IPアドレス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索

IPアドレス(アイピーアドレス、 : Internet Protocol address)とは、IPにおいてパケットを送受信する機器を判別するための番号である。

概説[編集]

IPアドレスは、IPでネットワーク上の機器を識別するために指定するネットワーク層における識別用の番号である。データリンク層のMACアドレスを物理アドレスというのに対応して、論理アドレスとも呼ばれる。IPには、IPv4IPv6とがあり、使用するプロトコルの違いにより、IPv4のIPアドレスとIPv6のIPアドレスとがある。狭義では、当初RFC 791でIPを定義した際に、IPが現在のIPv4に当たるもののみであったことから、単にIPアドレスと呼称した場合にはIPv4のIPアドレスを意味することがある。

IPアドレスは、IPv4では32bit、IPv6では128bitの数値である。この数値のうち、MSB(最上位ビット)に近い側をネットワーク部、LSB(最下位ビット)に近い側をホスト部として区別する。ネットワーク部がネットワークを指定し、ホスト部がそのネットワーク内の機器を指定する。ネットワーク部とホスト部の区別にはサブネットマスクを用いる。

表記[編集]

IPv48818432=4

IPv6

IPv4IPIPv6IPv6


[1][2]0-25548×4=32

192.168.0.1




gethostbyname()  inet_aton() IP


3316

192.168.1 (=192.168.0.1)



2224

192.11010049 (=192.168.0.1 (168×256+0) ×256+1=11010049)



32IP

3232235521=192.168.0.1((192×256+168) ×256+0) ×256+1=3232235521)



0x1608

0xC0A80001 (=192.168.0.1)

0xC0.0250.1 (=192.168.0.1 (C0192250168))




RFCRFC 3986 (OS)  : URL

[]


IP5
クラス アドレス範囲 用途(先頭ビットの値)
クラスA 0.0.0.0-127.255.255.255 ネットワークアドレス長は8ビット、ホストアドレス長は24ビット RFC 791で規定。(0-で始まる)
クラスB 128.0.0.0-191.255.255.255 ネットワークアドレス長は16ビット、ホストアドレス長も16ビット RFC 791で規定。(10-で始まる)
クラスC 192.0.0.0-223.255.255.255 ネットワークアドレス長は24ビット、ホストアドレス長は8ビット RFC 791で規定。(110-で始まる)
クラスD 224.0.0.0-239.255.255.255 IPマルチキャスト専用 RFC 1112で規定。(1110-で始まる)
クラスE 240.0.0.0-255.255.255.255 将来の使用のために予約されている。RFC 1112で規定。(1111-で始まる)

クラスAからクラスCまでは、ネットワーク部とホスト部の境界が8ビット単位で区分けされている。クラスAはネットワーク部が短く(8ビット)、ホスト部が長い(24ビット)。すなわち、多くの機器を保有する大組織や多くの顧客を有する大規模なインターネットサービスプロバイダ (ISP) に割り当てるのに適している。クラスCはその逆である。これは、日本の電話番号において東京などの人口が多い地域には03のような短い市外局番が割り当てられ、人口の少ない地域には長い市外局番が割り当てられているのと似ている。クラスAが約1,677万台、クラスBが65,534台、クラスCが254台のホストを接続できる。

しかし、アドレスクラスを用いたIPアドレス割り当てには問題が生じた。ほとんどのネットワーク(たとえばインターネットサービスプロバイダ)ではクラスAでは大きすぎ、クラスCでは小さすぎたため割り当ての要求がクラスBに集中したのである。クラスBの割り当てを受けたネットワークの中には65,534台のホスト(インターネットサービスプロバイダであれば接続ユーザー数)をフルに接続することがまれであるネットワークも存在し、IPアドレスが無駄に消費されることになった。そこで現在ではアドレスクラスを使わず、ネットワーク部とホスト部の境界を8ビット単位に固定せずに細分化する可変長サブネットマスクやCIDR (Classless Inter-Domain Routing) の使用が一般化している。

