コンテンツにスキップ

「本居豊穎」の版間の差分

リンクを追加
出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』
履歴の双方向閲覧
← 古い編集
削除された内容 追加された内容
ビジュアルウィキテキスト
編集の要約なし
 
(4人の利用者による、間の7版が非表示)
1行目: 1行目:

{{脚注の不足|date=2016年9月}}

{{脚注の不足|date=2016年9月}}

{{Infobox 学者

[[File:Toyokai Motori.jpg|thumb|本居豊穎]]

| name = 本居 豊穎
⚫

'''本居 豊穎'''︵もとおり とよかい、[[天保]]5年[[4月28日 (旧暦)|4月28日]]︵[[1834年]][[6月5日]]︶<ref>生年は天保9年︵[[1838年]]︶説もある。</ref> - [[大正]]2年︵[[1913年]]︶[[2月15日]]<ref>﹃官報﹄第164号、大正2年2月18日。</ref>︶は、[[明治]]期に活躍した[[国学者]]。[[本居宣長]]の義理の曾孫にあたる。幼名稲楠、通称中衛、和号秋屋{{sfn|山崎|64項}}。

| image = Toyokai Motori.jpg

| image_size =

| caption =

| birth_date = {{birth date|1834|6|5}}

| birth_place = {{JPN}}[[和歌山県]]

| death_date = {{death date and age|1913|2|15|1834|6|59}}

| death_place =

| othername =

|main_interests = [[国学]]

|alma_mater = <!--母校-->

|workplaces = [[古学館]]・[[教部省]]

|degree = [[文学博士]]

| URL =

| yearsactive =

| spouse =

| children =

}}
⚫

'''本居 豊穎'''︵もとおり とよかい、[[天保]]5年[[4月28日 (旧暦)|4月28日]]︵[[1834年]][[6月5日]]︶<ref>生年は天保9年︵[[1838年]]︶説もある。</ref> - [[大正]]2年︵[[1913年]]︶[[2月15日]]<ref>﹃官報﹄第164号、大正2年2月18日。</ref>︶は、[[明治]]期に活躍した[[国学者]]。[[本居宣長]]の義理の曾孫にあたる。幼名稲楠、通称中衛、和号秋屋{{sfn|山崎|1920|p=64}}。


==経歴==

==経歴==

父は[[本居内遠]]、母は藤子。紀州和歌山に生まれる。弟に歌人・音楽家の[[荒巻利蔭]]、陸軍大佐の[[徳田正稔]]がいる。父が亡くなった後は、母の教導を得て家学を修め、紀州藩が江戸に設置した藩校[[古学館]]の教授となる。

父は[[本居内遠]]、母は藤子。紀州[[和歌山県|和歌山]]に生まれる。父が亡くなった後は、母の教導を得て家学を修め、[[紀州藩]]が江戸に設置した藩校[[古学館]]の教授となる。



[[明治維新]]後はその家系を重んぜられて、[[神祇官]]に出仕した。[[教部省]]において神道[[大教正]]に進んだほか、国学者として[[東京大学|東京帝国大学]]・[[國學院]]・[[東京女子高等師範学校]]などに講師として招かれた{{sfn|山崎|64項}}。[[大正天皇]]の皇太子時代には東宮[[侍講]]を勤め{{sfn|山崎|64項}}、[[御歌所]]寄人・1906年には[[帝国学士院]]会員ともなる。また国学・[[和歌]]の興隆を願って大八洲学会を主宰した。明治24年︵[[1891年]]︶に[[三条実美]]が死去した際に葬儀斎主を務めた<ref>﹃官報﹄第2291号、明治24年2月21日。</ref>。明治42年︵[[1909年]]︶、業績により[[文学博士]]号を授与される。大正2年︵1913年︶2月15日に[[脳溢血]]のため死去<ref>[[服部敏良]]﹃事典有名人の死亡診断 近代編﹄︵吉川弘文館、2010年︶309頁</ref>。

