・紅・黒と同じ文様で揃えた華やかな婚礼衣装︵三襲︶がみられる一方、町人文化の中では黒地縮緬に五つ紋付の振袖を婚礼衣装とする風潮が生まれた<ref name="dohmae">{{Cite journal |和書 |url=https://doi.org/10.20582/nfcc.40.0_41 |author= 道前美佐緒|title=婚礼衣裳﹁三襲﹂について |journal=名古屋文化短期大学研究紀要 |volume=40 |publisher= |date=2015-03 |pages=41-50 |naid= |ref=}}</ref>。振袖は[[明治]]時代から[[昭和]]時代初めころには富裕な商人層の花嫁衣装として一般的であった{{r|allhiki}}。その後、戦時期になると華やかな﹁三襲﹂は姿を消し、留袖に仕立て直すこともできる黒引き振袖が主流となった<ref name="dohmae" />。
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黒地の引き振袖は最も格が高いとされ、[[神前結婚式|神前式]]の挙式でも着用できるのは黒地のもののみとなる<ref name="allhanayome">小野美保子、[https://allabout.co.jp/gm/gc/221064/ 意外と知らない花嫁和装の常識]、All About、pp.1-3、2016年9月25日閲覧。</ref>。その他の色を地色に用いた振袖は[[結婚披露宴|披露宴]]などでの着用が推奨される{{r|allhanayome}}。
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[[鼠色]]や[[紫]]色は{{読み仮名|忌色|いみいろ、いみじき}}として地色には用いないとされていた{{r|bunka1955}}。
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[[鼠色]]や[[紫]]色は{{読み仮名|忌色|いみいろ、いみじき}}として地色には用いないとされていた{{r|bunka1955}}。
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== 慣用句 == |
== 慣用句 == |
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;{{読み仮名|三十振袖|さんじゅうふりそで}}:30歳になっても振袖を着る意から、年輩の女性が年齢不相応の若い服装、化粧などをすること。また、若作りをする意から年増の[[芸者]]などをあざけっていう。
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; {{読み仮名|三十振袖|さんじゅうふりそで}}:30歳になっても振袖を着る意から、年輩の女性が年齢不相応の若い服装、化粧などをすること。また、若作りをする意から年増の[[芸者]]などをあざけっていう。
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== 脚注 == |
== 脚注 == |
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== 外部サイト == |
== 外部サイト == |
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{{Commonscat|Furisode}} |
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* [https://myfurisode.com/site/index-furisode 成人式の振袖を購入・レンタルする際の注意点] |
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* [https://www.furisode.gr.jp/ 2010年(平成22年)からの主要都市成人式会場スナップ写真レポート] |
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2024年5月26日 (日) 04:23時点における最新版
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/b/b5/A_Japanese_woman_wearing_a_Furisode_and_Japanese_traditional_garden.jpg/220px-A_Japanese_woman_wearing_a_Furisode_and_Japanese_traditional_garden.jpg)
特徴[編集]
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/e/eb/Two_Women_in_Kimonos_%281915-04_by_Elstner_Hilton%29.jpg/220px-Two_Women_in_Kimonos_%281915-04_by_Elstner_Hilton%29.jpg)
袖丈[編集]
振袖は袖丈の長さによって、大振袖、中振袖、小振袖に分けられ、長くなるほど格調が高いとされている[4]。 振袖を含む長着全体の袖丈の分類では、袖丈50~60cm程度のものを普通袖、75cm程度のものを小振袖、108cm以上のものを大振袖といい[7]、中振袖は袖丈が小振袖と大振袖の中間のものをいう[8]︵袖丈100cm前後︶。なお、振袖と対比される留袖の袖丈は鯨尺1尺3寸︵49cm︶から1尺6寸5分︵62.5cm︶程度とされている[8]︵袖丈の長さでは上の普通袖に相当する︶。ただし、これらの基準は一定ではなく鯨尺2尺7寸︵102cm︶以上を大振袖とすることもある[8]。特に鯨尺2尺7寸︵102cm︶から3尺︵113.5cm︶程度のものを本振袖ということもある[8]。 着装の例としては、日本の卒業式では小振袖のほか、普通袖や大振袖などの着装がみられる[7]。模様[編集]
主な模様形式には、総模様、腰高模様、裾模様、江戸褄模様、褄模様などがある[9]。![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/7/75/Wafrica-II_Mouangue.jpg/220px-Wafrica-II_Mouangue.jpg)
歴史[編集]
変遷[編集]
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/2/28/Shunga_Arte_ed_eros_in_Giappone_nel_periodo_Edo.jpg/220px-Shunga_Arte_ed_eros_in_Giappone_nel_periodo_Edo.jpg)
魂振り[編集]
古来、布などを振る行為には呪術的な意味があり、神に仕える女性たちは長い布や長い袖を振る魂振り︵たまふり︶を行ったといわれる[11]。 また、未婚女性が振袖の袖を振る事は、求愛の意思表示として使われることもあったといい[13]、振袖の長い袖を前後に振ると﹁嫌い﹂・左右に振ると﹁好き﹂といった風に用いられた[14]。これらは、江戸時代の文献、仮名草子や好色一代男などの一節にみられる事から、現代の恋愛事情における﹁振った﹂・﹁振られた﹂の語源は、振袖にあるとされている[14]。花嫁衣装︵婚礼衣装︶[編集]
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/f/fb/Wedding_photo_in_Japan_1889.jpg/220px-Wedding_photo_in_Japan_1889.jpg)
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/3/39/Wedding_photo_in_Japan_1938.jpg/220px-Wedding_photo_in_Japan_1938.jpg)
慣用句[編集]
脚注[編集]
注釈出典
関連項目[編集]
- 明暦の大火 - 振袖火事とも呼ばれる。同項目の本妙寺失火説を参照
- 遊女 - 遊郭では
禿 ()から新造に出てはいるが、まだ水揚げが済んでいない若い遊女を「振袖新造」と呼んでいた。 - 羽織#振袖の羽織
- 留袖
- 和服
- 成人式