IPアドレスの割り当て範囲を示すために、IPアドレスの末尾に「/」(スラッシュ)とともにネットワークアドレス長を付記して表すことも多い。IPv4の場合、MSB側からのビット数でネットワークアドレス長を表す。例えば192.168.0.0/24の表記の場合、ネットワーク部はMSBから24ビットで残り8ビットがホスト部となる。アドレスクラスでなく可変長サブネットマスクを使用した場合、ネットワークアドレス長の数字は必ずしも8の倍数にはならないことになる。

CIDR表[編集]

「CIDR」は、「サイダー」と読む。

Classless Inter-Domain Routingを用いることで、192.168.1.0-192.168.1.255という複数のIPアドレスを範囲指定させることができる。活用方法としては、ウィキペディアで行われている広域ブロックといった特定の範囲内のIPアドレスを持つ利用者の読み書きの許可及び拒否などがある。

例えば69.208.0.0を含むIPアドレス群の場合、CIDRと開始アドレス及び終了アドレスの関係は以下のようになる。

CIDR 開始アドレス 終了アドレス 含まれるアドレス数 二進法表記したアドレス数
69.208.0.0/0 0.0.0.0 255.255.255.255 4,294,967,296 ********.********.********.********
69.208.0.0/1 0.0.0.0 127.255.255.255 2,147,483,648 0*******.********.********.********
69.208.0.0/4 64.0.0.0 79.255.255.255 268,435,456 0100****.********.********.********
69.208.0.0/8 69.0.0.0 69.255.255.255 16,777,216 01000101.********.********.********
69.208.0.0/11 69.192.0.0 69.223.255.255 2,097,152 01000101.110*****.********.********
69.208.0.0/12 69.208.0.0 69.223.255.255 1,048,576 01000101.1101****.********.********
69.208.0.0/13 69.208.0.0 69.215.255.255 524,288 01000101.11010***.********.********
69.208.0.0/14 69.208.0.0 69.211.255.255 262,144 01000101.110100**.********.********
69.208.0.0/15 69.208.0.0 69.209.255.255 131,072 01000101.1101000*.********.********
69.208.0.0/16 69.208.0.0 69.208.255.255 65,536 01000101.11010000.********.********
69.208.0.0/17 69.208.0.0 69.208.127.255 32,768 01000101.11010000.0*******.********
69.208.0.0/18 69.208.0.0 69.208.63.255 16,384 01000101.11010000.00******.********
69.208.0.0/19 69.208.0.0 69.208.31.255 8,192 01000101.11010000.000*****.********
69.208.0.0/20 69.208.0.0 69.208.15.255 4,096 01000101.11010000.0000****.********
69.208.0.0/21 69.208.0.0 69.208.7.255 2,048 01000101.11010000.00000***.********
69.208.0.0/22 69.208.0.0 69.208.3.255 1,024 01000101.11010000.000000**.********
69.208.0.0/23 69.208.0.0 69.208.1.255 512 01000101.11010000.0000000*.********
69.208.0.0/24 69.208.0.0 69.208.0.255 256 01000101.11010000.00000000.********
69.208.0.0/25 69.208.0.0 69.208.0.127 128 01000101.11010000.00000000.0*******
69.208.0.0/26 69.208.0.0 69.208.0.63 64 01000101.11010000.00000000.00******
69.208.0.0/27 69.208.0.0 69.208.0.31 32 01000101.11010000.00000000.000*****
69.208.0.0/28 69.208.0.0 69.208.0.15 16 01000101.11010000.00000000.0000****
69.208.0.0/29 69.208.0.0 69.208.0.7 8 01000101.11010000.00000000.00000***
69.208.0.0/30 69.208.0.0 69.208.0.3 4 01000101.11010000.00000000.000000**
69.208.0.0/31 69.208.0.0 69.208.0.1 2 01000101.11010000.00000000.0000000*
69.208.0.0/32 69.208.0.0 69.208.0.0 1 01000101.11010000.00000000.00000000
  • 表の見方の例
    • 69.208.0.0/16は、69.208.0.0から69.208.255.255までの65,536アドレス範囲を含む。
    • 69.208.0.0/24は、69.208.0.0から69.208.0.255までの256アドレス範囲を含む。