[[明治維新]]後はその家系を重んぜられて、[[神祇官]]に出仕した。[[教部省]]において神道[[大教正]]に進んだほか、国学者として[[東京大学|東京帝国大学]]・[[國學院]]・[[東京女子高等師範学校]]などに講師として招かれた{{sfn|山崎|1920|p=64}}。[[大正天皇]]の皇太子時代には東宮[[侍講]]を勤め{{sfn|山崎|1920|p=64}}、[[御歌所]]寄人・1906年には[[帝国学士院]]会員ともなる。また国学・[[和歌]]の興隆を願って大八洲学会を主宰した。明治24年︵[[1891年]]︶に[[三条実美]]が死去した際に葬儀斎主を務めた<ref>﹃官報﹄第2291号、明治24年2月21日。</ref>。明治42年︵[[1909年]]︶、業績により[[文学博士]]号を授与される。大正2年︵1913年︶2月15日に[[脳溢血]]のため死去<ref>[[服部敏良]]﹃事典有名人の死亡診断 近代編﹄︵吉川弘文館、2010年︶309頁</ref>。

⚫

男子に恵まれず、同じ国学者の[[松野勇雄]]を婿養子に迎えたが、娘の死後、松野は本居家を去り、残された孫の[[本居長世|長世]]を後嗣とした。


== 栄典 ==

== 栄典 ==
14行目: 30行目:

* [[1901年]]（明治34年）[[7月20日]] - [[従四位]]<ref>『官報』第5415号「叙任及辞令」1901年7月22日。</ref>

* [[1901年]]（明治34年）[[7月20日]] - [[従四位]]<ref>『官報』第5415号「叙任及辞令」1901年7月22日。</ref>

* [[1906年]]（明治39年）[[7月30日]] - [[正四位]]<ref>『官報』第6926号「叙任及辞令」1906年7月31日。</ref>

* [[1906年]]（明治39年）[[7月30日]] - [[正四位]]<ref>『官報』第6926号「叙任及辞令」1906年7月31日。</ref>

* [[1913年]]（大正2年）[[2月15日]] - [[正三位]]<ref>『官報』第163号「叙任及辞令」1913年2月17日。</ref>

* [[1913年]]（大正2年）[[2月15日]] - [[正三位]]<ref name="#1">『官報』第163号「叙任及辞令」1913年2月17日。</ref>


;勲章

;勲章

* [[1913年]]（大正2年）[[2月15日]] - [[旭日章|旭日重光章]]<ref>『官報』第163号「叙任及辞令」1913年2月17日。</ref>

* [[1913年]]（大正2年）[[2月15日]] - [[旭日章|旭日重光章]]<ref name="#1"/>

==家族・親族==
⚫

男子に恵まれず、同じ国学者の[[松野勇雄]]を婿養子に迎えたが、まもなく同家を去った。その後、国学者である雨宮干信︵ゆきのぶ︶を迎え、干信と娘並子の間に長世が誕生したが、長世が1歳のときに並子が他界した。並子の死後、干信は本居家に馴染めずやむなく同家を去り、 豊穎は残された孫の[[本居長世|長世]]を後嗣とした。

*父：[[本居内遠]]

*弟：[[荒巻利蔭]]は歌人・音楽家。

*弟：[[徳田正稔]]は陸軍大佐。


== 著書 ==

== 著書 ==
37行目: 59行目:


==参考文献==

==参考文献==

* {{Cite book|和書|author=山崎伝之助|year=1920|title=和歌山県人材録 前編|publisher=和歌山日日新聞社印刷部|isbn=|ref=harv}}

* {{Cite book|和書|author=山崎伝之助|year=1920|title=和歌山県人材録 前編|publisher=和歌山日日新聞社印刷部|isbn=|ref={{SfnRef|山崎|1920}}}}


{{Normdaten}}

{{Normdaten}}
46行目: 68行目:

[[Category:日本の宮内省関係者]]

[[Category:日本の宮内省関係者]]

[[Category:東京大学の教員]]

[[Category:東京大学の教員]]

[[Category:お茶の水女子大学の教員]]

[[Category:東京女子高等師範学校の教員]]

[[Category:本居家|とよかい]]

[[Category:本居家|とよかい]]

[[Category:幕末紀州藩の人物]]

[[Category:幕末紀州藩の人物]]

