M. Weitz「美学における理論の役割」
モリス・ワイツ﹁美学における理論の役割﹂︵Morris Weitz, "The Role of Theory in Aesthetics," 1956︶を全訳したので売ります。
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ウィトゲンシュタインの家族的類似の考えを﹁芸術﹂概念に適用して、芸術の定義不可能性を主張した古典的論文です。分析美学の芸術定義論は、この論文から始まるといっても過言ではありません。たとえば、ジョージ・ディッキーによる有名な芸術の制度説は、アーサー・ダントーの﹁アートワールド﹂概念などにヒントを得ながら、ワイツの定義不可能性の議論に応答する試みです。
ダントーとディッキーの論文の邦訳は、西村清和編﹃分析美学基本論文集﹄︵勁草書房︶に収録されているので、あわせて読むといいかもしれません。またロバート・ステッカー﹃分析美学入門﹄では、第5章が芸術の定義論の話になっています。
論文の内容は、おおまかに以下の3つに分けられます。
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論文の内容は、おおまかに以下の3つに分けられます。
1. 伝統的な芸術の定義
既存の芸術理論︵芸術の定義︶が5つ紹介されたうえで、それらが定義として不十分であることが論じられます。よくある伝統的な芸術の定義のバリエーションとその不十分さを把握できます。2. 芸術の定義不可能性
﹁ゲーム﹂概念を範例にしたウィトゲンシュタインの有名な﹁家族的類似﹂の考えが紹介され、﹁開かれた概念﹂︵open concept︶が定義されたあと、それが芸術に具体的に適用されます。そこでは、芸術がいかに必要十分条件で定義できないものであるかが、芸術の下位概念︵小説、絵画、悲劇など︶を例に論じられます。 ここの話は、﹁ゲーム﹂や﹁芸術﹂にかぎらず、およそ文化的なものを定義しようとするときには必ずかかわるものだろうと思います。3. 芸術理論の役割
最後に、必要十分条件を言えないものについて必要十分条件を言おうとするという意味で﹁論理的には無益な﹂ことであるにもかかわらず、芸術理論は一定の役割を持つということが示されます。﹁芸術﹂概念の記述的な用法と評価的な用法が区別されたうえで、理論が実際にどのような意義を持つのかが論じられます。 上記の定義不可能性の主張のほうがよく知られていますが、この論文の面白いところは、むしろこの後半部分だと思います。データ
原典: Morris Weitz, “The Role of Theory in Aesthetics,” The Journal of Aesthetics and Art Criticism 15 (1956): 27–35. 訳者: 松永伸司 最新バージョン: 2.0︵2016.02.12︶ ファイル形式: PDF ファイルサイズ: 1.32MB 分量: A4判20ページ︵17,924字︶ なお、この翻訳は、いわゆる翻訳権の10年留保にもとづいたものです︵旧著作権法第7条および現行著作権法附則第8条︶。履歴
2015.05.19 バージョン1.0 2016.02.12 バージョン2.0︵noteで買える最新︶ 2016.09.30 ﹃フィルカル﹄1(2)にバージョン3.0が掲載されました。この版はnoteでは買えません。 2021.10.08 Googleドライブの仕様変更に伴い、ファイルのURLを更新しました。購入いただくと、以下に閲覧・ダウンロード用のリンクが表示されます︵旧バージョンを購入いただいたかたは、新たに購入する必要はありません︶。
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