スコープ[編集]

通信可能な範囲のことをスコープという。IPアドレスは、それぞれにスコープが決められている。(→一覧

グローバルIPアドレス[編集]

後述するプライベートIPアドレス、リンクローカルアドレス、特殊用途のIPアドレスなどを除いたIPアドレスは「グローバルIPアドレス」と呼び、インターネットの接続用に利用される。そのため、ICANNを頂点とした階層的な委譲関係によって,世界的な管理が行われている。

通常、パソコンやルーターなどをインターネットに接続すると、ISPに割り振られているグローバルIPアドレスの中の1つがパソコンなどに割り当てられる。

プライベートIPアドレス[編集]

プライベートIPアドレス(ローカルIPアドレス)は、プライベートネットワーク(外部から利用できない社内LANなど)のアドレスとして使うことができる。異なるプライベートネットワークを相互接続してルーティングすることも可能である。

プライベートIPアドレスとして、次のアドレス空間が予約されている。ネットワークの規模に応じて、使い分ける必要がある。

クラス 範囲 サブネットマスク アドレス数
クラスA 10.0.0.0-10.255.255.255 255.0.0.0 16,777,216 (16,777,216x1subnet)
クラスB x 16 172.16.0.0-172.31.255.255 255.240.0.0 1,048,576 (65,536x16subnet)
クラスC 192.168.0.0-192.168.255.255 255.255.0.0 65,536 (256x256subnet)

リンクローカルアドレス[編集]


WindowsIPDHCP169.254BIPAPIPALAN使

IP[]


IPIPNAPTIPipfw

IPIP

IPIP

ISP Shared Address[]


20124RFC 6598 (ISP) IP100.64.0.0/10

ISP Shared AddressISP使IPCarrier-Grade NAT (CGN) ISP Shared AddressIP

IPISPIP

ISPIPIP使NTTIPIP (10.0.0.0/8) 使IP (10.0.0.0/8) 使

ISP Shared AddressISPISP Shared Address使ISPIP使

/10ISPISP Shared Address/10

IP[]


使IPv4#

IP[]


IPAPNICJPNICISP (allocation) ISPIP (assignment) ITISPIANARIR (Regional Internet Registry) NIR (National Internet Registry) LIR (Local Internet Registry) [1]

IP1IPISPIPCATVIP1IPPPPADSLFTTHPPPoECATVLANDHCP

DNSVPNIP416IP

IPDHCPLANIPIP

IP[]


IPIPIP

IP[]


TCP/IP IPIPIP

IPWHOISDNSWHOISIPDNSIP

IPISPIPIP

BBSIPIP使IPIP使IP使調IP使IP

[]


IP稿IP

IP稿IP調

IPIP

HPIP使[3][1]使IP[4]

IP[]


IP

IPv4IPv4IPIANA (Internet Assigned Numbers Authority) IPv4201123RIR20114[2][3]

注釈[編集]

  1. ^ : dotted decimal notation
  2. ^ : dot address
  3. ^ ネット上でのつきまとい自体を罰する法律はまだないが、ストーカー規制法や名誉毀損罪などの現行の法律に即して罰せられるケースもある。詳細はサイバーストーカー参照
  4. ^ 用途や理由は様々だが、とあるロボットHPでは特定の人物が同ジャンルを荒らした為、二次被害防止という名目で、被害を受けたとされる当人によりアドレスが追跡暴露された。これによりその人物を監視するという名目で、被害とは無関係の人物によって監視推奨サイトが設立され、結果該当アドレス保持者は本人・他人の区別無く、サイバーストーカーに遭うなどした

脚注[編集]

[ヘルプ]
  1. ^ インターネット用語1分解説 - 割り振り (Allocation)、割り当て (Assignment) とは」『JPNIC News & Views』8巻(2002年1月15日)、日本ネットワークインフォメーションセンター。
  2. ^ Geoff Huston(05-Jun-2012)IPv4 Address Report
  3. ^ IPv4アドレスの在庫枯渇に関して」日本ネットワークインフォメーションセンター(2011年4月15日)。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]