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「胎児」の版間の差分

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[[File:Lithopedion 1898.jpg|thumb|{{ill2||en|Lithopedion}}50<ref>{{Cite web |url=https://jp.reuters.com/article/idUSKBN0P2077/ |title=9250 |access-date=2024-01-25 |date=2015-06-22 |website=Reuters |language=ja}}</ref>2]]

'''胎'''(たいじ、fetus)とは、[[生物学]]上は[[胎生]]の動物の母体の中で[[胚]]が[[器官]][[原基]]の分化が完了してから出産までの成長中の子を指す。


''''''fetus[[]][[]][[]][[]][[]][[]]


== 動物の胎子 ==

== 動物の胎子 ==

[[胎生]]の[[動物]]において、母親の体内で成長途上にある[[胚]]を[[獣医学]]では胎子(胎)という。

[[胎生]]の[[動物]]において、母親の体内で成長途上にある[[胚]]を[[獣医学]]では胎子(胎)という。

=== 哺乳類の胎子 ===

=== 哺乳類の胎子 ===

[[哺乳類]]の場合、その多くは、胎が[[子宮]]の中で[[胎盤]](たいばん)および[[臍帯]](さいたい)でつながり[[酸素]]と[[栄養]]の供給を受け、老廃物と[[二酸化炭素]]の排出を母親に任せ成長し出生する。

[[哺乳類]]の場合、その多くは、胎が[[子宮]]の中で[[胎盤]](たいばん)および[[臍帯]](さいたい)でつながり[[酸素]]と[[栄養]]の供給を受け、老廃物と[[二酸化炭素]]の排出を母親に任せ成長し出生する。



哺乳類の多くは胎子が母親の胎内で発育できるよう胎盤の発達が特徴となっており、進化の系統では[[モグラ目|無盲腸目]] (Lipotyphla) 以後のグループを有胎盤類(正獣類、真獣類)という<ref name="sekai20">『世界文化生物大図鑑 動物 改訂新版』世界文化社、2004年、20頁</ref>。

哺乳類の多くは胎子が母親の胎内で発育できるよう胎盤の発達が特徴となっており、進化の系統では[[モグラ目|無盲腸目]] (Lipotyphla) 以後のグループを有胎盤類(正獣類、真獣類)という<ref name="sekai20">『世界文化生物大図鑑 動物 改訂新版』世界文化社、2004年、20頁</ref>。

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==== 哺乳類の進化〜有袋目の動物 ====

==== 哺乳類の進化〜有袋目の動物 ====


漿尿<ref name="sekai39">  200439</ref>[[]]1g<ref>  200417</ref><ref name="sekai39" />

漿尿<ref name="sekai39">  200439</ref>[[]]1<ref>  200417</ref><ref name="sekai39" />


==== 有胎盤類の分化 ====

==== 有胎盤類の分化 ====

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[[ファイル:Da Vinci Studies of Embryos Luc Viatour.jpg|upright|thumb|[[レオナルド・ダ・ヴィンチ]]による胎児と子宮のスケッチ(1510年頃)]]

[[ファイル:Da Vinci Studies of Embryos Luc Viatour.jpg|upright|thumb|[[レオナルド・ダ・ヴィンチ]]による胎児と子宮のスケッチ(1510年頃)]]

ヒトの[[産科学|産科]][[医療]]では妊娠第8週目から胎児、それ以前は胎芽という。胎児は、母親の飲食物、能動喫煙、受動喫煙の影響を受ける。

ヒトの[[産科学|産科]][[医療]]では妊娠第8週目から胎児、それ以前は胎芽という。胎児は、母親の飲食物、能動喫煙、受動喫煙の影響を受ける。


胎児は自分の肺で呼吸していないため、胎児循環と呼ばれる出生後とは異なる血液循環を行っている(詳細は[[循環器#胎児循環]]を参照)。


ヒトの胎児では、進化の名残として一時的に発生するが、他の筋肉との融合・収縮によって出生前に消失する筋肉が特に手足にいくつも存在する<ref>[https://gigazine.net/news/20191004-lizard-like-muscles-found-embryos/ 発達途中の胎児では「トカゲが持つ筋肉」が一時的に発生していることが判明]</ref>。



