越ヶ谷の半日

大町桂月




※(二の字点、1-2-22)
愛でましし梅の花をば探る身に
  歌よましめよ菅原の神
 ※(二の字点、1-2-22)鹿
 
雨まじり身を切るごとき寒風も
  物の數かは二人し行けば

 滿※(二の字点、1-2-22)
梅の花にほひ零るゝこの里を
  鶯ならで訪ふ人の無き
 
わけ行けば奧より奧に奧ありて
  果てしも見えぬ梅の花園
滿
 沿
 西※(二の字点、1-2-22)
幾千代の雪を凌ぎて梅の花
  我大君の御世にあらはる
 
 






底本:「桂月全集 第二卷 紀行一」興文社内桂月全集刊行會
   1922(大正11)年7月9日発行
※底本は、物を数える際や地名などに用いる「ヶ」(区点番号5-86)を、大振りにつくっています。
入力:H.YAM
校正:雪森
2020年5月27日作成
青空文庫作成ファイル:
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