校庭

宮沢賢治




さ霧する白き木柵
幹彫れる桐のいくもと

剥げそめし白きペンキの
木柵に人人は倚り
そのペンキあるいは剥げ
あるものは庭をのぞめり

一鐘のラッパが鳴りて
急ぎ行く港先生
白堊城秋のガラスは
ひらごとにうつろなりけり





 
   1980552151
junk

2011514

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