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=== 私法上の胎児 ===

=== 私法上の胎児 ===

{{main|権利能力|人の始期}}

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<ref name="min">{{Cite web |author=  |url=http://ypir.lib.yamaguchi-u.ac.jp/sc/file/754/20120529152045/SC10010000103.pdf|title=|publisher=|accessdate=2019-03-14}}</ref>

<ref name="min">{{Cite journal||author= |date=1967-03 |url=https://ypir.lib.yamaguchi-u.ac.jp/sc/754 |title= |journal= |ISSN=03875288 |publisher= |volume=10 |issue=1-3 |pages=33-56 |CRID=1050845762540387840 |accessdate=2023-09-12}}</ref>



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[[]][[]]''''''''''''<ref>  ︿11 ︿200212227</ref>
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更に、胎児を登記名義人とする遺贈による登記はすることができるが、[[死因贈与]]に基づく登記をすることはできない。民法に胎児が[[贈与]]を受けることができる旨の規定が存在しないからである。

更に、胎児を登記名義人とする遺贈による登記はすることができるが、[[死因贈与]]に基づく登記をすることはできない。民法に胎児が[[贈与]]を受けることができる旨の規定が存在しないからである。

<!-- [[WP:NOTMANUAL]]との指摘があるため非表示 --><!--

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===== 略語について =====

===== 略語について =====

説明の便宜上、次のとおり略語を用いる。

説明の便宜上、次のとおり略語を用いる。

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'''登録免許税'''(登記規則189条1項前段)は不動産1個につき1,000円を納付するが、同一の申請書で20個以上の不動産につき抹消登記を申請する場合は2万円である(登録免許税法別表第1-1(15))。 -->

'''登録免許税'''(登記規則189条1項前段)は不動産1個につき1,000円を納付するが、同一の申請書で20個以上の不動産につき抹消登記を申請する場合は2万円である(登録免許税法別表第1-1(15))。 -->


==== 刑法 ====

==== 刑法 ====

{{main|人の始期|堕胎罪|人工妊娠中絶}}

{{main|人の始期|堕胎罪|人工妊娠中絶}}

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==== 死亡した胎児の扱い ====

==== 死亡した胎児の扱い ====

{{main|死産}}

{{main|死産}}

妊娠満12週以降における死児(死亡した胎児)の出産を[[死産]]といい、人工妊娠中絶による場合もこれに含まれる。死産の届出は原則として父母が7日以内に市町村長に届け出る義務を負う。死産の場合、医師又は助産師は死産証書又は死胎検案書を作成する義務がある<ref>[https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=321M30000100042 死産の届出に関する規程]</ref>。

妊娠満12週以降における死児(死亡した胎児)の出産を[[死産]]といい、人工妊娠中絶による場合もこれに含まれる。死産の届出は原則として父母が7日以内に市町村長に届け出る義務を負う。死産の場合、医師又は助産師は死産証書又は死胎検案書を作成する義務がある<ref>[https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=321M30000100042 死産の届出に関する規程]</ref>。



== 脚注 ==

== 脚注 ==

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=== 出典 ===

{{Reflist}}

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*東京法務局不動産登記研究会編 『不動産登記のQ&A150選』 [[日本法令]]、1999年、ISBN 978-4539716519

*東京法務局不動産登記研究会編 『不動産登記のQ&A150選』 [[日本法令]]、1999年、ISBN 978-4539716519

*藤谷定勝監修 山田一雄編 『新不動産登記法一発即答800問』 [[日本加除出版]]、2007年、ISBN 978-4-8178-3758-5

*藤谷定勝監修 山田一雄編 『新不動産登記法一発即答800問』 [[日本加除出版]]、2007年、ISBN 978-4-8178-3758-5

*法務局 「[http://www.moj.go.jp/MINJI/MINJI79/minji79-02-05.pdf 不動産を法定相続分のとおりに相続した場合の申請書の書式(オンライン庁)]」 [http://www.moj.go.jp/ 法務省] (PDFファイル)

*法務局 「{{PDFlink|[https://www.moj.go.jp/MINJI/MINJI79/minji79-02-05.pdf 不動産を法定相続分のとおりに相続した場合の申請書の書式(オンライン庁)]}}」 [https://www.moj.go.jp/ 法務省]

