松下政経塾
表示
松下政経塾︵まつしたせいけいじゅく、The Matsushita Institute of Government and Management︶は、松下電器産業の創業者である松下幸之助が、政財界の指導者を養成するために私財を投じて創設した私塾である。
法的には財団法人格を持ち、学校の扱いではない。又、長州の松下村塾︵しょうかそんじゅく︶に因んだネーミングと思われ易いが、松下の読みは﹁しょうか﹂ではなく﹁まつした﹂となっており、松下村塾とは異なる由来である。所在地は神奈川県茅ヶ崎市汐見台5番25号。
特徴
カリキュラム
修業年限は最長3年間︵かつては最長5年だったが、財政難により短縮︶。全寮制で、在籍中は月額20万円前後の研修資金が支給される。
●各界講師の講義、卒業生による講話といった講義
●早朝マラソン
●伊勢神宮への参拝
●書道、剣道、儒教講話など日本の文化や精神の学習
●英語、中国語などの語学研修
●製造業、営林活動の体験
●自衛隊への体験入隊
なお、2年目3年目では、三浦半島100kmを一日で一周する体力の限界への挑戦など、独特のカリキュラムが立てられている。
進路
卒業生の約半数は、国会や地方議会などの政界で、政治家や議員秘書として活動している。約30%は、企業の役員や起業家として財界で活動し、残り20%は大学などの学界や報道界などで活動している。公式サイトに、そのあらましと具体的な所属先の一覧がある。
出身政治家
総じて保守派・現実主義路線の政治家が多く、関連会社PHP研究所の総合論壇誌﹁Voice﹂と同じ傾向となっている。一部にはリベラル派・理想主義路線の者もいる。近年は、松下政経塾出身の国会議員が自民党・民主党ともに急増しており、一大勢力となりつつあるといえる。
彼等の共通特徴としは若くて政策通であり、冷静な判断力や力強い行動力が挙げられる。また、愛国精神を隠そうとせず、憲法改正や構造改革等の従来敬遠されていた難題にも臆せず踏み込んでいくスタイルもある。
ただ、近年は選挙に勝つための塾に成り下がったとの批判も出ている。
2004年の第二次小泉改造内閣において、第5期生で自由民主党の伊藤達也が金融政策担当の内閣府特命担当大臣として同塾出身者で初入閣し、2005年には第8期生の前原誠司が民主党代表に就任した。
現在、同塾出身者の政治家は衆議院議員28名、参議院議員2名、都議会議員15名、市区町村議会議員13名、知事2名、市長・区長6名である。
主な卒塾生
- 逢沢一郎 - 1期生(岡山1区選出)
- 小野晋也 - 1期生(愛媛3区選出)
- 鈴木淳司 - 3期生(愛知7区選出)
- 高市早苗 - 5期生(奈良2区選出)
- 伊藤達也 - 5期生(東京22区選出)
- 河井克行 - 6期生(広島3区選出)
- 赤池誠章 - 7期生(南関東ブロック選出)
- 秋葉賢也 - 9期生(宮城2区選出)
- 松野博一 - 9期生(千葉3区選出)
- 坂井学 - 10期生(神奈川5区選出)
- 小野寺五典 - 11期生(宮城6区選出)
- 山本朋広 - 21期生(近畿ブロック選出)
- 川条志嘉 - 24期生(大阪2区選出)
- 野田佳彦 - 1期生(千葉4区選出)
- 長浜博行 - 2期生(南関東ブロック選出)
- 松原仁 - 2期生(東京ブロック選出)
- 笹木竜三 - 3期生(北陸信越ブロック選出)
- 原口一博 - 4期生(九州ブロック選出)
- 三谷光男 - 4期生(中国ブロック選出)
- 武正公一 - 5期生(埼玉1区選出)
- 前田雄吉 - 5期生(東海ブロック選出)
- 神風英男 - 7期生(北関東ブロック選出)
- 山井和則 - 7期生(京都6区選出)
- 玄葉光一郎 - 8期生(福島3区選出)
- 前原誠司 - 8期生(京都2区選出・民主党代表)
- 市村浩一郎 - 9期生(近畿ブロック選出)
- 松本大輔 - 22期生(中国ブロック選出)
- 三日月大造 - 23期生(滋賀3区選出)
- 小林温 - 10期生(神奈川選挙区選出)
- 福山哲郎 - 11期生(京都選挙区選出)
地方首長
- 横尾俊彦 1期生(佐賀県・多久市長)
- 中川暢三 1期生(兵庫県・加西市長)
- 河内山哲朗 2期生(山口県・柳井市長)
- 山田宏 2期生(東京都・杉並区長)
- 松沢成文 3期生(神奈川県・知事)
- 奈良俊幸 6期生(福井県・越前市長)
- 中田宏 10期生(神奈川県・横浜市長)
- 村井嘉浩 13期生(宮城県・知事)
外部へのリンク