2024年2月3日 (土) 08:19時点における最新版

本居 豊穎
人物情報
生誕 (1834-06-05) 1834年6月5日
日本の旗 日本和歌山県
死没 1913年2月15日(1913-02-15)（78歳没）
学問
研究分野 国学
研究機関 古学館・教部省
学位 文学博士
テンプレートを表示

本居 豊穎︵もとおり とよかい、天保5年4月28日︵1834年6月5日︶[1] - 大正2年︵1913年︶2月15日[2]︶は、明治期に活躍した国学者。本居宣長の義理の曾孫にあたる。幼名稲楠、通称中衛、和号秋屋[3]。

経歴[編集]


父は本居内遠、母は藤子。紀州和歌山に生まれる。父が亡くなった後は、母の教導を得て家学を修め、紀州藩が江戸に設置した藩校古学館の教授となる。

明治維新後はその家系を重んぜられて、神祇官に出仕した。教部省において神道大教正に進んだほか、国学者として東京帝国大学・國學院・東京女子高等師範学校などに講師として招かれた[3]。大正天皇の皇太子時代には東宮侍講を勤め[3]、御歌所寄人・1906年には帝国学士院会員ともなる。また国学・和歌の興隆を願って大八洲学会を主宰した。明治24年︵1891年︶に三条実美が死去した際に葬儀斎主を務めた[4]。明治42年︵1909年︶、業績により文学博士号を授与される。大正2年︵1913年︶2月15日に脳溢血のため死去[5]。

栄典[編集]


位階
●1901年︵明治34年︶7月20日 - 従四位[6]
●1906年︵明治39年︶7月30日 - 正四位[7]
●1913年︵大正2年︶2月15日 - 正三位[8]
勲章
●1913年︵大正2年︶2月15日 - 旭日重光章[8]

家族・親族[編集]


男子に恵まれず、同じ国学者の松野勇雄を婿養子に迎えたが、まもなく同家を去った。その後、国学者である雨宮干信︵ゆきのぶ︶を迎え、干信と娘並子の間に長世が誕生したが、長世が1歳のときに並子が他界した。並子の死後、干信は本居家に馴染めずやむなく同家を去り、 豊穎は残された孫の長世を後嗣とした。

●父‥本居内遠
●弟‥荒巻利蔭は歌人・音楽家。
●弟‥徳田正稔は陸軍大佐。

著書[編集]


豊穎の著書には、﹃古今和歌集﹄の注釈たる﹃打聴鶯蛙集﹄﹃古今集講義﹄、歌集﹃秋屋集﹄﹃秋屋集拾遺﹄、祭詞集﹃諄辞集﹄などがある。

●﹃大八洲歌集﹄大八洲学会、1888年。
●﹃古今和歌集講義﹄大八洲学会、1887年-1889年。
●﹃車の直路﹄大八洲学会、1890年。
●﹃諄辞集﹄会通社、1895年。
●﹃本居雑考﹄好古社、1904年。
●﹃秋屋集﹄1902年-1904年。
●﹃玉鉾集﹄稽照館、1892年-1906年。
●﹃紫文摘英﹄日高有倫堂、1906年6。
●﹃教育の淵源﹄金港堂、1911年。
●﹃校定古事記﹄井上頼圀、上田万年共編、皇典講究所、1911年。

脚注[編集]



(一)^ 生年は天保9年︵1838年︶説もある。

(二)^ ﹃官報﹄第164号、大正2年2月18日。

(三)^ abc山崎 1920, p. 64.

(四)^ ﹃官報﹄第2291号、明治24年2月21日。

(五)^ 服部敏良﹃事典有名人の死亡診断 近代編﹄︵吉川弘文館、2010年︶309頁

(六)^ ﹃官報﹄第5415号﹁叙任及辞令﹂1901年7月22日。

(七)^ ﹃官報﹄第6926号﹁叙任及辞令﹂1906年7月31日。

(八)^ ab﹃官報﹄第163号﹁叙任及辞令﹂1913年2月17日。

参考文献[編集]


●山崎伝之助﹃和歌山県人材録 前編﹄和歌山日日新聞社印刷部、1920年。 
「https://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=本居豊穎&oldid=99101680」から取得