自然権

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自然権(しぜんけん、ius naturale/jus naturale)とは、人間が、社会の仕組みにたよることなく、自然状態(政府ができる以前の状態、法律が制定される以前の状態)の段階より生まれながらに持つ不可譲の権利。人権はその代表的なものとされている。今日の通説では人類の普遍的価値である人間の自由と平等を中心とする基本的人権及びそれを基調とした現代政治理論においてもっとも基本的な概念・原理であるとされている。ただし、その由来については神が個々の人間に付与したとする考えと人間の本性に由来する考えが存在する。

目次

近代以前 [編集]

古代ギリシアにおいて、自然権は自然的正義に基づいて人間本性が持つ権利であると考えられてきた。これに対してキリスト教スコラ哲学においては神から人間本性に与えられたものと解されてきた。ただし、このような近世よりも前の時代においては自然法に関する議論に重きが置かれ、自然権自体に対する関心は決して高くはなかった。しかも、古代中世を通じて、自然権は、客観的に正しい秩序に服すべき人間が持っている自然的義務、にセットになって対応する権利と考えられていた。その場合、人間への自然権付与の前提としてのその自然的義務を課す存在(正義もしくは神)が、自然権に常に伴って想定されていた。それで、人間に、義務を履行しているか否かに無関係に、直接的に無条件に付与するような自然法というものの存在は考えられていなかった(ただし、12世紀教会法学14世紀ノミナリズムに近代的な自然権観念に近い考えが存在していたとする説もある[1])。

近代自然法思想 [編集]

そうした古代的・中世的な思想が大きく転換されたのは、17世紀における社会契約論に関する議論とそれに基づく近代的自然法思想によるところが大きい。

トマス・ホッブズ

トマス・ホッブズ封建社会における特権を中心とした権利観念を転換し、これまで自明の存在であるとされてきた共同体や社会の存在を解体した自然状態を想定した。自然状態において全ての人間は自由で平等な自己保存の権利を持つとして自然権の普遍性を唱えた。その上で自然権が持つ自己保存の性格が時には自己の意志を妨害する外的障害を排除するために他者の生命・身体を脅かす可能性を有し、その結果「万人の万人による闘争状態」を招くとして、理性の推論的帰結としての自然法の存在と各人の自己保存を維持するための社会契約に基づく国家(政府)の必要性を唱えた。これはスコラ哲学による神が自然法に基づいて自然権を付与するという考え方を否認し、法は人間によって創設されるもので自然法もまた自然権から発生したものであるという法概念の転換をももたらした。

また、フーゴー・グローティウスは個々の人間が自己保存についての権利を有するという点ではホッブスに近いものの、同時に自己保存の権利は他者への直接的な加害行為やその自己保存に必要とする財物の奪取を禁止する自然法に拘束されており、その結果として制約された自己保存の権利を自然権と位置づけている。また、自然状態を万人が無主物共有して使用できる状態とし、合意によって特定個人に帰属させる状態を生じさせる人定的な権利を所有権と考えた。

ジョン・ロック

続く、ジョン・ロックは何人も侵すことの出来ない各人固有の権利(right of properties)として「生命(life)」「健康(health)」「自由(liberty)」「財産(possessions)」の4つを掲げて[2]自己保存の中に更に広範な自由の概念や財産権を含み、国家(政府)は社会契約(統治契約)によって成立するもので、国家(政府)が統治契約に背いてその自然権を侵害すれば、国民は抵抗権革命権)によって革命も正当化されるとして自然権の優位性を唱えた。ロックの思想は自然権の社会化をもたらすとともに、資本主義市民社会に理論的正当性を与え、アメリカ独立革命などの市民革命に大きな影響を与えた。

この他に自由権に関して唱えた思想家としてはザミュエル・フォン・プーフェンドルフジャン=ジャック・ルソーなどが挙げられる。また、日本明治初期における自由民権運動で唱えられた天賦人権論も自然権の日本における受容系であると言える。

憲法への採用 [編集]

フランス人権宣言

1817761178911197

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[3]

20 G. E.  


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(一)^ 9

(二)^ John Locke, "Second Treatise of Government" Sect.6

(三)^ :

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  2000ISBN 978-4-335-46017-3

 9 2002ISBN 978-4-335-21039-6

  1998ISBN 978-4-892-42856-2

 32000ISBN 978-4-324-06036-0

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