*佐久間修『刑法各論』(2006年、成文堂)

*佐久間修『刑法各論』(2006年、成文堂)



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2024年1月25日 (木) 07:50時点における最新版

胎児

子宮内の胎児(妊娠5〜6ヶ月頃)

ラテン語 fetus
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胎児が死んだあと、体の防衛反応で石灰化した石児英語版。この状態で50年ほど母体に存在した事例がある[1]。写真の石児は2年経過後に母体から摘出。

fetus

動物の胎子

[編集]

胎生動物において、母親の体内で成長途上にある獣医学では胎子(胎仔)という。

哺乳類の胎子

[編集]



 (Lipotyphla) [2]

哺乳類の出現〜単孔目の動物

[編集]

哺乳類のうち現生のもので最も原始的な形態を残す単孔目の動物は胎生ではなく卵生である(乳腺から分泌する乳により育てる哺乳類の特徴は有している)[2]

哺乳類の進化〜有袋目の動物

[編集]

漿尿[3]1[4][3]

有胎盤類の分化

[編集]

[2][5][3][3]

ヒトの胎児

[編集]
レオナルド・ダ・ヴィンチによる胎児と子宮のスケッチ(1510年頃)

8

#

[6]

胎児と法律

[編集]

私法上の胎児

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[7]

[8]

一般主義(一般的保護)

[編集]

Nasciturus pro iam nato habeturquotiens dc commodis eius agiturcurator vcntris[7][7]

個別主義(個別的保護)

[編集]

ドイツ民法、フランス民法、イギリス法は個別的保護の立法である[7]

日本における胎児

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民法

[編集]

31


721

886

965

783 - 787

[9]

[10][11]

不動産登記法

[編集]

88619653110191406296151188

36220903660-203


刑法

[編集]



212-2162152


母体保護法

[編集]
この胎児の母(44歳)は、妊娠中に子宮頸部上皮内癌(子宮ガンの初期状態)と診断され、母体を守るため子宮全摘出を余儀なくされた。写真はそのとき摘出された胎児(妊娠10週目)。

2143514

14
1 
1 

2 

2 

死亡した胎児の扱い

[編集]

127[12]

脚注

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出典

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(一)^ 9250. Reuters (2015622). 2024125

(二)^ abc  200420

(三)^ abcd  200439

(四)^   200417

(五)^   200412

(六)^ 

(七)^ abcd101-31967333-56CRID 1050845762540387840ISSN 038752882023912 

(八)^   ︿11 ︿200212227

(九)^ 7106112023

(十)^  521965

(11)^ I 262

(12)^ 

参考文献

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  • 我妻栄著『新訂 民法総則』52頁、岩波書店、1965年
  • 加藤雅信著『新民法体系I 民法総則(第2版)』 有斐閣、2005年
  • 香川保一編著 『新不動産登記書式解説(一)』 テイハン、2006年、ISBN 978-4860960230
  • 香川保一編著 『新不動産登記書式解説(二)』 テイハン、2006年、ISBN 978-4860960315
  • 「カウンター相談-71 不動産の所有者が日本国籍を有しない者の胎児を認知した後に死亡した場合に胎児のためにする相続登記について」『登記研究』582号、テイハン、1996年、181頁
  • 「カウンター相談-91 相続を原因とする抵当権設定仮登記の移転登記の方法」『登記研究』603号、テイハン、1998年、73頁
  • 「カウンター相談-146 胎児の出生前に作成した特別受益証明書を添付してする相続登記の適否について」『登記研究』660号、テイハン、2003年、203頁
  • 「質疑応答-7597 被相続人が日本国籍を有しない者の胎児を認知していた場合の相続の登記について」『登記研究』591号、テイハン、1997年、213頁
  • 東京法務局不動産登記研究会編 『不動産登記のQ&A150選』 日本法令、1999年、ISBN 978-4539716519
  • 藤谷定勝監修 山田一雄編 『新不動産登記法一発即答800問』 日本加除出版、2007年、ISBN 978-4-8178-3758-5
  • 法務局 「不動産を法定相続分のとおりに相続した場合の申請書の書式(オンライン庁) (PDF)法務省
  • 佐久間修『刑法各論』(2006年、成文堂)

関連項目

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